◇家族間の暴行虐待１２７件
　福島地方法務局は、０９年に受理した県内の人権にかかわる事件の統計を発表した。受理した２５９件（前年比４７件減）のうち、夫から妻への暴行虐待が８７件（同１７件減）に上り、東北地方で最多、全国でも７番目に多かった。以前からＤＶ（ドメスティックバイオレンス）の件数が多い県内の状況が改善されていないことが浮き彫りになった。

　同法務局によると、私的な関係による事件が２４２件（同５３件減）あり、このうち家族間の暴行虐待が過半数の１２７件（同３８件減）。一方、教員や刑務所職員など公務員らの職務に伴う事件が１７件（同６件増）あった。このうち教員が児童・生徒のいじめを見過ごしたり、学校側が対応しなかったケースが６件あった。

　０９年に同法務局が具体的に対応をしたのは２４７件。精神科の病院で入院患者が母親にあてた信書を看護師が差し止めたケースがあり、病院側に再発防止を要請したという。

　事件とは別に受け付けた相談は５０３７件で前年より８８１件減った。ＮＰＯ（非営利組織）法人や児童相談所に分散したためとみられる。同法務局では平日午前８時半〜午後５時１５分に相談窓口（０２４・５３４・２０２１）を開設している。【蓬田正志】

【関連記事】
児童虐待：施設の保育士や指導員　大阪
性的虐待：養護施設の児童に　職員を懲戒解雇　岡山
親権：子供の視点での見直し議論確認　厚労省専門委初会合
虐待：容疑の行司逮捕…３歳長男の背中ける　妻が被害届
大阪虐待死：死亡前日嘔吐、繰り返し暴行か　同居少年供述
毎日新聞　2010年4月9日　地方版