2009.10.24 21:26
　日本救急医学会が指針で治療中止を容認した脳死患者について「人工呼吸器の取り外しを選択肢としている」とした医師が２％にとどまるとした東大の全国医師調査。延命治療の中止をどこまで認めるのか。

　各地で発覚した呼吸器外し問題などを受け、日本救急医学会は平成１９年に終末期医療の指針を策定。脳死など死期が迫った患者に限り「呼吸器外し」を選択肢と明記した。学会は「指針を周知し、医療チームで議論してもらうことが独断を防ぐ歯止めになる」と強調する。これに対し、指針に従っても、治療中止の理由とされる「臨床的脳死」の基準のあいまいさを問題視する声もある。

　調査に当たった東大医学系研究科の会田薫子研究員は「今は脳死状態でも呼吸器を外さずにみとる医師が多いが、新型インフルエンザが大流行して呼吸器が足りなくなれば、シビアな判断が迫られるかもしれない」と懸念する。

関連ニュース「
医療現場の混乱示す」　東大全国医師調査
「脳死で呼吸器外す」２％　東大全国医師調査　指針容認も続く迷い
脳死…尽きぬ議論　臓器移植法改正案、１３日に参院採決
臓器移植法改正Ａ’案の全容判明　７日に参院提出　脳死は「移植に限り人の死」