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from: 21世紀さん
2012年02月25日 19時49分02秒
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この人に聞きたい
この人に聞きたい:名古屋市男女平等参画推進センター事業運営局長・伊藤静香さん /愛知
◇一歩踏み出す支援に--伊藤静香さん(49)
再就職を望んだり、ドメスティックバイオレンス(DV)被害に遭ったり、経済的に困窮する女性への就労支援が求められている。名古屋市男女平等参画推進センター(同市中区)では、そうしたニーズに応える講座や情報提供があり、運営するNPO法人参画プラネット常任理事でセンター事業運営局長の伊藤静香さん(49)は「一歩を踏み出すきっかけに」と活用を呼びかけている。【岡村恵子】
--どのような事業を実施?
経済的に困難な状況にある女性を対象にしたパソコン講座や、再就職希望の女性を対象にセンターで就労体験をする「わたしのキャリア発見塾」(参画プラネット主催)などの実践型講座を開いた。11年11月の竹信三恵子・和光大教授による講演会「DVの視点からみる女性の貧困の現状」では、女性が結婚によって仕事をやめ、貧困に陥るケースを取り上げ、夫中心の経済基盤しか持たない女性が生きづらい雇用システムを取り上げた。男性も参加しやすいようにと実施した、レコードを持ち寄るレコードコンサートも好評でした。
--企画に自身の経験が生かされている。
25歳で商社を結婚退職し、専業主婦になった。しかし、医師の夫が稼いだ生活費を「預かっているお金」としか思えず、もし夫がいなくなれば何もできなくなると思い、常に夫の機嫌をうかがって話すようになった。社会の中で、自分の存在が小さくなっていく感覚にとらわれ、苦しかった。働こうと思ったが、資格もない。女性の自立支援をする市民団体が開いた「ライター講座」を受けるためにこの団体の会員になり、そこが募集していたセンタースタッフに応募しました。
--再就職前はさまざまな講座に通った。
多忙な夫はほとんど家におらず、子育てを一人で担った。育児書通りにできず、イライラして娘をたたいたこともあります。「私はボールじゃないんだから蹴らないで」と娘に言われ、このままではいけないと親業訓練講座に参加。そこで、自分を肯定するとやさしくなれることに気づき、自信のない自分を変えたいと思うようになりました。
--再就職をして変わった?
何かがあっても、自分一人で生きていけばいいと思える覚悟ができた。すると、夫との関係が対等で、とても風通しのいいものになった。同時に、家族の生活を背負う男性が抱えている重圧に気付いた。以前は、私ばかりが我慢していると思っていたのです。
--今後の事業展開を。
センターに来ていただき、ホームページを見ることで、講座や相談機関の紹介などさまざまな情報を得ることができます。しかし、DV被害の渦中にあったり、困窮しているなど、情報を得る余裕がない状況の人にいかに情報を届けるかが課題。そうした女性が生活を立て直すことができるような支援を拡充していきたいと思っている。本当に自分は働くことができるのかと不安を持った人に活用してもらいたい。私は特別な人間ではないが、あきらめなかったから今の自分があると思う。一歩を踏み出そうと思えば、できる。そのための支援があるということを伝えたい。
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■人物略歴
◇いとう・しずか
犬山市出身。金城学院大短大部卒業後に就職した商社を87年、結婚を機に退職。03年に名古屋市男女平等参画推進センターのスタッフとなり、05年からセンター指定管理者のNPO法人参画プラネット常任理事。名古屋市立大大学院人間文化研究科博士後期課程に在学中。
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