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配偶者からの暴力(DV)問題

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  • from: 21世紀さん

    2010年10月12日 09時35分45秒

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    傷ついた人再び笑顔に

    福井被害者支援センター理事長 松原 六郎さん59


    元気@ふくい・松原さん 犯罪で傷ついた人や、かけがえのない肉親を失った遺族は、ショックで外出できなくなったり、体調を崩したりすることが少なくない。苦しみを抱える被害者らに寄り添い、病院や警察に付き添ったり、相談に乗ったりする活動を続けている。1日も早く、心からの笑顔を取り戻せるように――。

     福井被害者支援センターを設立したのは2001年11月だ。昨年9月、県内で初めて「犯罪被害者等早期援助団体」の指定を受けた。これにより、警察を通じて遺族らの了解が得られれば、早い段階での支援が可能になった。事務所は福井市内のビルの一室。ボランティア相談員ら53人が交代で、親身になって悩みに耳を傾けている。

     元々は青少年の電話相談員として、いじめなどの相談に対応していた。「力を貸してほしい」と県警から要請を受けたことが、被害者支援に踏み出す1歩となった。

     飲酒運転の車に我が子を奪われた両親、犯罪者に肉親を殺された家族たち。近隣住民の心ない言葉や態度が、傷ついた心をさらにえぐる。「被害者らが、ここまで苦しんでいるとは思わなかった」。本業は、心のケアを手がける精神科医。しかし、医学的知識では、心の傷の深さを到底説明できないと悟った。

     センターは一時、資金不足で閉鎖話が持ち上がったことも。電話料金の支払いに困るほどの苦境を、踏みとどまらせたのが1通の手紙だった。夫の家庭内暴力から逃れるため、かつて助けを求めてきた女性からだ。同封の写真には、1歳だった娘が成長したかわいい姿。感謝の気持ちに触れたことで「センターをなくしてはいけない」と奮い立った。

     地道な活動で賛同者を増やし、会員数は542の個人と48団体に。この間、刑事裁判で蚊帳の外だった被害者や遺族が、被告人や証人に対して質問できるようになるなど、被害者を取り巻く環境は大きく変わってきた。

     しかし、一般市民の関心はまだまだ高くないと感じる。「家族を亡くして悲しみに暮れる遺族は、洗濯物を取り込む気力すらわかない。買い物にも出られなくなる」と思いやる。続けて「本当に必要としているのは日常生活のサポート。身近な人の手助けが欠かせない。県民に、被害者や遺族への理解が広がり、センターが必要なくなるまで続けたい」と強調した。

    (酒本友紀子)

    (2010年10月11日 読売新聞)

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