「殺人・殺人未遂：包丁でもみ合い、父死亡　長男重傷、母は軽傷－－兵庫・尼崎」
　８日午前１時５０分ごろ、兵庫県尼崎市道意町（どいちょう）６のマンション２０７号室から、男性の声で「別居中の父親が家に来て、母親に包丁を突きつけている」と１１０番があった。駆けつけた県警尼崎南署員が、室内で倒れている男性２人と血の付いた包丁２本を発見。住所不詳、無職の北浦公司さん（５２）が死亡し、通報者とみられる会社員で長男の慎一さん（２６）が重傷、公司さんの妻（４８）が軽傷を負った。

　３人とも刃物による傷があり、尼崎南署は離婚を巡るトラブルから公司さんが慎一さんと妻を刺し、慎一さんも公司さんを刺したとみて、殺人と殺人未遂容疑で捜査している。

　神戸地裁尼崎支部は昨年１２月、公司さんに対し、配偶者暴力防止・被害者保護法（ＤＶ防止法）に基づき半年間接近を禁止する命令を出していた。【原田啓之、生野由佳】

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毎日新聞　2011年7月8日　大阪夕刊

「Re:整体師殺害、２人を起訴　「夫が事業の邪魔に」　茨城」
ひたちなかの整体師殺害：殺人罪で妻と知人起訴　「夫邪魔になった」　／茨城
　ひたちなか市の整体師、沢田孝幸さん（当時３７歳）が自宅で刺殺された事件で、水戸地検は５日、整体師で妻のさつき容疑者（３８）と、知人の准看護師、菊池明代容疑者（２７）＝日立市東大沼町４＝を殺人罪で起訴した。

　起訴状によると、２人は共謀し、先月１４日午前０時半ごろ、ひたちなか市東石川のマンション５階の沢田さん方で、沢田さんに睡眠導入剤を飲ませ、眠り込んだところをヘリウムガスで窒息死させようとしたが目を覚ましたため、同４時４０分ごろ、沢田さんを刃物で多数回刺して失血死させたとしている。

　地検によると、さつき被告は逮捕直後、動機について「家庭内暴力に耐えられなかった」と供述していたが撤回。整体師として多数の顧客を抱えていたさつき被告が業務拡大を計画する一方、非協力的で資金を遊興費として使う沢田さんが「邪魔になった」と話しているという。

　一方、数年前から客として通っていた菊池被告は「すばらしい人」とさつき被告を崇拝し、積極的に協力したとしていたが、その後「今思えばだまされていた」という趣旨の供述をしているという。さつき被告は心理療法にも詳しく、経営する整体院で顧客の相談に乗っていた。【酒井雅浩】

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毎日新聞　2011年7月6日　地方版

「整体師殺害、２人を起訴　「夫が事業の邪魔に」　茨城」
2011.7.6 02:20
　■ガス窒息死も未遂　菊池被告は洗脳状態

　ひたちなか市東石川のマンションで整体師、沢田孝幸さん＝当時（３７）＝を共謀して刺殺したとして逮捕された妻の整体師、さつき容疑者（３８）と知人の准看護師、菊池明代容疑者（２７）＝日立市東大沼町＝について、水戸地検は５日、殺人罪で起訴した。さつき被告は逮捕直後、沢田さんに家庭内暴力（ＤＶ）を受けていたことを動機に挙げていたが、現在は「ＤＶはなかった」と供述が変遷しているという。

　地検によると、調べではさつき被告が激しいＤＶを受けた事実は確認できず、「事業の拡大に非協力的な夫が邪魔になった」と供述している。仕事に熱心だったさつき被告は、あまり働かず、売上金を遊興に浪費する沢田さんを疎ましく思っていた可能性がある。

　また、沢田さんが殺害された６月１４日未明、両被告は沢田さんをヘリウムガスで窒息死させようと試みたことが新たに判明。頭部にポリ袋をかぶせたが、沢田さんが目を覚まし失敗。地検は両被告の高い計画性や執拗（しつよう）さを裏付けられるとみている。

　一方、菊池被告は「私がやるから下がっていて」と実行役を買って出たとされるが、地検によると、残されたメールやメモなどから、さつき被告が殺害計画を主導し、自分を強く慕っていた菊池被告を利用した可能性が高いという。ＤＶ被害などを信じ、「（さつき被告を）助けたかった」と動機を供述していた菊池被告。「今考えると、だまされた」と供述しているといい、地検は「マインドコントロールに近い状態にあった」と分析している。

　菊池被告は過去に暴力団関係者とのトラブルを解決してくれたさつき被告に心酔していたが、さつき被告はその際、和解金名目で菊池被告から現金をだまし取った疑いがあり、捜査当局では近くこの詐欺容疑でも立件する方針。

　起訴状によると、両被告は共謀して６月１４日午前０時半ごろ、沢田さんに睡眠導入剤を飲ませて眠らせ、縛った上で頭にかぶせたポリ袋にヘリウムガスを充填（じゅうてん）させ殺害しようとしたが失敗。４時４０分ごろ、菊池被告が台所にあった牛刀で沢田さんを何度も突き刺し失血死させたとされる。