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from: 21世紀さん
2009年10月27日 23時59分29秒
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【静かな有事】
第2部高きハードル(1)子ども手当は子を産むか2009.10.2722:23このニュースのトピックス:家族・少子高齢化子ども手当導入に伴う世帯別の年間
第2部高きハードル(1)子ども手当は子を産むか
2009.10.27 22:23
このニュースのトピックス:家族・少子高齢化
子ども手当導入に伴う世帯別の年間所得の変化 多くの国民が少子化の深刻さを知ったのは20年ほど前のことだった。平成2(1990)年、前年の出生率が丙午(ひのえうま)の昭和41年の1・58を下回る「1・57ショック」に見舞われたのだ。以来、日本は世界で最も少子高齢化が進んだ国となった。少子化は「静かな有事」である。止められなければ、日本は衰亡の道をたどる。鳩山政権はこの問題の“タブー”に切り込むめるのか。いまこそ、従来の発想とは異なる取り組みが必要とされている。
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「子ども手当をもらえるのはありがたいが、だからといって2人目をつくろうとは思わない。月2万6000円では養えないから」。東京都港区立東麻布保育室に3歳の長女を預ける会社員の土橋ゆう子さん(35)は、自宅に一番近い保育所が満員で、自転車で20分かけて送り迎えをしている。
東京中心に保育事業を展開する「キッズベースキャンプ」が、共働きの保護者に行った調査(8月30日)では、子ども手当で「もう1人産みたい」は12%にとどまった。
一方、全く異なる調査結果もある。インターネット調査会社「マクロミル」の調べ(10月6、7日)では、「出産の後押しになる」が63・4%を占めた。「子ども手当」の評価は割れている。
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親の所得と無関係に中学卒業まで月2万6000円が支給される「子ども手当」。鳩山政権の目玉政策だ。現行の児童手当の約5倍。誕生からの15年間に1人の子供が受け取る額は468万円にのぼる。子供3人の世帯なら総額1404万円。地方によっては家が一軒買える。
鳩山政権の子育て支援はこれにとどまらない。高校授業料を実質無償化、奨学金制度も拡充する。
だが、「子ども手当」だけで毎年5・3兆円の財源を必要とする。対象の子供がいない世帯で負担増となることへの不公平感も広がっている。東レ経営研究所の試算では、最も恩恵を受ける世帯と負担増の世帯では、年間約120万円の差が生じる。
「本当に子供のために使われるのか」-。“バラマキ”批判は根強い。
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「2万6000円」という額は、どう決められたのだろうか。
「当時代表だった小沢一郎幹事長の判断ですよ」。こう明かすのは、民主党の小宮山洋子衆院議員だ。
「全国遊説で、女性は子供や孫の話をすると目の色が変わるんだ。やっぱり『子ども手当』を参院選マニフェスト(政権公約)の目玉にしよう」。3年前の初夏、小沢氏は党本部の代表室を訪ねた小宮山氏に、こう語った。ただ、当時の案は月1万6000円でインパクトには欠けた。
19年1月の通常国会の代表質問。小沢氏は突然、「6兆円規模の『子ども手当』を創設する」とぶち上げた。小沢氏から増額根拠は示されなかったが、子供数で割り戻すと支給額は1万円増の2万6000円となる。「中学卒業までの子供の生活費・教育費の平均額」。積算根拠は後から決められた。
ただ、小沢氏の“直感”は見当違いというわけでもない。単純比較はできないが、出生率が2・02に回復したフランスの第3子以降は月約2万円、ドイツは約2万1000円。多くの国では所得制限が設けられていない。専門家からは「やっと国際標準並みになる」との評価も聞かれる。
果たして、「子ども手当」は、少子化歯止めの“切り札”となり得るのだろうか。
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ここに政府がまとめた1枚の内部資料=図=がある。縦軸に出生率、横軸には「子育て世帯への経済支援額」が刻まれている。作成にあたった関係者は「因果関係は不明」とするが、一部を除き経済的支援の多い国ほど出生率が高くなる傾向が見て取れる。
国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」(平成17年)では、夫婦が理想の子供数を持たない理由は「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が65・9%と群を抜く。これらのデータを見る限り、「子ども手当」への期待は高まる。
ただ、「いまのままでは少子化対策効果は限定的」との見方は少なくない。そもそも、鳩山由紀夫首相の説明自体がクルクルと変わっている。
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from: 21世紀さん
2009年10月30日 07時11分22秒
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「Re:【静かな有事】」
第2部高きハードル(3)「性」の危機、遅れる対応
2009.10.29 22:29
「草食系男子」という言葉がはやって久しい。誠実で優しいが、恋愛には消極的な男性を指す。女性との交際が苦手で、「晩婚化に拍車をかけている」との社会学者の指摘もある。
いま、日本人の「性」を取り巻く環境は極めて深刻だ。
「少子化問題が話題に上ると、常々、性交回数の少なさも原因として考えられるのではないかと、気になっていた」
日本家族計画協会クリニック所長で産婦人科医の北村邦夫医師はこう語る。
厚生労働省の「第4回男女の生活と意識に関する調査」(平成20年9月)のデータを北村氏が詳細に分析した結果、1カ月以上性交をしていない夫婦は36・5%。16年の第2回調査の31・9%から5ポイント近くも増えている。
イギリスのコンドームメーカーの各国調査(2005年)では、日本人の1年間の性交頻度は45回と世界最低。世界平均103回の半分以下だった。
出生数減に悩む日本にとって、「性」をめぐる危機は、隠れた“もう1つ”の少子化問題なのである。
なぜ日本人は性交に消極的なのだろうか。男女ともに「仕事で疲れている」「出産後何となく」「面倒くさい」が上位を占める=グラフ。ゆとりなき暮らしぶりも感じ取れる。
一部の専門家は「不倫や風俗なども含めると日本人の性交回数は少なくない」と解説する。だが、夫婦の性交頻度の低さが妊娠機会を低下させていることも否定できない。
子供をつくるかどうかは極めてプライベートな問題だ。戦前の「産めよ殖(ふ)やせよ」の如く、政府が口出しすることはありえない。
ただ、北村氏は「セックスレス夫婦は異性とのコミュニケーション能力が低い傾向がある。男女のコミュニケーション技術を向上させることが、少子化脱却への近道」と提唱する。
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さらに衝撃的な研究データがある。日本人男性の精子が少ないというのだ。
18年に発表された国際共同研究。日本、デンマーク、フランス、スコットランド、フィンランドの5カ国における妻が妊娠中の男性の精子数を年齢、季節、禁欲期間など一定条件下で比較したところ、日本が最も少なかった。トップのフィンランドのわずか「3分の2」だ。
研究結果を発表した国際医療福祉大大学院の岩本晃明教授は、「人種や食物、生活習慣に加え、環境ホルモンの影響も考えられるが、はっきりは分かっていない」と説明する。
条件を統一しての国際比較研究はこれ以外になく、国からの研究費補助がないため継続調査もままならない。日本人の精子数が減ってきているのか、少子化の要因になっているのかはつかめていない。
「不妊治療は精子が1匹でも採取できれば授精可能。このため日本では国際比較が可能な精子研究が非常に遅れている」。岩本氏は危機感を募らせる。
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