2009.12.12 19:50
　１５歳未満の子供からの脳死移植を認めた改正臓器移植法が来年施工されるのを前に、日本移植学会など約３０の学会や団体からなる臓器移植関連学会協議会が１２日、現行の臓器提供施設に小児専門医療施設を加えることなどを求めた提言案をまとめた。来年１月にも正式な提言として厚生労働省に提出し、国が今後作成するガイドラインへの反映を求める。

　現行制度では、臓器提供が行える施設は大学付属病院や救命救急センターなど４種類の約５００施設に限られている。しかし、改正後は子供からの臓器移植が可能となることから、小児専門医療施設を加えることを求めた。従来の施設は子供の治療経験が乏しく、厚生労働省研究班が行ったアンケートでも、回答した１８４施設のうち、子供の脳死臓器提供が可能と答えたのは２９％（５３施設）にとどまった。

　また、協議会は法改正により、これまで年間１０件程度だった脳死からの臓器移植が８０件程度にまで増えると試算。移植のマッチングなどを行う臓器移植ネットワークの移植コーディネーターの増員が不可欠とし、質を確保するため、研修システムの構築も求めた。

　家族の同意で移植が可能となることから、ドナー（提供者）家族をサポートする専門組織の新設なども求めている。

　改正法は来年７月に施行されるが、親族への優先提供については同年１月１７日に先行して施行される。