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from: orimasaさん
2010年08月25日 10時43分24秒
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穂高岳登山(10) 「重太郎新道;下山者」
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穂高岳登山(10) 「重太郎新道;下山者」
(画像の大部分は和田氏提供による、現地イメージ写真です)
岩の小さな尾根を右へ横切ると猫の額ほどのテラス(水平のスペース)があったので小休止しながら雨具を装着する。
降雨は余り激しくはないが風に伴って吹き付けてくる。
冷たい雨で、やはり高所と季節柄でもあろう。
小さなテラスをほんの少々行くとまたまた、絶壁を攀じるようになる。
この辺りは崩れた岩くずの浮石が多いところだ・・!、
ステップと落石に充分注意しなくてはならない。
岩肌が濡れて冷たく感じるので軍手を付ける。
四つん這いで、体調と自問自答しながら、慎重に慎重に登る、攀じる。
今のところコンデションはまずまずであり、自分のペースで地味にではあるが一歩一歩確実に進む。
進まなければ目的地には達しないのである。
当たり前であるが3000m近い高峰で、時節的にも風雨が冷たく、体力も限界に達したとき、その一歩一歩がままならず、所謂、疲労困憊による行き倒れ・・!!、
何てことも起こりうるのである。 心して進まなければならない。
dh22-2 岩場に取り付く登山者
この頃より下山の人達がチラホラ見え出した。 いずれの人々も雨具をがっちりと装着している。
やはり、上部は荒れ模様である事が覗われる。
やや、歩きやすいコースに出たとき、女性を含む数人のパーティとクサリ・ハシゴ場のところですれ違うことになった。
全員が下り降りるのを待って・・、
「こんちは、 お疲れさん」
「おはようございます」と朝とも昼ともつない挨拶を交わす。
仲間同士で懐かしい訛(なまり)の会話が聞こえたので、チョッと話しかけてみた。
「吊尾根、稜線までは未だかなりありますか・・?」
「そうだね、我等はここまで凡そ30分程かかっておりますのでね・・!」
「ははーー、ところで、懐かしい言葉訛が聞こえたが、どちらからですか・・?」
「俺らげ・・?、茨城は日立からだ」
「ああ、やっぱし、 わだしは今は神奈川に住んでけっど、出身は“いわき”です」
「ああー、いわきと日立だったら隣町(となりまぢ)みでなもんだね」
「んだね・・、ところで今朝は穂高小屋からげ・・?」
「んだ、 出たのは7時っころがな」
「吊尾根では、やっぱし吹かれたげ・・?」
「んだな、奥穂まではマアマア静かだったけど、吊尾根の途中がら降ってきたね」
「いろいろどうも、下りは危なっかしいどころがいっぱいあっがら気をつけて」
「ああどうも、登りも結構急などころが有るんで気をつけて、そいじゃ・・、」
お互いに一息入れて、出発である。
ゴツゴツした岩の登り、ザクザクとしたガラ場の歩き、いずれにしてもかなりの急斜面で胸付き八丁の登行であり、相当なアルバイトを強いられる。
ところで、この穂高名物・重太郎新道は「北アルプス三大急登」の一つとも言われる。
他のアルプス急坂は、中房温泉から燕岳の“合戦尾根”、信濃大町から烏帽子岳の“ブナ立尾根”と言われるが、岩稜の急登、急降下はこちらの岳沢・穂高ルートの重太郎新道がダントツではなかろうか・・?、
尤も、「三大○○」というのは、規定や規約の取り決めで決まるものではなく、“おらがのところが、日本の三大○○だべ・・”と、勝手に自称で名乗っている場合もあるようだ。
北アルプス三大急登は他にも、笠ヶ岳の笠新道なども上げられる。
因みに、小生の知る関東周辺の名だたる山岳地の急坂は、北ア・烏帽子岳へのブナ立尾根、南アルプス・赤石岳の椹島(さわらじま)コース・高度差にして1500m以上、同じく南アの甲斐駒ヶ岳への黒戸尾根、谷川岳への西黒尾根や鳳凰三山の御座石鉱泉から尾根道の鳳凰山(地蔵岳)へ至る道であろう。
身近なところでは、丹沢山塊の塔ノ岳 (1491m)へ至る大倉尾根で、ベースの大倉(290m)から1200mの高低差を延々と上り、通称「バカ尾根」でも知られる。
いずれにしても、疲れきった身体での岩場の上り下りには、クレグレも要注意で慎重さを要求される。
次回へ・・、
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