2010年3月18日


　県警生活安全総務課は十七日、昨年のドメスティックバイオレンス（ＤＶ）とストーカー被害の状況をまとめた。このうち配偶者らからのＤＶ被害の認知件数は二千百七十件（前年比５・４％増）と過去最多で、ストーカー被害の認知件数も五百十六件（同２０・６％増）と過去二番目に多かった。同課は「男女間のトラブルによる事件が増え、社会的関心が高まったのでは」と分析している。　（水野健太）

　同課によると、配偶者らからのＤＶ被害者の９８％が女性で、裁判所から退去や接近禁止などの保護命令が出されたのは六十六件。配偶者らが逮捕などされたケースはなかった。

　ストーカー被害者の８７％が女性で、県警はストーカー規制法に基づいて、五十六件の警告を出し、二人を摘発した。

　認知件数が増加した背景には、東京都内で昨年八月、ストーカー被害に遭った女性が祖母と殺害される事件など、ＤＶやストーカー被害を発端にした凶悪事件が後を絶たないことなどがあるという。

　県警は、ＤＶやストーカー被害に苦しむ相談者に対して、住民票の閲覧制限や保護命令などの防御策を紹介、被害の拡大阻止を図っている。昨春、支給された定額給付金をめぐって「ＤＶで家から避難したが、どうやって受け取ればいいのか」といった相談も寄せられたという。

　県警の担当者は「犯罪がエスカレートする前に、早期に対応を図っていきたい。被害者は、最寄りの警察署や県の窓口に相談してほしい」と話している。　
03/18
東京新聞