昨年５件プラスの２５１件
　青森地方法務局が２００９年に受理した人権侵犯事件が、前年比５件増の２５１件と、４年ぶりに増加に転じたことがわかった。同局は、広報紙などを使った地道な相談窓口ＰＲが奏功し申告者が増加した、とみている。

　同局によると、人権侵犯事件のうち、私人同士のトラブルが２２３件（前年比９件減）と大半を占めた。この内訳別では、家庭内暴力など「暴行・虐待」が９５件で最も多く、次いでセクハラなど「強制・強要」が６４件、騒音や除雪を巡る近隣トラブルなど「住居・生活の安全に関する侵犯」が３２件と続く。

　公務員や教職員などによる人権侵犯事件は２８件と、前年比で１４件増えた。内訳は、いじめに対する学校側の不適切な対応が１２件、教職員による体罰などが８件。刑務所職員による人権侵犯も１件あった。

　また、インターネットを使ったプライバシー侵害が前年の２件から１６件へと急増。ネット掲示板に名誉棄損情報が掲載されているとして、同局が運営会社に削除要請した事例もあった。

　インターネット普及に伴い、ネット上での人権侵犯が増加する可能性が高く、同局人権擁護課の立花孝雄課長は「今後は、ネットを使った相談窓口の周知に力を入れたい」と話している。

（2010年4月4日 読売新聞）