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創価学会あれこれ

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  • from: 改革フォーラムさん

    2011年06月29日 18時25分43秒

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    識者の目

    選挙集団と化した創価学会の敗北

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    ―自民党を食い潰して自滅の道をたどる―

    (元NHK記者・川崎泰資<Forum21>H21.9.9)

     日本の政治の失われた10年は、1999年、公明党が自民党との連携を深め、その後自公連立政権に走ったことに始まる。事実上の日米安保の改定に匹敵する「日米ガイドライン関連法」「国歌・国旗法」「通信傍受法」という名の盗聴法など、自民党が単独では押し切れない法案を、平和の党・福祉の党を標榜する公明党が主義主張を棚上げして、すべて賛成して成立させ、自民党の右傾化や暴走を支えた結果の報いである。
     総選挙の結果、民主党が308議席を獲得、自民党が119議席という歴史的惨敗で政権交代が現実のものとなった。だがそれ以上に注目すべきなのが、公明党が小選挙区で8人の議員が全て議席を失い、比例区だけの21議席に転落したことだ。これは選挙での常勝の神話が崩れ、創価学会・公明党を支えてきた「偽りの宣伝」が馬脚を表したことを意味する。事実上、選挙集団と化していた創価学会は選挙での得票を増やすことが布教そのものであるとして、政治と宗教を一体化した活動を長年続けてきた。


    【学会・公明の国民への背信】
     創価学会・公明党は、この政教一致を批判されることを極端に拒否し、さらに政治だけでなく日本の官界、教育界、警察・検察など各界に学会関係者を増やし、「総体革命」と称して、政治の力と併せて強大な影響力を行使することを目論んできた。
     しかし今年は東京都での自民・公明の勢力による、石原政権支持の暴走があり、民意を無視して東京五輪の開催に賛成、新銀行東京の放埒な経営に加担、築地市場の無謀な移転への賛成など国民に背を向ける政治が、先の都議選でも批判を浴びた。この結果、議員数は変わらなかったものの前回より投票率が上がりながら得票数が減少という退潮傾向を見せたのに、メディアは公明党の勝利と報じ実態を覆い隠して持ち上げた。
     都議選の結果は、投票率が上がり小選挙区では公明党の勝ち目がないことを示していたから、衆院選での小選挙区での公明の全敗は予想されたが、全力を尽くした学会員にとっては大きな衝撃となったはずであり、選挙から宗教への回帰が始まるかもしれない。


    【宗教法人と学会マネー】
     宗教法人の非課税の特典をフルに利用した創価学会の政教一致の活動は、その「金権」体質を生み、学会マネーの「金縛り」にあった政党が学会に寛容になり、マスメディアが実態を報道しない「不報」の罪が学会・公明党の暴走を許す結果につながった。
     それだけでなく、今度の衆院選では、宗教法人・幸福の科学が「幸福実現党」を創立して大量の立候補者を出し世間を驚かせた。これは池田大作の支配を容認し政教一致に寛容な政界に、幸福の科学がそれでは我々もと考えたのかもしれない。
     半世紀にわたり日本を支配した自民党の元首相が、「比例は公明」と連呼して選挙カーを走らせたり、自民党の総裁選に立った女性が自分の選挙が危ないとみるや、幸福実現党と手を結ぶに至っては党崩壊の象徴的出来事で、政権政党の矜恃(きょうじ)はない。
     選挙に惨敗のあと公明党は自民党の大敗の巻き添えを食ったと言わんばかりだが、事実はそうではない。自民党に寄生するように連立を組み、創価学会の池田大作の国会喚問を阻むことに全勢力をかけ、政教一致問題が脅かされないのなら自民党の言うことは何でも聞く。これが公明党の役割であり、結党時に明らかにした政策に背反しても自民党の主張に応じてきた。5%の得票で得た議員を利用し自公政権をつくり、2年前の参院選で国民の批判を浴びても反省せず、参院で否決されても衆院での3分の2の多数で再議決するという数の暴力を駆使する原動力になったのも公明党であった。小泉政権での市場原理主義、格差の拡大、地方の疲弊、医療・介護・年金と福祉政策の後退に手を貸したのも、福祉の党を標榜した公明党であった。憲法9条に違反する疑いの強いイラク派兵や、洋上給油などに積極的だったのも平和の党を主張する公明党だった。
     これほど国民に対する裏切りはないし、それを裏切りと考えないほど池田大作に傾倒する公明党は宗教団体としても選挙団体としても末期症状というほかない。
     自民党は、麻生首相を選挙の顔として選んだにもかかわらず、失言、暴言、無策の上に傲慢な体質丸出しに国民がソッポを向いても党内でけじめをつけることができず結局、国民の審判でやっと首相の座から去らせることができた。


    【政教一致に断を】
     一方メディアは学会・公明の広告や印刷の委託等に頼っているため、学会への批判ができず、そればかりか学会・公明が嫌がることは書かない、報道しないことに徹している。大多数の国民はメディアの「不報」の結果、学会・公明の不都合なことは知らない。
     20年近くも公明党の初代委員長を務めた竹入義勝が、池田大作の不興をこうむり、罵詈雑言を浴びせられ、謹慎状態に追い込まれたほか、次の委員長、矢野絢也にも言論活動の禁止を強要し、所持している黒皮の手帖を奪い去り、裁判所の返却命令にも応じない等の言語に絶する仕打ちを行っている。だが、こうした事実は大手のマスメディアでは殆ど報道されることがなく、また公明党自身もこの事実に触れようとしていない。
     池田大作に対する議員の献金や、池田会館の選挙への利用など政教一致に関する数々の問題も伏せられたままで、それを国会で追及されても、メディアがその事実を伝えないため国民の大半は何も知らされないままである。また池田大作に関する情報は極端に管理され外に出ることは殆どないのに、政治的なことになると安倍首相との密談、中国の首脳の来訪時の会談などは密かにセットされる。これでは公明党は、公党とは言えない。
     新政権は、日本での政治の民主主義を確立するため、政教一致に対しては厳しい態度で臨み、宗教の政治入に決着をつけることが極めて重要である。(文中・一部敬称略)

    川崎泰資(かわさき・やすし)元NHK記者。1934年生まれ。東京大学文学部社会学科卒。NHK政治部、ボン支局長、放送文化研究所主任研究員、甲府放送局長、会長室審議委員、大谷女子短大教授、椙山女学園大学客員教授を歴任。著書に『NHKと政治―蝕まれた公共放送』(朝日文庫)『組織ジャーナリズムの敗北―続・NHKと朝日新聞』(岩波書店)など。

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コメント: 全26件

from: 改革フォーラムさん

2011年07月22日 19時14分43秒

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「Re:識者の目」
被告・池田大作を追いつめた5年間に及ぶ「宗門戦争」、その驚くべき実態

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(日蓮正宗弁護団長 小長井良浩『文藝春秋』H8.2抜粋)

<宗門との約束>
 そもそも、創価学会という団体は真の意味で宗教団体だといえるのでしょうか。いわんや、宗教法人として優遇税制その他の国家からの保護を受けるに値する団体なのでしょうか。私は日蓮正宗弁護団長という立場でこの5年間活動してきたわけですが、その答は否と言わざるをえません。時として目的のためには手段を選ばない、謀略団体と言うベきでしょう。
 もっとも、世間的には創価学会=日蓮正宗というイメージがいまだに強く残っていることも拭いがたい事実でしょう。宗門が学会を破門したという程度の知識はあっても、それが具体的にどういう意味を持つことなのかといえば、ほとんどの国民は知らないのではないでしょうか。同じ信仰を持つ団体同士が内輪もめをしている、あるいは派閥争いをしているというふうに考えている方もなかにはあるかと思います。または、いまの争いは一時的なものであって、いずれ将来は仲直りするのだろうと言う人もいます。
 そういった誤解を解くために、改めて宗門と学会の関係をおさらいさせて頂きたいと思います。

 日蓮正宗では、古来から日蓮大聖人の法体を継承したすべての歴代御法主上人を正法の正師として拝してきました。現在の法主、日顕上人は、日蓮大聖人から数えて67代目の法主になります。
 日蓮大聖人が1282年の入滅の際に、その後継として日興上人を選んで、所弘の仏法の奥義を余すところなく口決相承(くけつそうじょう)により伝授したと言われています。これを日蓮正宗では「唯授一人血脈相承(ゆいじゅいちにんけちみゃくそうじょう)」と称していますが、つまり日顕上人に至るまでの700年余りの間、一器の水を一器にそそぐように67代にわたって日蓮大聖人の教えが後継の法主を中心に受け継がれてきたわけです。
 日蓮正宗の総本山である大石寺(たいせきじ)も含め、全国にある日蓮正宗に属する600以上の末寺はそのほとんどが各都道府県知事が認証した宗教法人でもあります。それらを包括するのが日蓮正宗であり、包括宗教法人として文部大臣に認証されています。
 一方の創価学会は、昭和5年に牧口常三郎を会長とする創価教育学会として発足したのちに、日蓮正宗の信徒団体となりました。牧口会長が亡くなり、昭和20年に創価学会として再建、戸田城聖氏が2代会長に就任していますが、以後一貫して日蓮正宗を外護(げご)し、広宣流布へと挺身すべき信徒団体という立場にあったのです。
 宗教法人法第2条に、「宗教団体」とは「宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする」団体とあります。この法律が施行された翌年の昭和27年に、創価学会は東京都知事から宗教法人として認証されたわけですが、このとき、当時の戸田会長は、宗門外護と折伏(しゃくぶく)活動の便宜の上から法人格が必要として、宗門に許可を請うたのです。
 宗門側は、学会の申し出に対して厳重に、次の3つを守ることを提示し、学会側もこの遵守を約束いたしました。
 ①折伏した人は信徒として各寺院に所属させること。
 ②当山の教義を守ること。
 ③仏、法、僧の三宝を守ること。
この3原則は当時、既に学会が発行していた聖教新聞にも大きく書かれています。「仏、法、僧の三宝」とは、「仏宝」が宗祖である日蓮大聖人をさし、「法宝」は大石寺の正本堂に安置されている大御本尊です。これは日蓮大聖人直筆のもので、「南無妙法蓮華経」の7文字を中心に菩薩や仏の名が書き連ねられています。「僧宝」は、開祖である日興上人を随一として、唯授一人血脈相承の歴代上人全てにわたります。
 また、宗教法人「創価学会」の規則第3条にも団体の目的をこう定めてあります。
 「この法人は、日蓮大聖人御建立の本門戒壇の大御本尊を本尊とし、日蓮正宗の教義に基づき、弘教および儀式行事を行ない、会員の信心の深化、確立をはかり、もってこれを基調とする世界平和の実現と人類文化の向上に貢献することを目的とし、これに必要な公益事業、出版事業および教育文化活動等を行なうものとする」
 この規則は平成3年11月に宗門が学会を破門したのちも創価学会の規則として現存しているものです。
 秋谷栄之助創価学会会長は昨年末、国会での参考人招致で、「大聖人の仏法の正義を日蓮正宗の教義というならば、それを正しく堅持し伝えているのは、むしろ創価学会である。したがって、日蓮正宗の教義ということについて、変更する必要はないと考えている」と答弁しましたが、宗教法人認証の際の3原則に照らしてみれば、これが強弁に過ぎないことはすぐにわかるでしょう。

 現在、日本には18万を超える宗教法人が設立されていますが、単なる信徒団体が宗教法人として認められているケースは創価学会以外には1つとしてありません。おそらく、世界中を見てもこれは極めて異例なケースでしょう。それが何故、宗教法人として認証を受けることができたかといえば、先に述べたような日蓮正宗宗門に確約した3原則の経緯があり、これを東京都が認証したからです。
 そして、いまや創価学会は宗門から破門された信徒団体なのですから、広めるベき教義も御本尊もあるはずがありません。それでも、宗教団体だというのであれば、いったい、創価学会はどんな教義を持ち出し何を信仰しているというのでしょうか。

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from: 改革フォーラムさん

2011年07月21日 22時47分56秒

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「Re:識者の目」
被告・池田大作を追いつめた5年間に及ぶ「宗門戦争」、その驚くべき実態

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(日蓮正宗弁護団長 小長井良浩『文藝春秋』H8.2抜粋)

 私は、平成3年に宗教法人「日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)」の顧問弁護士に就任し、その後創価学会破門、池田大作信徒除名を経て5年間にわたり宗門弁護団長を務めて参りました。当初は弁護士は私1人でしたが、現在では弁護団の総数は全国で65人を数え、アメリカやブラジルにも事件があります。
 よく知られているように、平成2年末に池田大作創価学会名誉会長が日蓮正宗の信徒代表である総講頭の資格を喪失したことが端緒となって、創価学会による執拗な宗門攻撃が開始されました。
 以来、宗門への学会員らによる組織的な訴訟攻勢に止まらず、法廷外での様々な嫌がもせや脅迫、暴行、あるいは監視、尾行、法要妨害など、創価学会が行ってきた有形無形に及ぶ反社会的行為の実態を私は弁護士としてつぶさに見てきました。
 もちろん、宗門との全面的な争いが勃発すろはるか以前より、創価学会の反社会性については私も一弁護士として十分に認識していたつもりです。藤原弘達氏や内藤国夫氏ヘの出版妨害事件、宮本顕治共産党委員長宅盗聴事件、月刊ペン事件、1億7千万円もの現金が入った古金庫投棄事件・・・。このように、池田大作というカリスマに指導された創価学会が引さ起こした社会問題は枚挙にいとまがありません。
 だが、実際にこの巨大な組織と対峙してみると、これは反社会的という生易しい言葉ではとても言い尽くせない。この団体は破門された現在、オウム真理教で知られたカルトの集団であり、民主主義国家においては到底許すことができない存在であると認識を新たにした次第です。ましてや、宗教法人法の保護のもとに建設された宗教施設を使って教団全体で公然と選挙運動を行い、政治に大きな影響力を及ぼし続けているのですから、現在でも社会に与えているマイナスは計り知れないものがあります。これまで法主(ほっす)に信伏随従(しんぷくずいじゅう)していた何百万人の信徒が、池田大作というカリスマの意一つで、一斉に宗門に牙を剥き始め、違法行為すら厭わなくなるのです。「池田先生は絶対」という妄信のもとに一致団結して行動する団体が創価学会なのです。
 先の国会で宗教法人法改正案が紆余曲折の末に成立しましたが、創価学会を支持母体とする新進党はこの改正を宗教弾圧だと称して徹底して反対の立場をとってきました。ですが、私の経験に照らしてみれば、創価学会による宗門攻撃こそがあからさまな宗教弾圧なのです。一連の宗門攻撃の中には現職の公明の地方議員が関与しているものが多数あります。詳細は後述しますが、これこそ政治権力が宗教に介入する「政教一致」の典型例ではないでしょうか。
 また、創価学会が宗教法人法改正に反対の立場であるならば、その実質的指導者である池田大作氏はどうして堂々と国会に出て意見を表明しないのでしょうか。
 池田氏の参考人招致を巡って、新進党などは宗教法人に関する特別委員会の佐々木満委員長を委員長室に閉じ込め、審議を再開させようとしませんでした。このとき、国会議員やその秘書たち約300人が、池田大作という男一人を守るためだけに、国会内の狭い廊下に5時間以上に亘って陣取ったというのです。
 これは何という異常さでしょうか。卑しくも選挙で選ばれた国民の代表たる国会議員が、カルト集団の゛教祖゛の意のままに動いてしまうという懸念を図らずも露呈してしまったのです。思えば、細川連立政権の組閣前夜、池田氏は学会員を前に次のようなスピーチを行いました。「すごい時代に入りました、ね! そのうちデージンも何人か出るでしょう。ね、もうじきです。まァ、明日あたりですから。みんな、みなさん方の部下だから、そのつもりで。日本一の創価学会ですよ。明日の新聞楽しみに」(下線筆者、以下同)この発言こそ、学会の政教一致体質を如実に現しています。それにもかかわらず、この人物をあくまで守ろうとする新進党議員はやはり池田氏の部下なのでしょうか。
 これは日本政治の歴史の中でも前代未聞の愚行として後世の歴史家が振り返ることになると私は思います。
 そうならないとすれば、つまり、21世紀になっても創価学会がいまのままの勢力を維持しているとしたら、日本社会に健全な未来はやってこない。戦後日本が50年かけて築き上げてきた民主主義の精神を我々の子孫に伝えていくには、いまここで立ち上がらなければ間に合わなくなってしまうかもしれない。
 創価学会は、日蓮正宗という伝統宗教の信徒団体であって新興宗教ではない、と言って教勢を広げてきました。それが、平成3年には宗門からも破門され、学会の違法行為を重ねる常習性は、歯止めがなくなりつつあります。この社会的に重大な問題に中心的に携わってきた者として、私は敢えてここにこの5年間を子細に語ることにしました。日蓮正宗の信徒を指導(マインド、コントロ-ル)し、思いのままに操る池田大作氏の虚像をここに明らかにする次第です。

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from: 改革フォーラムさん

2011年07月20日 10時26分10秒

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「Re:識者の目」
「言論問題」で宿命的な陰り

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―竹入義勝「回顧録」を担当して―

(編集委員・小林暉昌『朝日新聞』H10.9.18)

 政治の動きを見ていると、表と裏がこんなに違うものかとよく驚かされる。竹入義勝・元公明党委員長の回顧録「秘話・55年体制のはざまで」の一連の証言も、政治のダイナミズムや複雑さを感じさせるものだった。
 竹入氏の代表的な実績とされる日中国交正常化の橋渡しでは、当時の田中角栄首相が党内情勢を見ながら逡巡(しゅんじゅん)している様子や、中国側は竹入氏が特使でもないのに共同声明原案の伝達を要請したことなど、通説とは異なる歴史のひだを見る思いがした。
 驚かされたのは、自民党とのかかわりが極めて深かったことだ。二階堂進氏の自民党総裁選擁立劇では、一連の動きが終わった後、竹入氏の立ち会いの下、田中元首相と二階堂氏の手打ち式までやり、「次は二階堂」で一致したという話などはその一例だ。
 また、創価学会の公明党支配が徹底していたことも「これほどとは」という感じを受けた人が多いのではないか。20年にわたって委員長を務めた当事者が党と学会の関係を発言した意味は大きい。
 この問題での竹入氏の発言は慎重だった。それでも「公明党と創価学会の関係は、環状線ではなく、一方的に発射される放射線の関係」という表現に思いが込められている。池田大作氏(現名誉会長)との確執は想像以上のものだったことがうかがえた。
 言論出版妨害問題を機に「政教分離」が宣言されたが、極めて不徹底、そのときの池田会長の「公明党はすでに立派な大人。明確に分離していく原則をさらに貫いていきたい」という発言通りやるべきだった――が言いたいことの核心なのだろう。
 インタビューの中で特に印象的だったのは、竹入氏が田中元首相らとの親密さを語るとき、誇らしさとともに苦々しさがないまぜになっていたことだ。
 竹入氏は「言論問題」で元首相に仲介を依頼。大きな借りをつくった。2人の関係は、表では政治腐敗や公害、福祉政策で自民党を追及しながら、裏では「創価学会を守る」ため自民党の補完勢力の役割も果たさなければならなかった同党の宿命的な「二重構造」の出発点となったのだからだろう。
 「言論問題」が明るみに出た時、竹入氏は「事実無根」の記者会見をした。このことについて竹入氏は「放っておいたほうが良いと進言したが、学会側が工作に動き出し、やむを得ず田中氏に頼んだ。あの記者会見も学会幹部からの強い要請でせざるを得なかった」と周辺に語っている。痛恨事だったに違いない。
 竹入氏が問いかけているのは、公党として国民政党を目指す以上、創価学会の党であってはならない、ということだろう。第三極論やキャスチングボート論も、権力との対決を回避する自己防衛的なものであってはならないと訴えている。
 新進党の解体後にできた「新党平和」と「公明」両党は、近く合体して旧公明党グループで再びまとまろうとしている。それに先立ち「政党とは何か」の原点からの議論が必要だが、その論議が活発に行われているという話は、残念ながら聞こえてこない。

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from: 改革フォーラムさん

2011年07月19日 22時45分49秒

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「Re:識者の目」
創価学会なるものの体質(仮題)

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(石原慎太郎『国家なる幻影』文芸春秋社'99発行)

<言論弾圧>
 あれは水野氏(※当時のサンケイ新聞の社主)の案に興味を示し私が買って出て、日本の新興宗教についての総合的なルポルタージュ『巷の神々』をサンケイ紙上に連載している間に筆が創価学会に及び、私が皮肉な批判を書いたら学会から抗議がきて、紙上で取り消すなり謝罪しなければサンケイの不買運動を展開するという脅しがあった。現にそのために関西のある地域で突然サンケイの購読が中止され、その示威行動としてかなりの部数が減らされた。
 現地の営業部は仰天し、報告を受けた本社でも問題になった。編集局からの相談に、私は違った事実を書いた訳ではないし、私が台東体育館で見た池田会長を迎えての大会のシュプレッヒコールの段取りとその印象はいつか記録映画で見たナチスの大会と酷似していて、それなりに見事なものだったが一方どこか空恐ろしい印象でもあった、といった記述はあくまでも表現の問題であってどんな組織だろうとそれを侵すことは出来ぬはずだと言い張った。
 私を呼びつけた水野氏も間に挟まっていささか困惑していたと思うが、こちらはいかにも頑固に論をとり下げず、その内面倒になった水野氏が次第に怒り出しとうに入っていたアルコールのせいで弾みがついてしまい、取っ組み合いにまでなった。
 「お前みたいな恩知らずは、今に誰か人を使ってこの世から消してやる」
などと物騒なことを口走る相手に、
 「まあ、たがいに頭を冷やして話し合いましょう」
いって辞したが、すぐにまた呼びがかかり、今度は素面で、
 「考えてみたらこやつらはいかにもけしからんな。天下の公器をなんと心得ているんだ。いいから好きなようにやれ、こんな新聞の1つや2つ潰してもかまわんよ。相手の本部にもそう伝えておけといっといた。なに、奴らも馬鹿じゃなかろうが」
 結果は相手がどう判断したのか知らないが不買運動は消えてなくなった。私としてはそんな出来事でようやく創価学会なるものの体質の芯が覗けた思いだったが、同じ性格の事件が後にも起こり、参議院での公明党議員の演説の陳腐さを揶揄した私のエッセイについて院内の公明党が筋の通らぬ文句をつけてきて今度は私自身が標的にされることにもなった。
 さらに後になって藤原弘達氏の学会批判の出版に、学会が田中角栄を介して出版とりつぶしの弾圧をかけて露見した時、つくづくこの巨大な組織の抱いている世間への奇妙な劣等感とそれがひっくり返っての思い上がりに危惧を抱かぬわ訳にいかなくなった。(同書59・60頁)

※自分達を批判する勢力に対しては、感情的になり数を恃みに常軌を逸した行動をとり攻撃する。この体質は、藤原弘達氏の出版妨害でいかんなく発揮され、ついに露見し世間から糾弾されることになる。池田学会はこれを機に、社会に反省と謝罪のポーズをとった。
 しかし、言論攻撃の体質は「別の形」となって今も続いている。つまりそれは『中外日報』への創価マネーの投入にみられるように、既成のメディアを学会の「御用新聞」化することである。この手法は一般紙にも及び広告料や聖教新聞・公明新聞の印刷委託をエサに創価マネーをマスコミに投入し、反学会の言論を抑制しようとするものである。これについては識者の間でも指摘されているところである。が、上記『国家なる幻影』によればサンケイ新聞が、かつて学会から不買運動をされたときに、世間に知られるほどの規模でなかったにも拘わらず、「現地の営業部は仰天し、報告を受けた本社でも問題になった。」というから、創価マネー投入の「効果」は我々の予想以上に大きいのかも知れない。

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<識者利用>
 池田氏と私との関わりのいくつかの挿話を重ねて眺めると、池田大作というカリスマ性をもった無類の組織者の実は複雑な心理構造(コンプレックス)が透かされて見えるような気がする。そして、そうした人物に完全に統御されている創価学会という巨大な組織の本質もまた。
 こと池田大作という、いろいろな意味で端倪(たんげい)すべからざる人物についての論評で一番直截で正確なものは、池田氏や松下幸之助氏がしきりにもてはやし日本に招聘して対談の共著など出していたイギリスの歴史学者トインビーの娘の評だろう。
 彼、池田は父のことなど全く理解もしていない俗物でただ父を利用しているだけだ、というようなことを彼女がどこかでいっていたが、まあトインビーというのも日本をしきりに褒めることで日本ではもてていたものの大した学者とは思えなかったが、その娘の辛辣はなかなかのものだと思う。(同書86頁)

※池田の「識者利用」の真実の一旦がここに垣間見れる思いがする。

●『21世紀への対話』と題された、上・下2巻からなる本がある。イギリスの歴史学者・故アーノルド・トインビー博士と池田大作とが、昭和47年5月と48年5月の2回にわたって対談した記録――であるという。この本は昭和50年の出版当時から、トインビー博士の名声を利用した、池田のノーベル平和賞へのデモンストレーションではないか、といわれていたもので、さすがにノーベル平和賞は受賞できずじまいであるものの、この本が池田の虚像の宣伝に大きく貢献してきたことは事実である。 ところが、この本、後に化けの皮が剥(は)がされ、実際は「トインビー・池田対談」などと呼べるものでないことが明らかとなったばかりか、故トインビー博士の孫娘・ポーリー女史からも、池田大作の実像を衝(つ)く手厳しい批判手記が発表された(1984年5月19日付・英紙『ガーディアン』紙に掲載)。(「自由の砦」サイト/http://www.toride.org/porry/)

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<理念なき事大主義>
 しかし土台大学紛争なるものの原因は希薄で、火の手の発祥地だった東大医学部のように前近代的な機構が問題になるのは当然だろうが、それに呼応してそこら中の大学で学生たちが改革を唱えて暴れるというのは大方故のないことにしか見えなかった。(中略)あれは一種の精神風俗への感染症としかいいようなく、覆面にヘルメットというファッションは宗教団体にまで蔓延していき、創価学会の青年部の学生たちと一緒に池田会長までがヘルメットに覆面といういでたちで片手を突き上げ、「宗教社会主義」なる面妖な祝詞をとなえているのを何かのグラビアで目にしてあきれ果てたのを覚えている。(同書89・90頁)
※かつて池田が唱えていたという実体のない「宗教社会主義」なる主義は、いつのまにやら完全に捨て去られた。社会主義とは対極にある「資本主義」の擁護者・自民党に擦り寄り、権力者気取りである。御本人は以前から「全体主義が一番」だと思っていたようですが・・・

◆本当は、全体主義は一番理想の形態だ(池田大作・第61回社長会・昭和47年6月15日/「慧妙」020916)

●岡留:少しは政権内野党として機能してるんじゃないの? そう、公明党と言えば、70年安保闘争の時、創価学会の学生部が学生運動をやっていたんですよ。「新学同」って言ったかな。
--しかし、トータルでみて、いまの公明党は、ほとんど国家主義化の動きに加担していると言っていい動きっぷりですよ。
岡留:まあ、補完勢力だね。/PublicityNo.028(2001/10/22)

http://freespeech.at.infoseek.co.jp/

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2011年07月18日 19時26分30秒

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「Re:識者の目」
創価学会支配のニッポン

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(本多勝一『週刊金曜日』H12.2.25)

 去年春の東京都知事選で、本来なら落選したはずの石原慎太郎という小説家が当選したのは、石原式の小ずるくて卑劣な策戦によるものであった。
 それは「上位6人」の得票数をみれば瞭然である。石原の166万票(1000以下4捨5入、以下同)に対し、2位以下5人だけの合計でも367万票に達し、石原票の実に2倍以上にもなるのだ。
 24年前の都知事選を思い出そう。美濃部亮吉と石原との対決の末に石原は敗北した。今回も石原と他の有力候補との2人対決となれば、票は反石原または非石原が石原票を上回ったであろう。
 これを裏付ける数字として、有権者の「信任度」がある。棄権者を含めた全有権者での絶対得票率をみると、石原はわずか17・5%でしかない。前知事・青島幸男の18・4%にも及ばないのだ。石原の24年前の方が、敗北したとはいえ今回より多い29・4%だった。この24年間に、石原の極右的体質や人間的卑劣さへの批判が強まって、人気が落ちていたか。今度の大手銀行課税問題など、日本共産党がかねて提案していた案(『赤旗』2月8日の紙面参照)の剽窃ではないのか。
 それでも当選した石原の策戦とは、立候補締切ぎりぎりまで風見鶏をしていて、他候補がドングリの背くらべであることを見越し、漁夫の利を考えた結果である。他の5人のうち3人ぐらいが辞退して石原以外を応援すれば、石原は落ちていたはずだ。
 似たようなことが、こんどの大阪府知事選にも言えるかもしれない。投票率は過去最低の44・58%だから、当選したといっても太田房江の絶対得票率はわずか20%前後にすぎぬ。石原より「ややマシ」ていどなのだ。次点の鰺坂真に3位の平岡龍人を加えた票は、太田を上回っていた。
 それでも当選した太田の策戦の中で甘く見てはならぬ部分に、創価学会の票がある。自自公ファシズム政権に加わったこの政教合体宗教は、会員総動員はもちろん、非会員へもなりふりかまわぬ投票勧誘活動を展開したようだ。こういう活動は、一般に投票率が低い場合ほど相対的に効率がよくなる。
 このことは、大阪府知事選と同時に行なわれた京都市長選でも明白だった。京都での学生時代に世話になったある京都人の体験によると、全く何の関係もない人から、間接また間接の糸をたぐって別々に何本もの電話勧誘があり、不在者投票やら交通手段協力やらを強引に、しつこく申し出てきたそうだ。そして何よりも、京都も大阪も自自公に野党の民主党まで相乗りする非論理・非倫理の日本型メダカ社会選挙であった。
 かくてニッポンは、創価学会という一宗教によって自自公ファシズム政権が左右され、憲法改悪であれ戦争協力法であれ盗聴法であれ、どんどんどんどんどんどん国会を通過できる体制がととのった。
 私の知人や遠い縁者にも創価学会員がいる。多くはナイーブで「いい人」たちだ。この情況を、あなた方はどう思っていますか。

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2011年07月17日 13時21分22秒

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「Re:識者の目」
創価学会『FRIDAY』2005.07.15

 理不尽な大増税より「創価学会に課税せよ!」

 政府は、どこまで庶民イジメをすれば気が済むのか。6月21日、小泉首相の諮問会議である政府税制調査会が凄まじい「大増税計画」を発表した。
 配偶者控除、扶養控除など、各種控除の見直し・廃止。景気対策として行われてきた、所得税・個人住民税の定率減税も廃止…。
 このような増税が、あと数年以内に実施されようとしている。その結果どうなるのかといえば、年収500万円、夫婦と子供二人の家庭では年間42万円の増税。年収600万円の家庭では、年間50万円以上の増税になると試算されている。
 50万円など、普通の家庭の一か月分の収入以上の金額。とんでもない大増税だ。

「新聞などで試算されている増税額は、税制調査会が指摘している控除の見直しすべてを試算に入れていないので、実際の増税額はさらに大きくなる可能性がある。自営業者にも厳しいのですが、特にサラリーマンに厳しい内容になっており、これが実行されると所得の低いサラリーマンは生存権も脅かされます」(エコノミスト・紺谷典子氏)
 政府税調の石弘会長は「サラリーマンが(負担の)核」と会見で公言したかと思うと、テレビ番組では「よく読めば自営業者にも厳しい」と発言するなど、結局、あらゆる庶民に厳しい増税となることを認めている。
 しかも増税は最終的に、各種控除の見直しだけに留まらない。本誌が昨年11月12日号などで繰り返し警告してきたように、次に来るのは【消費税率の大幅アップ】である。

 財務省の財政制度等審議会は、”2015年には消費税率を19%にする必要”があると発表している。消費税率は、1%アップで国民負担が2兆円強増加するといわれており、19%になれば国民負担は今より約30兆円増。国民一人当たりの負担増は、なんと約25万円にもなる!。
 これほどまで庶民をイジメをするというなら、ぜひ指摘したい。

 日本には、様々な面で、税軽減、免税といった優遇を受けている各種団体がある。象徴的な存在が宗教法人であり、その代表格といえば、やはり”創価学会”だ。
 石会長は「税の不公平感がある」ので増税するという。ならば、創価学会にも相応の課税をすべきではないのか。

「真の実態は掴めませんが、創価学会の総資産は10兆円といわれ、トヨタ自動車をも越える資産・財力を持つ宗教法人です。収入は信者の浄財(寄付)によるものが多く、原則非課税。土地や建物も”宗教活動”に供せられる場合には固定資産税や都市計画税が免除されています」(ジャーナリスト・山田直樹氏)

 創価学会の2003年の申告所得は、約180億円。しかし、これは、「浄財」による非課税収入を含んでいない。1995年に国会で公表された内容によれば、非課税であるその寄付部分の収入が、当時でも2000億〜3000億円に上っていたといわれる。
 これは民間企業でいえば、東京電力(2003年で申告所得約3164億円)に匹敵するレベル。ちなみにこれらの民間企業は、年間1000億円以上の法人税を支払っている。

「創価学会は宗教法人といいますが、選挙の前には会館に信者を集めたりして政治活動のようなこともするし、傘下の出版社による書籍の販売など、経済活動もしています。
非課税、軽減税率という恩恵を受けるべき純粋な宗教団体かといえば、限りなく”グレー”。
 一般企業同様、課税対象にしていいのではないでしょうか。」(慶応大学経済学部・金子勝教授)
 前出の山田氏もこう指摘する。
「アメリカでは、営利活動をすれば宗教法人の資格を剥奪される。創価学会は政治活動も営利活動も行う団体なのだから、宗教法人としての特権は返上し、営利法人として納税すべきです」

 学会信者もよく考えてほしい。学会は信者からの巨額寄付によって肥大化している。信者にすれば、これから与党・公明党も関与する大増税と、寄付という二重負担を強いられていくことになる。
 その結果、庶民である信者の暮らしがよくなるのか?ある特定の人物達が信者を踏み台にして私腹を肥やし続けるだけではないのか?
創価監視カメラ
http://6526.teacup.com/sokasecuritycamera/bbs?

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2011年07月17日 12時58分04秒

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「Re:識者の目」
ならば「創価学会」からもっと徴税せよ

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(北野弘久・日本大学教授『諸君!』0005)

-人心を惑わし政を行い、営利を貧る「実体」なき宗教法人に税制優遇措置を与えてはならぬ-

 東京都が大手銀行に対する法人事業税を外形標準課税方式に改めるという、いわゆる「石原新税」構想を打ち出してから早や2カ月。この雑誌が出るころには、条例案は都議会を通過していることだろう。
 この新税をめぐっては「銀行だけへの課税は不公平だ」との声があがったが、これは全くのおかど違いである。銀行はもともどバブル時代から税制上の優遇措置を受けているにもかかわらず、破綻危機に陥れば"金融安定化”と称して公的資金が湯水の如く注入される、という厚遇中の厚遇を受けつつも、貸出金利は徴収しながら一般預金者にはゼロに近い金利しか支払わず、巨額の業務利益を上げている。
 この状況こそが不公平なのではないか。
 むしろ今回の新税はこの不公平を正す意味で非常に公正であって、租税立法の指導原測である応能負担原則(租税は負担能力に応じて課税すべきだ、という原則)にもかなっている。 一方中央政府は政府税調で、法人全業種を対象とした外形標準課税の導入を検討してはいたものの、今回の都の動きはまさに寝耳に水の出来事だった。発表直後の大蔵・自治両省の驚きの中には、"地方が中央ど歩調を合わせずに何をやる!"といった驕りを端々に感じ取ることができた。しかも赤字経営の多い中小企業を含めて全国的に外形標準課税を行うとする中央政府の姿勢こそ不公平税制の拡大であり、日本経済をさらに悪化させることに、今もなお気づいていないこの鈍感さ!
 本年4月1日から新地方自治法が施行され、国の機関委任事務も廃止される。このことは、日本は21世紀を前にしてやっと「地方自治元年」を迎えたことを意味する。もっとも「地方自治元年」といっても、今回の改革では地方財政改革は実質的には手つかずだが、地方は憲法理念に従って、その地域の特色に応じ、中央の顔色を窺うことなく自治行政を行うべきであって、財政についても中央が文句をはさむ筋合いのものではない。
 今回、石原氏が自治省に事情説明と称して挨拶に行ったが、これも本来ならば行く必要がなかった。むしろ自治大臣が都庁に出向くべき性質のものであった。

<美濃部都政の遺産>
 それにしても、こういった中央省庁の戸惑いや驕りの感情に触れて、私は4半世紀以上前のある出釆事を想起せずにはおれなかった。
 昭和48年、当時の美濃部亮吉都知事が国に反旗を翻して、都税条例によって法人二税(法人事業税・法人住民税)について独自の課税方式を導入しようとした時のことである。
 当時の日本の企業、特に大企業は、戦後の国策の重要な役割を担っていたこともあり、法人税等についてさまざまな租税優遇措置を受けていた。法人税は本店所在地の所轄税務署に納められるが、当時の大企業のほとんどの本店は東京。しかし、東京都の取り分は、その歪められた法人所得、法人税を前提として、大企業の全従業員のうち、東京で働いている人の分だけ。企業側は東京で情報を収集し、儲けはするが税金はあまり払わない、という仕組みになっていた。その一方で企業側は都の各種の行政サービスなどを十二分に享受していた。 逆に都民は、重税を納めながらも道路破損、交通渋滞、大気汚染、住宅環境の劣悪化、物価高といった問題が一向に改善されぬままの生活を強いられていた。首都機能についての負担は増すばかりで、都民の財布どころか都自体も財政難に喘いでいた。
 そこで美濃部氏は、昭和49年からは法人事業税、50年からは法人住民税を大企業には重くし、中小企業には重くしない、という措置を取った。大企業は租税優遇措置の適用によって応分の税金を納めていないから、都の特殊性を考慮した公益性の観点から、地方税法で規定する標準税率以上に重い税率を課すことにしたのである。
 一見、乱暴な措置なのではないか、と思われる向きもおられよう。が、実はこの措置の方がむしろ憲法理論に適合している。美濃部氏は最終的には地方税法6条2項の規定を用いることにした。
[地方団体は、公益上その他の事由に因り必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる]
 これが6条2項、いわゆる不均一課税条項である。適用に際しての具体的な要件についての定めはない。つまり、具体的要件については各自治体の判断、つまり各地方議会の決定に委ねられている。そこで美濃部都政が独自の判断と決定を下した。
 当時、国政は55年体制真っ只中で、地方には「地方から中央を変えよう」といった革新の風が吹いてい時代であり、美濃部都政はその嵐の象徴的存在だったのである。
 しかし、大企業に対する優遇税制を行い続けてきた国としては、この措置をそう易々と受け入れるわけにはいかなかった。国会の地方行政委員会や自治省筋から「国の地方税法という法律を無視しようとしている。このような東京都方式は憲法の租税法律主義に反する」として違憲、違法の疑いありとの声が上がった。
 実はこの当時(昭和48年春)、東京都の知事部局から「美濃部を助けて<れ」と私のところに要請があった。私は従前から、法人企業の実質税負担率の逆進性、不公正を正すべきであり、憲法は地方税については租税法律主義ではなく、租税条例主義を建前としているので、本来税条例で不公平を是正することができるのだ、と主張していた。どうも都は私の論文を参考にして今回の措置を決めたようなのだ。都の緊急部課長会議が招集され、私は都幹部の前で3時間ほどレクチャーを行った。
<私たちの先輩学者は税財政について、日本国憲法のもとでも、「地方自治」の規定のなかった明治憲法と同様の、誤った理論を展開してきた。憲法は「地方税法」(法的に標準法にすぎない)という法律がなくても、本来自治体は税条例で課税権の行使ができるとしている。その内容が憲法の応能負担原則に適合するものである限り、都税条例で都税のあり方を本来、規定できるのだ。さしあたり、地方税法6条2項にもとづく、都税条例の制定で可能だ>-。
 私は直ちに今回の東京都方式の合憲性を論文にまとめ、それを都に提出した。都の担当者はそれを自治省に持っていったが、自治省税務局の担当者はそれを見て絶句したそうである。爾来、東京都方式は合法とされ、東京都が導入に踏み切った後も、他の自治体がこれに続いた。
 この時の中央省庁の見せた不勉強な、かつ驕りの表情が、今回の石原新税を目の当たりにした霞が関の住人たちの表情と、ピタリと重なってくる。
 石原都知事は美濃部都政を徹底的に研究したという。美濃部氏の発想が時空を超えて蘇り、財政再建の”一の矢”となって結実した。見事なお手並みであった。
 では、次はどの矢を放つべきなのか。
 ここで私は東京都における最大の不公平税制が未だ放置されたままになっていることを指摘しておきたい。
 創価学会に対する課税問題である。

<創価学会は宗教法人か?>
 まずは、昨年から今年にかけて、元公明党所属の東京都議、龍年光氏が中心となって都に働きかけていることについて紹介することからはじめよう。
 昨年11月、龍氏らは石原都知事に対して住民監査講求を行った。「創価学会は宗教法人としての実態を形式的にも内容的にも満たしていないのではないか」ということで、都による監査を求めたのである。
 ここにある「形式的」というのは、創価学会が1991年に日蓮正宗からその信徒団体を破門されたという事実がある以上、いまの創価学会を宗教団体として法的に根拠付けるものがない、ということである。日蓮正宗から東京都知事には「破門した」という通知が公式に出されている。1995年12月の宗教法人法改正後、所轄が文部省に移管された後には同じく日蓮正宗から文部大臣に対し「創価学会には宗教団体の実態はない。解散命令手続きをしてほしい」といった文書も出されている。この組織には、厳密にいえば、教義も、ご本尊も、教師も存在しない。
 一方「内容的」というのは、創価学会が池田大作氏を中心とした政治権力の奪権闘争を「組織的に」行っている団体だ、ということである。より具体的には、集会を開いての選挙活動や票集めを専ら行っていることを指している。また、いわゆる「財務活動」といった形を含めて、各種の営利事業活動を営み、その収益を前記活動の資金としていることも含まれる。これらの行為は断じて本来の宗教的活動ではない。誰の目からも明らかな、組織的な政治団体、営利団体としての活動だ、ということである。

<ある宗教団体が営利企業と同様の、ある意味では営利企業以上に「土地ころがし」を行って、周辺地価の高騰をもたらし人々の生活に大きなデメリットをもたらしている。また温泉地などに一流ホテル並みの数多くの「研修所」等をつくっている。その他、実質的には営利活動と異ならない活発な「宗教活動」を行っている。また、ある宗教法人の一部幹部が宗教法人の財産を私物化して利用していたり、実質的には半強制的な形で、巨額の「寄金」を当該宗教法人の会員等から収受しているとも伝えられる。これらの行動が事実であるならば、およそ宗教法人、宗教家のそれとはいえないものとなっている。人々が課税問題に関連して注目するのはこのような点である。人々の目には、そこに明らかに「社会的不公正」が存在しているようにみえるのである>

 これは私が1981年に上梓した『納税者の権利』(岩波新書)からの引用である。"ある宗教団体"とはもちろん創価学会のことであるが、当時の私は宗教団体の特定名を記すのをあえて避けていた。私の意見は当時もいまも全く変わっていないが、雑誌「公明」や「公明新聞」などからしばしば税制に関する論稿を、また公明党の学習会の講師を頼まれたこともあったし、彼らの自浄努力をまだ斯待していた。当時、友人からは「あなたは公明党のブレーンか」と言われたこともあったほどで、事実、公明党の税制顧問になってくれ、と頼まれたこともあった。
 しかし彼らに自己の客観視を望むのは、土台無理な話であった。覚悟を決めた私が1994年2月に月刊誌『文藝春秋』で名前を出して創価学会批判を行うようになって以降、凄まじいほどのいやがらせが始まった。学会系刊行物での個人的な誹謗中傷はいうに及ばず、家の生ゴミがあさられ、私や家人も日がな尾行され、脅迫電話や無言電語、さらにはここに記すのも憚られるような罵詈雑言の記された手紙・ハガキが自宅、研究室を問わず送りつけられる・・・。尾行してきた車のナンバーや手紙などの送り主を調べると、必ず創価学会関係者にぶちあたった。
 そもそも、なぜ税法は宗教法人についてさまざまな税法上の特典を与えているのかといえば、もし当該宗教法人が真実の宗教団体であれば、人々の内心の精神生活の安定や豊かさの確保、という大事な仕事を国家に代わって守る活動を行っているのだから、その活動が高度の公益性を帯びていることになり、したがって様々な税法上の優遇を与える理由がある、といった考えに基づいている。
 しかし、創価学会についていえば、その政教一致体質をどう判断すべぎなのか、そして何よりも先ほど記したようないやがらせが日々、さまざまな人の身に起きていることをどう判断すればいいのか。
 本来その宗教に接することで豊かな精神生活を営んでいるはずの信者に、歪んだ憎しみを抱かせ、時に人として許されない行為を行わせてしまう-。そんな宗教法人は絶対に「真実」の宗教団体としての要件を満たしているわけがない。
 であれば、登記簿上は宗教であっても、宗教団体の実態を持っていない組織に対して、税法上の特恵措置を適用するだけの合理的理由はない。
 アメリカの場合、登記簿上宗教法人であっても、例えば教会の牧師が日曜の礼拝時に「ブッシュさんを応援したらどうか」と言った場合、当該教会が「政治活動をした」と認定されかねず、すぐに内国歳入庁(日本における国税庁)などに報告が行く。そして、ことの真偽について徹底的に調査し、実態を判断していく。一市民として牧師個人がいろんなことをやるのはいいが、組織を挙げて選挙運動をやるとか政治献金をするとか、あるいは営利事業を行った場合には宗教団体の枠を超えたことになり税法上の保護を与えない、という制度が出来上がっている。
 このアメリカ的制度の導入は将来的な検討材料だが、現行法のもとでも創価学会は「形式的」にも「内容的」にも宗教団体の実態を備えていない。そのため各種の非課税規定などの適用を受けうるだけの根拠がない。このような組織に非課税規定などを適用することは、学問的に「適用違憲」を構成する(違憲には「法令違憲」と「適用違憲」との2つがあり、宗教団体の実態をもつ組織について一般的に非課税などにすることは違憲ではないが、そのような実態を持たない組織に非課税などの規定を適用することは、具体的に憲法14条、20条、89条等に違反する。このような違憲を「適用違憲」という)。
 したがって、都は現行法のもとでも、創価学会の実態に鑑みて課税を行う義務があり、その義務を怠っている知事は「不作為の違法行為」を行っていることになる。

<学会施設に適正な固定資産税を>
 では具体的に何をすべきだろうか。
 まず、固定資産税をきちんと課さなければならない。
 創価学会が東京都内、特に新宿区信濃町に持っている土地建物等について、土地については宅地並評価を行い、建物についてもきちんとした時価評価を行い固定資産税を課税すべきである(前記・龍氏らの住民監査讃求については都の監査委員が何の調査もせずに却下してしまったので、現在は「宗教団体の実態を持っていない創価学会の固定資産に対して課税しないのは違法である」ことの確認を求めて東京地裁に提訴している)。
 また、それら創価学会の建物内部の施設は償却資産にあたるため、厳密にいえばこちらにも固定資産税をかける必要がある。
 創価学会の機関紙「聖教新聞」の発行についてであるが、これは宗教法人の収益事業として法人税の申告が行われているようである。しかしその税率が非常に低い。法人税の基本税率は30パーセントなのが22パーセントとなっており、さらに新聞発行によってあげた収益を創価学会本体の公益事業のために寄付した場合ば寄附金控除が行われ、実質的には17.6パーセントにまで下がる。
 しかしこの軽減税率は、憲法20条で禁じている「特権」に該当し、厳密にいえば「かくれた補助金」、一種の「公金支出」にあたるのではないか、と私は考える。ただ、これは創価学会だけの問題ではなく、軽減税率制度自体が宗教法人一般について「法令違憲」である可能性が高い。つまり、他の宗教団体であっても、普通法人の株式会社なみに法人税の通常の税率で税を納めるのが適当なのではないか。現行法上では、この税率はそのまま法人住民税の税額に影響を与えるため、いわば二重の軽減措置になっている。
 現在アメリカでは、公益団体、公益法人等の認定を受けたものであっても、営利事業によるものと認定された収益には普通法人と同じ税率で課税する。公益法人の製品も同じく市場原理に基づき流通する。福永法源の本であろうと池田大作の本であろうと、宗教学の学術書であろうと税率に変わりはない、という論理であって、こちらの方が実態に即した課税方式であるように思われる。立法論的には日本もそうすべきなのではないか。
 そして、宗教法人としての実態を備えていない団体には、株式会社なみの法人税・住民税、事業税を課せばいい。事業税については、石原新税と同様に外形標準課税方式を導入することも、理論的には十分検討する余地がある。法人税の問題は国税庁の問題であるが、住民税、事業税の問題は自治体の問題である。都知事としては、固定資産税の他に、住民税、事業税等についても検討する必要がある。
 このように創価学会に対する税制優遇をなくしてしまうと、その宗教を奉ずる人々が不利益を被るのではないか、といった批判が出てくるであろう。しかしそれは全くあたらない。形式的にも内容的にも宗教法人でない巨大法人からきちんと税を徴収し、それを、一般市民に還元する。創価学会の信者全体、社会全体への利益還元率は圧倒的に高くなる。
 また、課税する、ということになった時の徴税コストだが、これはほとんどかからない。やることといえば、創価学会に納税通知書を送るだけ。固定資産税についていえば、東京23区内は知事の権限であり、23区外は市町村長の権限。法人住民税と法人事業税は知事でできる。
 創価学会に対する前記の適切な課税-。これは現行法で十分対応しうる施策なのだ。外形標準課税とは違って、都税条例の改正も必要としない。つまり、石原氏が決断すればすぐにでも実行に移すことのでぎる、天下の妙手なのである。

<宗教法人法などのさらなる改正を>
 しかし、これだけでは不十分である。創価学会に限らず、不明朗な会計、莫大なる収益事業を営んでいながら、宗教法人としての認証を受けているために国の介入を免れている団体は枚挙にいとまがない。
 この現状を少しでも正すためには、宗教法人法などのさらなる整備が必要となってくる。私は1995年の宗教法人法改正に際し、国会に参考人として呼ばれ、この点を指摘したことがある。
 宗教法人法はオウム真理教事件を踏まえて改正された。新たに義務づけられた収支計算書、財産目録、役員名簿など関係書類の提出によって、各宗教団体の実態をよりしっかりと把握するための改正が行われた。
 これに加えて、さらに次のような改正を行うべきなのではないか。
 まず税制面について。
①現行の法人税における収益事業の範囲を、公益法人等の種類、性格、規模等をふまえて具体的に類型化し、まさに宗教法人の実態にふさわしい収益事業の範囲を具体的に規定する。こうすることで、権力が土足で宗教活動に介入できなくなり、結果として人々の信教の自由を守ることになる。
②収益事業に対する法人税率を普通法人なみに引き上げる。
③宗教法人会計基準を制定し、公認会計士の監査を義務づける。ただし、当分の間、一定規模以上の大宗教法人のみに監査を義務づける。大宗教法人については公認会計士の監査を受けたもののみについて非課税などの税法規定を適用する。監査の結果を開示する。
④お布施で集めた金銭を政治活動などに使った場合は、その部分を収益事業として課税する。また一定の要件を充足する金融収益を収益事業として課税する。
⑤龍氏らの住民訴訟の例のように、その宗教法人の実態が宗教団体でないとみられる場含には、会社等の普通法人として扱うことを税法で明文化する。
 つぎに、宗教法人法そのものについて。
①宗教法人の「認証」後、1年以内であれば「認証」の取り消しができることになっているが、これを3年とする。3年間じっく

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2011年07月16日 18時23分31秒

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「Re:識者の目」
『創価学会を斬る』

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(佐高信『週刊金曜日』H12.6.16)


 前号の「論争」欄に、熊本県の農業高校で校長から「『週刊金曜日』は生徒に読ませるのには好ましくない雑誌だから絶対に寄贈は受け入れられない」というクレームがついた話が載っている。
 それを読んで、今年の3月13日に、東京都の大田区議会で公明党の区会議員がやった質問を思い出した。
 質問というより“焚書坑儒”的要望である。
 「『週刊新潮』『週刊文春』『文藝春秋』を全大田区の全図書館から排除してもらいたい」
 幸か不幸か、本誌は入っていなかったが、この議員は「週刊誌は人のことを中傷している」とし、「私は不愉快だから何とかしてもらいたい」と訴えた。
 「不愉快」の感じ方は人によって違う。私は、公明党のバックの創価学会のドン、池田大作の跋扈こそ不愉快だが、それでも、彼の本を図書館から排除してもらいたい、とは思わない。
 しかし、彼らは排除を求める。それは自信のなさを表してもいるが『週刊新潮』の3月30日号によれば、1969年に刊行され、言論出版妨害事件を惹き起こした『創価学会を斬る』(日新報道)の著者、藤原弘達が昨年春に亡くなった時、夜中じゅう、
 「おめでとうございます」
 という電話が続いた、と妻の充子さんが証言している。
 「実は厭がらせは主人が死んでからも続いたんです。出版妨害事件の時は段ボール箱に3箱以上も投書が来ましたし、警察がうちの子どもに警備をつけなくてはならないほど脅迫が相次ぎました。彼らは本当に仏教を信じているんでしょうか……」
 充子さんはこうも語っているが、いまから30年以上も前に書かれた『創価学会を斬る』には、こんな予言的指摘もある。
 「創価学会・公明党が目下ねらっているものは、自民党との連立政権ではないのか」
 そして、藤原はそれをこう憂える。
 「もし自由民主党が過半数の議席を失なうというようなことになった場合、公明党に手をさしのべてこれとの連立によって圧倒的多数の政権を構成するならば、そのときは、日本の保守独裁体制が明らかにファシズムへのワンステップを踏み出すときではないかと思う。
 (公明党が)自民党と連立政権を組んだとき、ちょうどナチス・ヒトラーが出た時の形と非常によく似て、自民党という政党の中にある右翼ファシズム的要素、公明党の中における宗教的ファナティックな要素、この両者の間に奇妙な癒着関係ができ、保守独裁体制を安定化する機能を果たしながら、同時にこれを強力にファッショ的傾向にもっていく起爆剤的役割として働く可能性も非常に多くもっている」
 この本はいまも「生きている」と思うが、残念ながら文庫化等はされていない。

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2011年07月16日 00時19分21秒

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「Re:識者の目」
自民党から「自公党」へ

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-深まる政治不信-政界もメディアも学会汚染-

(椙山女学園大学教授・川崎泰資『フォーラム21』H15.1.1)

 自民党は、もはや「自公党」と党名を変えたほうがいいのではないか。公明党が政権入りして以来、自民党は単独政権ではできなかったタカ派政策を実現させた。その上、去年の衆参両院の統一補欠選挙では、公明党・創価学会の組織力で辛うじて勝利したことで小泉首相は公明党の言いなりにならざるを得なくなったようだ。
 年末の税制改革では、公明党は児童手当の増額を条件に発泡酒や煙草の増税を認める取引を行った。公明党は来年の統一地方選挙に向けて、支持者向けに児童手当の増額は我々が勝ち取ったと宣伝し、酒税などの増税には反対したと責任を回避する狡猾さだ。
 一方、今年にも予想されるアメリカのイラク攻撃に関連して、米側から強い要請のあったイージス艦の派遣を決めた時も、事前に暗黙の了解を与えておきながら、政府が与党3党の幹事長会談で正式な決着を計ろうとすると俄に反対を表明し、責任を逃れる。
 結局、自民党は公明が「平和と福祉」の党を強調するため、政権の中での批判勢力ぶりを示し格好をつけることに協力するだけで、税制の基本方針を狂わせる要求も安易に受け入れる始末だ。この手口は公明党が自衛隊の海外派遣を認めた自衛隊法の改正案やテロ対策特別措置法に賛成したり、国歌・国旗法、盗聴法に賛成して以来、一貫している。
 これが通るのも、小泉首相が自らの政権維持のために変節し、池田創価学会名誉会長に見苦しい程のすり寄りをみせたことと無縁ではない。11月2日、公明党大会に来賓として出席した小泉首相は、南アフリカで池田創価学会名誉会長の写した写真をみて感動したと、池田氏を礼賛し、公明党に「与直し政党」として発展することを期待していると述べた。
 政教分離をはたしていない公明党・創価学会に対する批判が厳然とある中で、公明党の大会でわざわざ創価学会の最大実力者を話題に取り上げる挨拶は、極めて計画的で小泉首相が自ら政教一致の実態を容認したのも同然である。選挙での票欲しさ、政権の維持を優先させたとはいえ、余りにも無節操、見識の無さは呆れるばかりだ。
 だがこの事をメディアは、小泉首相の挨拶として事実を伝えるだけで、民主政治の根幹に関わり憲法違反の疑いのある行為を解説もせず論評もしないという情けなさだ。これが広告や聖教新聞の印刷などの金権支配に屈し、学会に頭のあがらないメディアの現実で、ジャーナリズム性を放棄する迄に至った「学会汚染」の浸透する悲劇である。
 2003年、今年の政治は4月の統一地方選挙に始まり、通常国会、9月の自民党総裁選挙と続くが、年末に民主党が菅党首で戦う姿勢を見せ野党の連携を目指す方向を明らかにした。この結果、党内から保守系の議員が離脱の動きを見せ、連動するように与党の保守党の野田党首が自民党への復党を仄めかすなど政局は流動化の気配を示し始めた。
 経済政策が行き詰まっても「政策転換」と認めず、政策強化と誤魔化し、不良債権の処理は竹中担当相に「丸投げ」、道路公団民営化委員会の審議も今井委員長が辞任し高速道路の建設慎重派が出した答申に自民党や官僚が抵抗し無視する態度を取っても首相は「これからが政治です」と言うだけ。郵政の民営化でも同じような経緯を辿った。
 小泉内閣の公約は何だったのか。「改革なくして成長なし」「反対するなら自民党を潰す」と大見得を切って得た高い内閣支持率をテコにパフォーマンスを駆使した政治。
 それに協力したのがメディアだ。1日1回はテレビカメラの前に立ち、顔を出して自分に都合のいい台詞だけ喋り、それをテレビが無条件に放映し格好がいいと人気になる。
 小泉首相が偽装報道と記者を茶化したり、政策転換を迫る与党議員に、分からないのは「節穴」と常軌を逸した言動に出てもメディアは反撃も批判もしない。政治と金の問題で責任を問われながら、改造内閣で起用した大島農水相の秘書官の口利き疑惑には頬冠り、「拉致問題の解決なくして国交正常化交渉はない」と言明しながら日朝ピョンヤン宣言に署名した責任。「丸投げ」「先送り」「詭弁」の連続の政治手法は政治不信を増大させるだけだ。テレビを利用する首相に迎合する放送とそれを垂れ流す新聞は無責任過ぎる。
 政治を正常化するにはメディアがジャーナリズム性を取り戻すことが不可欠である。

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from: 改革フォーラムさん

2011年07月15日 19時39分08秒

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「Re:識者の目」
政党政治の自殺

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(衆議院議員・平沢勝栄『諸君!』H15.2)

<田中眞紀子の"功績">
 田中眞紀子氏が外務大臣だったとき、日本の外交は混乱し、国益上かなりの損失だったと思います。せっかく捕まえた金正男をみすみす帰してしまったり、平気で外交機密をバラしてしまったり、非常に罪深い外務大臣でした。
 就任当初は私も彼女に期待していました。いままでのように単なるお飾りでトップに座っているだけの外務大臣に比べれば、眞紀子さんが暴れることで外務省の根本から腐った体質が変わるのではないか、と思っていたからです。そもそも、田中外相になってから日本の外交がおかしくなったのではなく、異常な外交は以前からあったのです。
 眞紀子氏の功績を敢えて挙げるならば、小泉政権を誕生させ、鈴木宗男氏の問題をあぶり出し、そして卓袱台をひっくり返すような騒動を引き起こすことによって、外務省の抱えるさまざまな問題を露呈させたということでしょう。
 その意味で非常に興味深い事実があります。田中外相が就任してから、創価学会の池田大作名誉会長が1度も海外訪問をしなかったといわれていることです。池田氏はいままでに50カ国以上を訪問したほど、「外交好き」で知られています。その名誉会長がまったく海外に出かけなかったとすれば、それはなぜでしょうか。
 池田氏が海外を訪問するとき、外務省は国会議員や皇族の方々にするのと同様のVIP待遇をしています。たとえば通常であれば入管で手続きをしなければなりませんが、池田氏はノーチェックです。氏は一私人ですから、その待遇に何ら法的根拠はありませんが、外務省がそのように配慮してきたのです。
 こうした悪しき慣例が行なわれていることが、あの暴れ馬のような田中外相の知るところとなり、マスコミに暴露され、騒ぎになることを恐れたのかもしれません。その結果、池田名誉会長の外遊がなかったのではないかと私は考えています。外務省と創価学会の関係を襟を正す方向にもっていく契機になったのだとすれば、それは眞紀子氏の功績と言えるのではないでしょうか。
 池田氏に特別な配慮をしているのは外務省だけではありません。私自身、岡山県警の本部長当時に、そのような配慮をしたことがあります。池田氏が岡山入りするとき、公明党の議員がやってきて、「名誉会長が岡山に入ってから出るまで、頼むからパトカーの護衛をつけてくれ」と言うのです。本来、パトカーをつけるのは、危害を加えられる恐れがあると警察が判断したときに限られるのですが、公明党の議員からすれば、パトカーをつけられれば、よくやったと池田氏から評価されるわけです。そのとき私は部下と相談して、絶対やっておいたほうがいいですよ、と言われたのでパトカーをつけました。いまから考えると、なぜそうしたのかと言われれば、言い訳のしようもありませんが。
 中央省庁や国会だけでなく、現在大きな問題となりつつあるのが、創価学会によるメディア支配です。平成13年の5月に朝日新聞が「私の視点」というコラム欄で、池田大作名誉会長の原稿を掲載したことが話題になりました。内容は教育基本法改正に対する慎重論で、「聖教新聞」などで繰り返し主張されてきたものでしたが、一般紙が池田論文をそのまま掲載するなど、それまでほとんどなかったことです。しかも朝日新聞側から池田氏に寄稿を依頼したといいます。
 その後を追うように、読売、産経、毎日の各紙が池田氏との会見記事を掲載しました。地方紙に至っては、アメリカ創価大学の開校と海外から池田氏に名誉教授の称号が授与されたことを、見開き金部を使って報じたものもありました。どう考えても限られた紙面のなかで、大々的に記事にするだけのニュース・ヴァリューがあるとは思えません。
 この背景には、不況が続くなかでマスコミ各社の広告収入が大ダメージを受けていることがあると考えられます。大企業からの広告が減っているなかで、創価学会は池田名誉会長の著作の広告を大きく出していますから、相対的に重要性を増しているのです。また地方紙に顕著ですが、「聖教新聞」の印刷を請け負っている薪聞社が非常に多いのです。
 創価学会が活字メディアの大スポンサーになっている事実がある以上、メディアとしても創価学会に対する批判ができなくなってしまったのでしょう。言ってみれば、暗黙のうちにブレーキがかけられているような状態です。

<北朝鮮との共通点>
 また創価学会の側から積極的に言論メデイアを封殺する動きも見せています、。
 平成12年に、大田区議会で公明党区議が、区立図書館から「週刊新潮」「週刊文春」「文芸春秋」の3誌を排除するよう要求した問題は記憶に新しいでしょう。要するに創価学会を批判する雑誌を図書館に置くなという理不尽極まりない要求です。
 翌年には中央区議会で公明党区議が区立図書館に創価学会を批判した書籍が何冊もあることを理由に、図書館職員の人事異動を要求した事件もありました。ここまでくると"焚書"とさえ言っていいような事態でしょう。
 自らを批判する言論を厳しく統制しようとする点など、北朝鮮の金正日体制に似ていなくもありません。言論の自由がないところに民主主義は成立しないでしょう。また、末端の会員が苦しいなかから財務と称する寄付をして、その浄財を集めた大幹部は、海外に行き、寄付をしてその見返りに勲章や名誉博士号などを授与されているという構造も似ているかもしれません。もちろん個人的な蓄財や、軍事目的に使われていることはありませんが、北朝鮮との類似点はいくかありそうです。
 創価学会は「世界平和の実現」を大命題に掲げています。自民党やメディアを動かせるほどの組織力と財力があれば、平和に寄与することも不可能ではありません。
 北朝鮮が核兵器を保有し、なおかつ照準を我が国に合わせているという現実がある限り、世界どころか東アジブの平和と安定が危機に瀕しているのです。金正日体制が存続している限り、拉致問題の完全解決も見込めず、日朝の国交正常化も実現しないでしょう。
 そうであれば、あまり意味のない名誉称号をもらうためにさまざな国や団体に寄付するだけでなく、その財カや組織カなどを金正日体制の打倒と民主的な北朝鮮の実現に向けることはできないものでしょうか。これこそ世界平和の実現への第1歩であり、もし成功すれば池田大作名誉会長が強く望んでいるといわれるノーベル平和賞受賞も夢ではないと思われるのです。

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from: 改革フォーラムさん

2011年07月15日 19時36分05秒

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「Re:識者の目」
政党政治の自殺

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(衆議院議員・平沢勝栄『諸君!』H15.2)

-野中広務氏よ、いっそ公明党と新会派をつくったら?-
-選挙協力のためなら政策バーターも厭わない。大作印のシャブに堕ちた自民党に明日はない-

 拉致問題について議員有志による「日朝関係と人権を考える会」が設立されましたが、この背景には公明党と共産党の論争があります。要するにどちらが拉致問題の解決を阻んだのか、どちらが北朝鮮と親密だったのかという責任のなすりつけ合いを、互いの機関紙の「公明新聞」と「赤旗」を通じて延々と行なっているのです。
 この議連ができる前、自民党のある幹部から連絡がありました。
 「新しい議連ができるが、これは公明党がつくるもので、目的は共産党攻撃だ。べつにいまの拉致議連を潰すためのものではないから黙っていてくれ」
というのです、『AERA』(11月25日号)の記事では、山崎拓幹事長が私に頼んできたとありましたが、山崎さんではない別の党幹部でした。
 しかし、この会をつくるべく動いた人物が重要だったのです。
 結論から言えば、野中広務氏だったそうです。公明党から依頼されたと思われる野中氏が水面下で動き、自民党から会長を選び、新しい会を組織したのです。
 第1回目の会合では、共産党の橋本敦元議員の秘書をしていた兵本達吉さんが講演しました。兵本さんは早くから拉致問題の調査に取り組み、その結果をもとに共産党の橋本氏が梶山国家公安委員長(当時)に質問して、国会で初めて拉致問題が認められたのです。
 そこまではよかったのですが、兵本さんが拉致問題にあまりにも一生懸命取り組んだためか、兵本さんは共産党から除名されてしまいました。もっとも共産党な、公安と接触し、就職を依頼したからだと言っていますが。「人権を考える会」は、その兵本さんに共産党を批判させることが狙いだったのでしょう。
 共産党が今日まで拉致問題解決に力を入れて取り組んできたとは、私もまったく思っていませんが、だからといって公明党が一生懸命に努力してきたともいえません。要するにどっちもどっちです。

<公明党は何もしてくれなかった>
 すでに報道で明らかになっていますが、鹿児島県の海岸で一緒に拉致された増元るみ子さんと市川修一さんは創価学会員でした。増元さんのお父さんの正一さんは2002年10月17日、お亡くなりになられ、その葬儀が鹿児島で行なわれ、私も横田めぐみさんのご両親たちと一緒に参列させていただきました。その後、増元さんの親族の方から御礼の手紙をいただきました。それによると、浜四津敏子・公明党代表(当時)が鹿児島を訪れたとき、「ぜひ助けてください」とお願いしたにもかかわらず、なしのつぶてだったそうです。手紙には「公明党という党には社民党と同じぐらい幻滅しています」と書かれていました。創価学会員だったからこそ、公明党を頼ってお願いしたのに、公明党は何もしてくれなかったそうです。
 いまになって「人権を考える会」をつくり、「望郷」という小冊子で在日朝鮮人の帰還運動で北朝鮮に渡った日本人妻問題の解決に取り組んでいる姿勢をみせていますが、アリバイづくりでしかないでしょう。
 もちろん、拉致問題の解決に取り組んでこなかったのは公明党だけではなく、自民党にも責任があったことは言うまでもありません。金丸信氏や、野中氏をはじめとして、自民党内に"北朝鮮族"の議員が少なからず存在したわけですから、拉致問題の解決と並行して、解決を妨げてきた"A級戦犯"の総括もきちんとしておくべきです。これは2度と同じ過ちを起こさないためにも必要なことです。

 自民党が公明党と連立政権を組んでから3年がたちました。すでに述べたように野中氏が公明党の依頼で新議連を立ち上げたといわれるほど、自公の一体化が進んでいます。振りかえってみると、公明党と手を結んだことが原因で、自民党の政党運営にさまざまな弊害が生じていることは否定できません。
 なぜ自民党は公明党と連立を組んだのかというと、国会で過半数の議席を得るためと、創価学会を支持母体とする公明党が持つ、600万とも700万とも言われる組織票がほしかったからです。かたや公明党からすれば、連立政権に入っていれば与党の立場から自分たちの主張を政策に反映できるメリットがあります。選挙で自民党に協力をすることで、その見返りが期待できます。つまり、両党はギブ・アンド・テイクの関係にあるのです。
 たとえば、公明党は現行の小選挙区制を変えて複数定数区の導入を主張しています。自民党内からもたびたび選挙制度改正論が涌きあがるのは、こうした両党の関係があるからです。
 しかし、本来であれば政党は主義主張を同じくする者たちの集まりであり、その主張の根幹をなすものは、憲法、安全保障、外交などに対する考え方や婆勢であるはずです。憲法をとってみても、改憲派と護憲派で1つの政党を組織することは基本的にはあるべきではありません。
 もちろん、異なった考えをもつ政党であっても、政策ごと案件ごとに協力することは実際にありますし、必要なことでしょう。
 とはいえ、連立政権を組んで歩調を合わせながら政治活動を行ない、選挙になればお互いに協力するということであれば、1つの政党になったのと何ら変わりないのではないでしょうか。実質的な部分からいえば、自民党と公明党という2つの政党でいるのと、合流して1つの党となるのと、どこが違うのか非常に曖昧なのです。このような現状は、選挙民に対する誤魔化しで政治不信を招く以外の何ものでもありません。

<自民と公明は1つに>
 次回の衆議院総選挙がいつになるかが注目されていますが、自民党の八代英太代議士が当選した東京12区に公明党の候補を立てるので、八代氏を比例区に回すという話が出ています。また、沖縄1区でも、前回の選挙で鈴木宗男氏の働きかけで泣く泣く比例区に回った下地幹郎氏が、今度は小選挙区で公明党現職と対立する予定で、調整の難航は避けられません。前回同様、自民党と公明党が候補者を一本に絞って一緒に戦うのであれば、もはや自民党と公明党は1つの政党になった方がいいのではないか。
 前回の総選挙で自民党は、300ある小選挙区のうち271候補しか立てていません。残りの29は公明党もしくは保守党の候補が出て、その候補者を応援しました。自民党の公認候補が公明党の選挙カーに乗って、「比例区は公明党をお願いします」と叫ぶような光景もあちこちで見られました。また自公の選挙協力から外れたために現職でありながら自民党の公認を得られず、無所属で出馬して当選した森田健作氏の東京4区に、自民党の総裁が公明党候補の応援に駆け付けるような場面までありました。公明党との連立に必ずしも好意的でなかった小泉総理も、今は公明党に全面的に依存する有様です。
 なぜ自民党はここまで落ちぶれてしまったのか。
 一言でいえば、ほとんどの自民党議員が公明党の応援なくして選挙には勝てないと思いこんでいるからです。
 冷静に考えれば、公明党に協力してもらわなければ当選できないような議員が多くなってきたということです。つまり、自民党の議員のレベルと質が格段に落ちてしまったのです。
 有権者はきちんとしたバランス感覚をもっています。本当にしっかりした候補者であれば、公明党の応援がなくても有権者の厳しい選別に耐え、当選できるはずです。創価学会の組織票に頼らなければ当選する自信がないということは、それだけ有権者に支持されているという自信がないからです。公明党の協力は薬物のようなもので、1度依存したら抜け出すことは難しいでしょう。
 蒲島郁夫東大教授の分析によれば、前回の総選挙で当選した自民党候補177人(小選挙区)のうち、公明党の選挙協力がなければ約4分の1が落選していた可能性があったそうです。この数字は応援をもらうことによって逃げる票をカウントしていませんので、必ずしも正しいとは思いませんが、この数字を信頼すれば、公明党のおかげで自民党は政権を維持していると言えるでしょう。
 しかし、東京の場合は公明党と関係の深かった候補の多くは落選し、公明党と対決する姿勢を打ち出した、さきの森田健作氏や石原伸晃氏や私が当選したのです。東京のみならず山口県でも同じような結果が出ているのですから、必ずしも公明党の応援がなければ当選できないということはないのです。
 そもそも選挙で当選すること自体が政治家の目的ではありません。私も公明党の選挙協力を得られるならば、非常に心強いだろうと思います。でもその結果、公明党の政治的要求に従わなければならなくなります。政治家として自分で自由に判断できなくなってしまったら、政治家でいる意味はありません。私もさまざまな団体から応援をもらいますが、自分の信念や判断を曲げてまで応援をもらおうとは思いません。

<政党政治の自殺行為>
 自民党は、公明党との選挙協力という一線を踏み越えてしまった以上、これからも連立を組みつづけるでしょうが、これは政党政治の自殺行為です。選挙協力と引き換えに自らの政策を捻じ曲げたり、考えの異なる公明党の主義・主張を通したりしているからです。
 にもかかわらず、この異常な状態に自民党議員が何の疑問も抱かず、日常茶飯事のように受け入れていること自体、自民党も末期症状だと思います。
 公明党との連立を組んで以来、さまざまな政策面でのギプ・アンド・テイクが行なわれてきました。
 例えば平成11年に、総額約7000億円をかけて地域振興券が配られました。
 地域振興券という発想は自民党の考え方からは出てくるはずのないもので、公明党から出たアイデアです。自民党の考え方は、ある一定のルールのもとに競争が行なわれ、そこで努力した者はそれなりに報われ、敗れた者には最低限のセーフティーネットをはるというものです。それに対して公明党の考え方は、努力や競争とは関係なく全員を一律に面倒みようということです。
 15歳以下の子供をもつ世帯主と65歳以上の高齢者(の一部)を対象に一律2万円分が発行された地域振興券は、公明党の考え方に沿ったものなのです。
 本来の考え方とは相容れない法案を自民党はなぜ通したのか。
 それは通信傍受法案を可決させるためでした。要するに地域振興券と通信傍受法をバーターしたのです。通信傍受法は野党からの反対が強く、政府が提出してから1年あまり店晒しになっていました。当初、公明党は共産党に次いで反発しており、創価学会の機関紙「聖教新聞」が、「盗聴法は平成の治安維持法」だとして厳しく批判していたほどです。その公明党が連立与党の話し合いの中で、賛成派に回ったのです。
 外国人参政権の問題でも、本来ならば自氏党内の圧倒的多数は反対ですが、自自公のときから引き続いて連立3党の政権合意書の中に入っています。これは公明党が強く主張しているからです。自民党内では外国人参政権について当選期別に意見を聞きましたが、一部の議員を除いてほとんどが反対しており、実現する可能性は事実上ないでしょう。
 しかし依然として3党合意の項目に入っており、ことあるごとに懸案として浮上するのは、形式上、公明党の顔を立てなければならないからです。
 政策バーターは通信傍受潅だけにとどまりません。空中給油機配備のために児童手当を拡充し、斡旋利得処罰法案の適用対象から秘書を外す骨抜き案に同調してもらうかわりに子育て支援策を通すなど、さまざまな形でバーターが行なわれているのです。2003年度の税制改正でも、公明党が配偶者特別控除の廃止に難色を示したため、見返りとして児童手当の拡充が決められました。明らかに選拳向けのバラマキ政策です。
 政党としての主義・主張、哲学を曲げてまでギブ・アンド・テイクの関係を続けていて本当にいいのでしょうか。

<公明党という「呪縛」>
 ギブ・アンド・テイクといえば聞こえはいいかもしれませんが、本当のところ自民党は公明党の「呪縛」から逃れられないでいるのです。
 テロ対策特別措置法が2001年に成立した時も、国会承認をめぐって民主党案をべースに修正協議が進められていましたが、存在感を失うことに危機感を抱いた公明党の働きかけで、最後は公明党案の事後承認で法案が通りました。また同法に基づく米軍支援のためにイージス艦の派遣が2002年の12月にやっと決定しましたが、ここまで判断が遅れたのは与党内で公明党が強硬に反対していたからです。結果的には与党間での調整がつかず、政府の判断となりましたが、それでも神崎武法代表は「公明としては反対だ」と表明していました。
 平和路線を標榜する公明党として、集団的自衛権の行使につながるおそれのあるイージス艦の派遣には応じられないというのですが、護衛艦はOKでイージス艦はダメという論理は通じません。イージス艦も、従来艦に比べて極めて高性能ですが、護衛艦でしかないのです。
 公明党は一貫してイージス艦派遣に反対しているように見えますが、小泉首相に派遣の断念を強く迫ったわけではなく、いわば"黙認"したのです。いままでの経緯から考えると、イージス艦派遣を認めるかわりに公明党が何らかの反対給付を要求してくる可能性がないとはいえません。公明党としては、イージス艦派遣を黙認したのだから、そのかわりに要求をのめ、と言えるのです。これから予算編成が始まりますから、そこで従来みられたような「バラマキ行政」的なものを言ってくるかもしれません。あるいは選挙区の候補者調整で何か言っ定くるかもしれません。
 また公明党は、首相の靖国参拝問題についても反対しています。神崎代表が小泉首相の訪中希望を記した親書をたずさえて中国を訪れた際にも、江沢民国家主席に対して「私も参拝は残念だと思う」と発言しています。連立与党の一代表であるにもかかわらず、これは中国への迎合にほかなりません。
 こうした重要な政治課題を論じるとき、公明党が連立政権に入っているために、自民党のみならず、政府の方針が妥協と譲歩を強いられるという事実があるのです。重要な法案であればあるほど、公明党が強く出れば、政府、自民党は公明党に対して配慮しなければならなくなるという構図になっています。これは国益上、重大な損失というべぎでしょう。
 自民党内においても、公明党に同調して混乱を引き起こしている政治家が存在します。その代表が野中広務氏です。テロ特措法に反対し、イージス艦の派遣にも反対しづづけ、首相の靖国参拝にもわざわざ中国に行って異論を唱えています。それどころか外国人参政権について自民党では数少ない賛成派でもあります。その野中氏は北朝鮮への米支援にはなぜか熱心でしたが、拉致問題については全く冷淡でした。ここまで公明党と同じ考え方を持っているのであれば、なにも自民党内に留まっている必要はないのではないか。いっそのこと、野中氏は公明党の議員たちと一緒になって新しいグループを結成されたほうがいいのではないか。
 それもそのはず、公明党との連立に当たって尽力したのが野中氏なのです。選挙協力まで含めた公明党との連携を実現させたのは野中氏と鈴木宗男氏でした。その結果、今日の自民党の問題が生じているのです。
 この際、基本的な問題で考え方を同じくする人たちで政界再編を行なったほうが、本来の政党政治のあり方に近づくのではないか。再編の枠組みのキーポイントは、憲法、安全保障、外交です。これらに対する姿勢が軸になるでしょう。次に軸となるのが、競争原理の社会を実現し、ドロップアウトする者に対しては政府が最低限のセーフティーネットで救う形にするのか、競争や努力とは関係なく一律平等の社会にするのか、ということでしょう。そもそも自民党の考え方は前者で、かつてのサッチャーが目指したように「努力した者はそれなりに報われる」社会を実現しようとするものです。これに対して公明党は後者です。野中氏をはじめとする一部の自民党議員ば公明党の考え方に近いので、いま述べたような枠組みで政界が再編されるべきだと思います。

<外務省内の学会組織>
 公明党=創価学会の問題を考えるにあたって、外務省を抜きに語ることはできません。私は自民党の外交部会で、外務省の問題点を4つ指摘しました。
 第1に主体性なき外交、いわゆる"土下座外交"の問題、次に外交機密費などのカネの問題があります。そして女性問題で基本的にプライベートな問題とはいえ、離婚の2回や3回は当り前という役所は、危機管理の点からいっても尋常ではない。
 最後は創価学会の問題です。外務省はつい最近まで、明らかに創価学会員とわかる者を幹部要員として採用してきました。中央省庁の中で、学会員であることが明白な人物を幹部要員、つまりキャリアとして採用してきたのは外務省と検察庁だけです。
 創価学会員として組織の利益を優先するのか、それとも中央省庁の一員としての任務を優先するのか、が重要なポイントです。国家のためではなく、自らの信仰を優先させて池田大作名誉会長のためにポストを利用することがあってはならないからです。外務省の中には創価学会員の組織"大鳳会"が存在します。この大鳳会のメンバーが「広布のお役に立ちたい」といったレポートを池田氏に送っていたことも明らかになっています。
 たとえば警察庁では創価学会員であることが判明していればキャリアとして採用することはありません。なぜならば、警視総監や警察署長が学会員であった場合、警察行政が歪められる懸念が生じますし、実際に歪められないとしても、疑いを持たれてしまうこと自体あってはならないからです。
 私が警視庁に勤めていたころ、創価学会に関係した事件の捜査をしていると、どうしても情報が洩れてしまうということを何度も経験しました。現場の捜査員のなかに創価学会員がいて、そこから漏洩していたのでしょう。この場合は政策決定や重要な判断には影響しませんが、末端の情報はすべて洩れてしまうわけです。ましてや学会員が重要な決断をするポストにいれば、判断が歪められてしまう可能性が大いにあるのです。これは検察官や裁判官でも危険性があります。
 このように私が外務省の問題点を述べたところ、鈴木宗男氏が
 「いまの創価学会の話はここだけにしておけ。外には絶対にしゃべるな」
と口止めをしてきました。マスコミに書かれると騒ぎになるから、創価学会の問題だけは公にするなと言ってきたのです。
 しかし、マスコミにも創価学会関係者が多く存在しており、報道の公正さが疑われるような事態も起きています。
 5年ほど前、「選挙区行事に寄付100件以上-公選法に抵触も」と私のことが新聞で書かれたことがあります。地元の盆踊りや各種行事に行った際、会費を持っていったのが問題として報道されたのです。
 その記事が出ると、すぐに公明党の議員が本会議で質問してきました。本会議で質問するような類のものではないので不思

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2011年07月14日 22時53分05秒

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「Re:識者の目」
レリジョン(宗教)ハラスメント許すまじ

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(佐高信『サンデー毎日』H15.4.13)

 3月25日夕、腰痛の治療に銀座に行くため、神田橋からタクシーに乗った。行く先を告げ、目をつむると、運転手が切り抜きを示して、読んでみて下さい、という。末尾に「公明党の出番である」とあって、公明党の宣伝だった。
 私がテリー伊藤と共著で『お笑い創価学会-信じる者は救われない』(光文社知恵の森文庫)を出している人間であることは知らないようだったが、眠ろうとしたのを邪魔されたこともあってカッとなり、
 「公明党が与党になってから、ロクなことないじゃないか。イラクヘの戦争だって徹底的に反対して政権離脱しないのはおかしい」と、まくしたてた。それに対して、
 「いや、いまによくなりますよ」
などと意味不明のことを言う彼に呆れて、私はすぐに途中下車し、千円札を叩きつけて降りた。
 それにしても、こんなことは許されるのだろうか。これではセクハラならぬ宗教(レリジョン)ハラスメント、すなわちレリハラではないか。武土の情けで運転手の氏名は書かない。チェッカーのマークのついたタクシーだったとだけ言っておこう。タクシー近代化センターへ連絡しようかとも思ったが、センターが公明党やそのバックの創価学会にどこまでキチンと注意できるか。

<「軍事力の全否定は現実的でない」との発言こそ平和の全否定だ>
 「ブッシュの戦争」にあくまでも抵抗したフランスの国営テレビは、2000年6月8日、「特派員報告」というドキュメンタリー番組で「創価学会―21世紀のセクト」を放送した。まず、キャスターがこう紹介する。
 「(創価学会は)世界中に1200万人の信者を持つ日本の組織で、世界でもっとも危険で金持ちのセクトの1つとされています。莫大な不動産、パーキング、大学、発行部数600万部の日本で第3位の日刊新聞等の金融資産、そのすべてが創価学会に属し、フランスにも進出しており、影響力は増え続けています。なかでも、日本人が一番心配しているのはその政治世界での力です。創価学会の政党は有権者の10%に相当し、現在与党にあります」
 『フォーラム21』という雑誌の3月1日号から、この紹介は引いているが、同番組で公明党国際局長の遠藤乙彦に、あなたにとって池田大作とはと尋ねたら、こんな答えが返ってきたという。
 「グルとは思っていません。精神的な指導者です。私に関しては、人生に関するどんなことでも相談して教えを受けられる先生です。今日、日本にはたくさん問題があります。世界中どこでもそうですが。21世紀には、池田大作の思想、仏教に基づいた教えに耳を傾ければ、もっとよく問題を解決できるようになるでしょう」
 その池田センセイは1月末に発表した「国際問題」に関する提言でこう述べたという。
 「軍事力を全否定するということは、一個の人間の『心情倫理』としてならまだしも、政治の場でのオプションとしては、必ずしも現実的とはいえない」
 それこそ、平和を全否定するこんな発言を池田がしていることを、あの運転手は知っているのだろうか。
 私の郷里の山形県に無教会派のクリスチャン、鈴木弼美(すけよし)がつくった基督教独立学園という高校がある。戦争中に反戦思想の持主として治安維持法違反で逮捕された鈴木は、戦後、軍事費分の納税を拒否する訴訟を起こした。すでに亡くなったが、鈴木と池田では宗教者の姿勢に天と地ほどの隔たりがある。
************************************************************
※「池田大作の思想、仏教に基づいた教えに耳を傾ければ、もっとよく問題を解決できるようになる」これは、ほとんどの公明党議員の心情であろう。つまり、いかに形式的組織的に「政教分離」が行われていようと、公明党の政策・行動は、実質的に池田大作の「指導」を根本として行われているということである。これは、精神的側面であるが、物理的側面においては、公明党は学会とは独立した下部組織を持っていない。個々の議員も自前の後援組織を持っていない。すべて学会組織に負んぶに抱っこである。だからこそ、金も知名度も社会的地位もない者が、突然国会議員になれるのだが、出馬自体も本人の自発的意志ではなく、学会組織からの指示によるのである。
 このように学会と公明党は実質的に一体であることは周知の事実である。問題は、このような関係が憲法違反かどうかである。が、既に公明党議員が学会の手先よろしく、学会に敵対する組織を攻撃する手伝いをしている事例は枚挙に暇がない。これは、「国民の代表」「市民の代表」としての議員の立場を逸脱する行為であることは明白である。本来、公僕たる議員は、すべての人々に対して公平であるべき存在であるが、とくに、宗教に対しては政教分離の精神から考えて、他の領域以上に公平性に厳格でなければならないはずである。その意味では、学会・公明党の実態は、他の政党が特定の集団の利益代表となっている以上に問題であり、危険極まりない存在であることは間違いなかろう。(法蔵)

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2011年07月13日 14時09分10秒

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「Re:識者の目」
選挙不敗神話の虚実
―統一地方選で「大勝利」―

(横田一『週刊金曜日』H15.6.13)

今年の統一地方選では、公明党が擁立した候補2121人全員が当選した。自民党と共同で推薦した候補も連戦連勝。いまや地方議会に3400人以上の議員を送りこんでいる。自民党でさえ、800万票といわれる学会票の威力にあらためて震撼したことだろう。

 「ホップ、ステップ、ジャンプで1000万票獲得」
 これが、最近、公明党や創価学会の幹部がよく口にするキャッチフレーズだという。ホップが今回の統一地方選挙、ステップが秋の可能性が高い総選挙、そしてジャンプの来年の参院選比例区で1000万票を獲得するというのだ。
 来年夏に照準をあわせる公明党の頼みの綱が小泉政権。不敗神話を誇る公明党だが、弱点は国民の拒絶反応が強く、支持の広がりに欠けること。だから国政選挙では、自らが前面に出ることは極力避ける。かつての新進党時代には3人の首相経験者(細川護煕・羽田孜・海部俊樹)がいることをアピールした。同じように現在では、小泉政権を前面に押し立てて選挙戦を戦おうとしている。そうすれば、公明党への拒絶反応が抑えられ、大台達成が実現できるという計算だ。

<選挙参謀の都議会議員>
 そんな役割を担う小泉政権を下支えしているのが、野中広務・自民党元幹事長と藤井富雄・公明党常任顧問のコンビだ。都議会議員ながら公明党の実質的な選挙参謀役である藤井氏が、抵抗勢力のドンと全国各地を飛び回り、選挙の連戦連勝に貢献しているのである。藤井氏の創価学会への影響力について、自民党の平沢勝栄代議士はこう話す。
 「警察官僚を辞めて、衆議院東京17区(葛飾区と江戸川区の一部)から立候補しようとした時、面識があった藤井氏に挨拶に行きました。すると、『なんとか葛飾だけは止めてくれ。他の選挙区なら、平沢君ならば、創価学会が総力をあげて応援する』と、選挙区の変更をもちかけてきた」
 この話は、、藤井氏が一声かければ創価学会は一丸となって動くことを物語るものだ。ちなみに、この時の東京17区の現職代議士は公明党のプリンスと言われる山口那津男氏(現・参院議員)。しかし平沢氏は藤井氏の提案を拒否、自民党公認を出し渋る野中氏にも頭を下げて、なんとか山口氏との一騎打ちに勝った。
 この藤井氏と野中氏のコンビが存在感を見せ付けたのが、昨年10月27日投票の衆参統一補選だ。この時、福岡6区の荒巻隆3候補(自民党公認。公明党と保守党が推薦)を応援するために藤井氏と野中氏は福岡入りし、同じ車に乗って九州自動車道を南下、広川インター近くの創価学会の「牧口久留米講堂」(広川町)に入るところを目撃された。地元の政界関係者は呆れて話す。
 「選挙戦の山場に自民党元幹事長と公明党幹部が仲良く創価学会の施設を訪ねた。これでは、政教一致そのものと言われても仕方がない」
 序盤の動向調査では、野中・古賀誠ラインが担ぎ出したとされる落下傘の荒巻候補は、地元出身で民主党代議士だった古賀一成候補(比例区からの鞍替え)に大きく水を開けられていた。だが告示日以降、九州全域から創価学会員がかけつけ、猛追したというのだ。
 先の政界関係者はこう続けた。
 「古賀一成さんは人柄も温和で新進党にいたこともあったため、ストレートに『荒巻対古賀』の形にすると、学会票の一部が同情票として流れる恐れがあった。そこで『学会対民主党』という構図が作り上げられ、『古賀一成氏の民主党は、学会批判をするフォーラム21(乙骨正生氏が発行人)を認めている。民主党が勝つと、池田大作名誉会長を証人喚問したいフォーラム21を勢いづかせ、証人喚問に一歩近づく』といった遠大な話が発せられたといいます。
 それで九州の学会員が福岡6区にかけつけた。これを学会用語で『交流をかける』というそうですが、彼らが頼りにするのが選挙区内の支持者名簿です。そこには『エフ(F)』と呼ばれる公明党にフレンドリーな有権者や『ダイヤモンド(D)』と呼ばれる大口の集票が期待できる企業がリストアップされています」
 選挙戦の終盤には、普段は見られない人たちの異様な姿が目に入ったと地元の住民は口をそろえる。名簿を手にした学会員らしき一団が戸別訪問を繰り返したり、若いカップルがコンビニの駐車場で「投票される方をお決めですか。まだでしたら荒巻さんをお願いします」と声をかけまくることもあったという。
 結果は、古賀候補の6万1080票に対し荒巻候補は8万4740票と予想以上の差をつけた逆転勝利。福岡7区選出の古賀誠代議士と福岡県創価学会副会長のM氏が地元で連携したとも囁かれ、最大の勝因は「約3万の創価学会票の約9割を固めたこと」というのが関係者の一致した見方である。

<名誉会長を持ち上げる首相>
 苦戦必至とみられた補選を勝ち越した小泉首相は、昨年秋の公明党大会で池田大作名誉会長を持ち上げ、選挙での支援に感謝を表明した。口先だけの小泉構造改革が露呈し支持率が低下しても、それを公明党と創価学会が埋めた形になったのだ。
 徳島県知事選挙もほぼ同じパターンだった。この知事選も、不信任された前職の大田正候補を民主党と社民党と自由党と共産党が推し、新人の飯泉嘉門候補を自民党と公明党と保守党が推すという与野党激突型。そして投票日の1週間前の5月11日、藤井氏と野中氏が現地に入った。
 当初、公明党は県本部単独で飯泉候補を推薦しており、党関係者までの浸透にとどまっていたが、野中・藤井コンビの参上で状況は一変。翌12日、特定郵便局長OBらでつくる自民党県大樹支部の会合で大物郵政族の野中氏が飯泉支持を訴えると、公明党県議らとの会合で藤井氏は
 「私が野中さんとこのように徳島を訪れたことでわかっていただけると思う」
と全面支援を示唆。これを公明党県議は「県本部推薦から党本部推薦へ格上げ」と受け取り、飯泉候補の浸透度が創価学会員にまで広がり、約3万票の上積みにつながったとされる。そして飯泉候補は、8489票の僅差で大田候補に競り勝った。
 創価学会票が勝利に貢献する形に気をよくしたせいか、野中・藤井コンビは、6月2日、与野党支援候補らが激突する札幌市長再選挙(8日投票)でも現地入りをし、特定郵便局長OBらでつくる「大樹の会」に出席した。結果は、保守票分裂の追い風を受け上田文雄候補が当選した。
 なお自宅が郵便局で、世襲も可能な「特定郵便局」は既得権益の温床だ。局長の給与は約900万円で、平均420万円の年間賃貸料収入も入る。小泉郵政改革で郵政公社が発足した今も、集票マシーンとして自民党に貢献してきた特定郵便局は聖域のまま。一昨年の参院選の高祖事件(郵政OBの高祖憲治候補を郵政関係者が支援し逮捕者が続出)の後、鳴りを潜めていたが、ここにきて選挙戦に再び顔を出すようになったのだ。ゾンビのごとく復活した「大樹の会」の内部文書(01年11月)には、こんなくだりがある。
 「大樹の組織は、郵政全国組織であって、対外的活動の拠点である。(中略)公明のやり方は『ウマイ』というか、『上手』というか、『ズルイ』というのか、全く善良且つ真面目にやっている市民をバカにするにも程がある。が、これが選挙というのなら我々も見習うべきだ。(下表参照)
 どうして、こんなうまい具合になるのかな。80万人程の居住者をコントロール出来ることに戦慄を憶える」
 「戦慄を憶える」のは国民の方だ。日本有数の2大集票マシーンが二人三脚を組んでいる事実を、認めざるをえないからだ。政教分離などどこ吹く風で1000万票を目指しているようにみえる公明党・創価学会と、逮捕も恐れぬ郵政利権軍団が競い合うように小泉政権を選挙で支えれば、民意そっちのけの政権運営が半永久的に続いても不思議ではないだろう。
 それにしても、よくぞ、ここまで支離滅裂な面々が勢ぞろいしたものだ。「聖域なき構造改革」を訴えた小泉首相が創価学会や特定郵便局を聖域扱いにすれば、ハト派とし存在感のあった野中氏も、藤井氏と一緒にタカ派政権を支える。実働部隊の創価学会は、2人の会長(牧口常三郎、戸田城聖)が戦争反対を訴え不敬罪および治安維持法違反で逮捕され、牧口会長は獄死した。このことが原点のはずだが、いまや「イラク戦争反対は利敵行為」(冬柴鐵三・公明党幹事長)というタカ派路線を信認する役回りをしている。「大衆と共に語り、大衆と共に戦い、そして大衆と共に死んでいく」のモットーは死語と化し、「権力と共に語り、権力と共に選挙を戦い、そして癒着構造の中で生き長らえていく」という実態が露になるばかりだ。
 理念を捨てた野合権力集団の凄まじさが知れ渡れば、不敗神話が瓦解するのは時間の問題と思えるのだが。(よこたはじめ・フリーリポーター)

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2011年07月12日 22時50分55秒

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「Re:識者の目」
小泉総理は創価学会にひれ伏した

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―「アンチ学会」の急先鋒だったはずの総理の変節―

(政治評論家・国正武重『文藝春秋』H15.8抜粋)

<魅入られた小泉首相>
 昨年秋の衆参統一補欠選挙を終えた11月2日午後、スーツに鮮やかな緑のネクタイをしめた小泉首相は、東京千代田区で開かれた公明党大会に初めて来賓として出席した。
 演壇に立った小泉首相は、9月に環境・開発サミット出席のため訪れた南アフリカで、SGI(創価学会インタナショナル)の施設を視察したことを持ち出し「強く印象に残った見事な写真があった。暗い空に、こうこうと月が輝き、緑の葉があった。この写真は池田SGI会長(大作創価学会名誉会長)が撮影されたそうです」と語ると、会場から拍手が起った。小泉首相は「支持率が高くても低くてもグラグラしちゃいかんなあ。空の果ての月のように、孤独でも耐えなきゃいかん」と会場を笑わせたうえで、帰国後に池田氏の写真集「澄心天籟(ちょうしんてんらい)」を手にしたと精一杯のリップサービス。SGIをSGOと呼び間違える一幕もあったが、一宗教法人のトップを首相が公式の場でここまで持ち上げるのは異例中の異例といっていい。
 「われわれに理解があると思えなかった首相も、創価学会の純粋な思いを理解された。すばらしい演説だ」と、冬柴鐵三公明党幹事長も感激をあらわにした。
 それもそのはず。小泉首相はかつて、名うての創価学会嫌いで通っていたのだ。衆議院の中選挙区時代、川崎、横須賀中心の選挙区を地盤とした小泉首相は、最大のライバルである市川雄一公明党元書記長と激しく議席を競っていた。そのため、自自公連立の森喜朗政権下でさえも、「無定見、無節操、無原則政権だ」と批判し、小泉政権スタート後でさえ、その姿勢を変えなかった。「自公保連立は大事にいたしますけれども、民主党が協力してくれるのだったら、今までの枠組みにとらわれずに、できるだけ多くの政党の協力を得たい」(01年5月14日衆議院予算委員会)と「鳩山由紀夫カード」をちらつかせ、靖国問題、集団的自衛権問題などの憲法問題でも距離を置いていた。しかし、選挙が繰り返されるたびに、小泉首相は公明党の集票力に魅入られていく。
 小泉政権発足直後、01年7月に参議院選挙が行われた。このとき自民党の公認候衛は、都道府県の選挙区で、44勝5敗。27県の定員1人区で当選した25人のうち19人が公明党の推薦を受けていた。
 さらに、02年10月の衆参統一補欠選挙。公明党は7選挙区すべてで独自候補を出さず、自民党公認、あるいは推薦候補を推した。結果は、自民党の5勝2敗―勝率7割という驚異的な成績を挙げた。政治無関心時代の低投票率のなかで、組織票の強さを浮き彫りにさせるできごとだった。小泉首相は同28日、外遊先のメキシコで、「ちょっと勝ちすぎじゃないの。予想以上にいいね」とコメント。アンチ創価学会のスタンスが崩れはじめた兆しだった。
 翌月21日の夜、明治44年に旧竹田宮邸として建てられたレンガ作りの洋館、東京高輪プリンスホテル貴賓館の鳳凰の間で、小泉首相、森喜朗前首相、青木幹雄自民党参議院幹事長の3人がひっそりと会食をした。実はこのとき、秋谷栄之助創価学会会長、池田名誉会長の信頼のあつい八尋頼雄副会長が極秘に接触し、今後の提携強化などのすり合わせをしたと見られている。
 それでは、学会ににじり寄る小泉首相を、池田大作創価学会名誉会長はどういう評価をしているのか。01年5月から9月の短い期間、池田名誉会長は連続して朝日、読売、毎日、産経など各紙のインタビュー等に応じている。そこで表明した小泉首相への評価は醒めていた。
 「小泉内閣の高い支持率は、ほかにこれという政治家がいないからだ」(読売新聞)。「改革の実践はこれからだ。改革が挫折すれば人気は下落し、国民は痛烈に批判するだろう」(同)。「公約してきたことを実行するものと信じたいが、実行しないときは崩壊だ」(産経新聞)。強烈な牽制は、池田名誉会長の絶妙な距離感によるもの。小泉首相の公明党大会における池田名誉会長絶賛は、公明党・創価学会グループからの縁切りを恐れ敏感に反応した結果と見てもいいだろう。
 こうした小泉首相と創価学会の蜜月を裏付ける証言もある。
 「小泉首相と秋谷栄之助創価学会会長との間には直結パイプができている。首相は飯島秘書官等を通じて、秋谷会長の携帯もしくは直通電話番号を把握しているのです」(公明党議員)というのである。
 これまで自民党と公明・創価学会には3つのルートがあるとされてきた。1つは、99年10月に小渕恵三第2次改造内閣とともにスタートした自自公連立政権下の旧経世会(旧竹下派)ルート。つまり、竹下登元首相、小渕恵三首相と池田大作名誉会長、秋谷栄之助会長というラインだ。
 そこへ、自自公連立政権工作の当事者として小渕内閣の官房長官である野中広務と、冬柴鐵三公明党幹事長のラインが出てきた。
 3つ目は、野中の薫陶をうけた古賀誠前自民党幹事長と、藤井富雄公明党都議・公明党常任顧問に草川昭三公明党参議院議員会長というライン。
 これらのルートは、現在でも生きてはいるが、小泉首相と秋谷会長のホットラインが機能し始めたいま、存在感の低下は免れない。

<変質した公明党の基本理念>
 ここで創価学会と自民党中枢との関係をふりかえれば公明党の結党以前に遡るが、自公連立に急な舵をきったのは、96年のことだった。
 自民党は、前年のオウム真理教事件に端を発した宗教法人への厳しい世論を背景に、池田名誉会長の証人喚問を要求するなど厳しく対立した。「敵の味方は敵。自民党の創価学会バッシングは当然のことだ。しかし、あのバッシングは相当効いた」(公明党元三役経験者)。やはり池田会長(当時)の国会証人喚問請求までに発展した69年の言論出版妨害事件以来の危機だった。
 99年7月、公明党は小渕政権下で連立与党に参画する。以来満4年、公明党のホームページを見ると、「公明党が『生活者の視点』で積み重ねてきた数々の実績」として、中小企業対策、児童手当てと育児休業制度の拡大、保育所待機ゼロ作戦などを挙げて誇っている。
 しかし一方で、平和、人権、福祉を不動の価値としてきた創価学会・公明党が変質してきたことも事実だ。
 たとえば、「清潔で金にきれいな党」の面影はどこに行ったのか。企業献金規制は公明党が長く掲げてきた政策にもかかわらず、今国会では企業・団体献金の公開基準引き上げを容認した。
 何より、公明党・創価学会グループは「永世平和」を希求してきたはずだった。ところが、01年9月11日にアメリカで同時多発テロが発生すると、テロ対策特別措置法が浮上した。公明党は逡巡したが、冬柴鐵三幹事長が自民党の山崎幹事長らとひそかに会い、時限立法で合意すると、一気に軟化して法案の骨子を固めた。冬柴氏は「緊急性にかんがみてトップダウンでやるしかなかった」と釈明したが、党内からは不満が吹き出した。
 党ばかりでなく、池田名誉会長も今年1月26日に、テロ、大量破壊兵器問題について提案を発表。「軍事力を全否定することは、政治の場でのオプション、選択肢としては必ずしも現実的とはいえない」と語ったのは、一連の与党連立によるブレを指摘したものととれる。
 イラク戦争後、イラク支援特別措置法案が焦点となると、公明党はますます前のめりになっていく。武器・弾薬の陸上輸送について神崎代表は6月11日、「武器・弾薬を除外すると、おそらく一つひとつの貨物について武器・弾薬が入っていないのかどうかを確認するという煩瑣な作業になる」と、これを容認する考えを示した。
 実は、前日の公明党政調全体会議では「まだ大量破壌兵器が見つかっていない。イラク戦争の正当性が疑われているのに、自衛隊を派遺する必要があるのか」と批判が出たばかりだが、神崎代表は「大人の判断」で先行したようだ。
 自民党側もしてやったり。「イラク特措法案では公明党は自民党より先に了承してくれた。大助かりですよ」(自民党幹部)というのも、この法案に盛り込まれた大量破壊兵器の処理に冬柴氏がいちはやく承諾を与えていたにもかかわらず、自民党内の反対でこの項目が削除されたという、あべこべの状況まで起きているからだ。
 急激な変化に支持者はついてこられるのだろうか。公明党三役経験者はこう答える。「違和感を覚える学会員がいても、変化を進化と捉える上層部が、『お前たちの言うことは時代遅れだ』と説得すれば、結果的にそれに従うのです。教団では、上層部の指導に従わないと自分の人生を『全否定』することになる。創価学会員は自分で自分を説得するのです」。「下駄の雪」として踏みつけられるのは、今度は一人一人の学会員なのかもしれない。
 創価学会幹部は、公明党が連立政権に参加した当時、こういったものだ。
 「創価学会と公明党、つまり宗教団体と政党は組織の性格が違う。学会には理想論を含めて理念がある。しかし、党は現実を認識して可能な政策を選択しなければならない。『連立はギリギリの選択です』と秋谷栄之助会長が言った。会員の選挙意欲も変わるかもしれないが、やむを得ない。選択肢は自民党との連立しかなかった。公明党はツケを負わされることになろうが、逆に現実的だったと評価されるかもしれない。いずれにしてもカードは切ったのだ」

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2011年07月11日 22時16分24秒

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「Re:識者の目」
的はずれな「民主・自由野合」論 だったら自公保連立は何だ?

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(長野県知事・田中康夫『日刊ゲンダイ』H15.7.31)

 民主党と自由党の合併を「野合」だと批判する自公保政権の皆さんは、自身の左胸に手を当ててみたら如何でしょう。公共事業に象徴される「政官業」の利権分配トライアングルを保持せんが為に、あなた方は連立「野合」内閣を結成したのではありませんか?
 加えて、イラク特措法にも大賛成した公明党は、その敬虔な支持者たるオバサマ軍団に対し、反戦平和を希求していた筈の結党の精神との整合性を一体、どう説明するのかなぁ?
 他方、「私に聞かれても判る訳がない」と胸を張る宰相の下、イラクには自衛隊でも派遣しておけばいい、と自らは安全地帯に身を置いて画策する外務省の役人は、明らかに身分差別主義者。外交機密費で飲み食いしてきた「害・無能省」な集団の正体見たり、です。
 思えば、財務省の役人に遠隔操縦されているのが、「約束を守れなかったのは大した問題ではない」と居直った小泉純一郎内閣なのです。そう捉えれば、「世論に従って政治を行うと間違う」と述べた真意も、妙に納得出来るというものです。
 何故か、霞が関の官僚から総スカンを食らいもしない。彼の唱える構造改革が納税者の目線には立っていない何よりの証拠です。自民党をぶっ壊す、と言いながら未だに、そのリング内で純ちゃん劇場なる興行を打ってる宰相は、ガチンコからは程遠い官僚集団との出来レースなのです。
 小沢一郎氏と菅直人氏は大同団結せよ、と昨年末から述べていた僕は、今回の、取り分け、小沢氏の気概と決断に深く感銘を受けました。真の構造改革を行うと同時に、なし崩し的な米国追従主義とは異なる、フランスや中国を始めとする各国と共に国連中心主義の社会を目指す。小選挙区制に於ける争点は、初めて明確になったのです。
 成る程、民主党にも自由党にも、見解を異にする議員も居ます。が、だからこそ、今回の合併が、その先の政界再編を齎(もたら)すのです。
 米国追従の松下政経塾出身者は民主党を離れて、小泉ワンワンと一緒に吉備団子を貰いに出掛けるかも知れません。逆に、渡辺喜美氏に代表される自民党の良識有る若手は、小沢&菅の下へと参集するかも知れません。
 案ずるより産むが易し。医師会にも製薬会社にもいい顔をする厚生族の小泉氏と、薬害エイズ問題で官僚の不作為を明らかにした菅氏。更には、憲法九条の精神は本来、世界に敷衍(ふえん)すべき実効性を有する精神、と語る小沢氏。その何(いず)れを選択すべきか、答えは既に明らかです。

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2011年07月10日 00時19分02秒

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「Re:識者の目」
新民主党が国民の支持を集める切り札がある!

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(俵孝太郎『日刊ゲンダイ』H15.8.1)

 総選挙を目前にして、民主党が自由党を吸収合併する構想に野合だという批判が出ていることに対して、カンは青筋をたて、オザワは口をとがらせて反論している。
 「野合」とは、一般には筋も見境もヘチマもなくくっつくことをいうが、新潮国語辞典によると、「野」とは礼に合わないの意であって、正式の婚礼なしに夫婦になることだそうだ。いずれ合併のセレモニーをするのだから野合ではない、といいたいのか。
 もっともコイズミやカンザキ、ましてクマガイごときに野合だなどとはいわれたくない、というのはわかる。自公保連立政権は、野合といえば上品すぎるほどの、まさに乱交政権だからだ。
 民主党にしても、そもそも反自民の細川8党派連立乱交政権にいたのち、村山・橋本政権で自民党と組んださきがけを軸に、沈没必至の社民党を逃げ出した顔触れと雑軍が加わった乱交政党だ。だから基本政策でさえ一致できていない。自由党にしても、小渕内閣では自自公連立の一翼を担っていた。別々の時期に自民党と組んだことのある連中が、たまたまいまカヤの外にいるからといって自民党政権打倒が大義だといって、極端な政策の開きに目をつぶって合併しても、到底信用も期待もできない。ましてそこに党ぐるみ税金ドロボーの社民党が合流すれば、最悪になる。
 朝日新聞の世論調査で、合併歓迎36%、期待せず52%になったのも当然だ。ただ、合併新党が支持を集める切り札が1つある。それは反自民もさることながら、細川内閣以降10年7代の政権乱交劇の主役である公明党とは金輪際手を結ばない、と誓約することだ。それができれば、100のマニフェストやらを並べ立てるよりも、はるかに多くの国民が支持するだろう。

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2011年07月09日 12時34分35秒

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「Re:識者の目」
小泉が許す学会支配

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(佐高信『週刊金曜日』H15.10.17)

 2000年春、東京都大田区議会で、公明党の議員が珍妙な質問というか、要求を行なった。「『週刊新潮』『週刊文春』『文藝春秋』を全大田区の全図書館から排除してもらいたい」
 とりわけ最近、公明党および創価学会の露骨な攻撃の標的にされている『週刊新潮』の同年3月30日号によれば、この3誌が“指名”されたのは、とくにこの3誌が創価学会を批判し、この区議を含む学会員を不愉快にさせたかららしい。
 今度出た天木直人(前駐レバノン特命全権大使)の『さらば外務省!』(講談社)も、学会は葬り去りたい本だろう。「私は小泉首相と売国官僚を許さない」が副題のこの本には、天木がオーストラリア公使として赴任した時、前任者のEが公金横領に関与した疑いが濃厚だと書いてある。
 しかも、このEが創価学会青年部の幹部であることは省内周知の事実であり、息子に大作と名づけるほどの池田大作信奉者であることも知られていた。一大スキャンダルに発展しかねないこの疑惑を政府や外務省は必死で隠蔽しようとした、と天木は書く。「これはなんとしてでも隠し通さなければならないと考える組織が、外務省の他にもあったとしたら。そしてその勢力が小泉政権と談合して、本件を闇に葬ったとしたら。
 奇しくも、調査委員会の指揮をとった荒木(清寛)副大臣は公明党の参院議員である。この事件の背景に、連立政権と外務省の壮大な疑惑隠しの密約があったとすれば……」
 こう指弾した天木に学会からどんな非難の矢が飛ぶか。
 選挙で選ばれることのない公明党の委員長を長く続けた竹入義勝を、先年、学会は凄まじい罵詈の対象とした。「辞めるか辞めないかは、自分で決めることではない。任免は池田会長の意思であり、勝手に辞めるのは不遜の極みだ」などと『朝日新聞』の回顧録で書いたことが、池田の逆鱗に触れたからである。かりにも学会支配下の公明党の委員長だった人に、こうまで悪罵を並べるのかと、呆れさせるほどだった。「天下の変節男」「欺瞞の天才」「銭ゲバ」などの汚いコトバが『公明新聞』や『聖教新聞』に躍ったのである。
 一切それに反論しなかった竹入の、回顧録の結びの一文はこうだった。「政治が何かの利益団体のために、利益を擁護したり代弁したりする時代は終わりつつある。1つの団体や勢力が政党を支配したり、政党が奉仕したりする関係は、国民が目覚めてきて、あらゆる面で清算される時代になっている」
 竹入の回顧録が連載されたのは1999年だが、残念ながら「清算される時代」はきていない。このまま、学会支配を許すのかどうかも今度の選挙の重要な争点だろう。

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2011年07月08日 23時03分25秒

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「Re:識者の目」
広告利用の「グロテスクな作戦」(仮題)

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(コラムニスト・徳岡孝夫/『週刊新潮』H15.11.6)

●(電車の)中吊り広告というのは、サラリーマンが通勤途中に、半分眠りながら見るものですよね。熟読するのではなく、必ずしも実際に雑誌を買うわけでもない人たちが、ごく短いキャッチフレーズによって、天下の形勢を窺う。吊り広告というのは本来そういう性質のものです。 ところが、最近の『第三文明』や『潮』の広告を見ていると、それとは違う。なんだかグロテスクだなと思いますよ。これまでの創価学会のこと、例えば言論出版抑圧事件などを思い出して、ああいう胡散臭い団体が、またグロテスクな作戦を始めたなと思います。程度の差こそあれ、宗教というのは他者への寛容、トレランスを持っていないといけないと思うんです。それがないために、世界ではいろいろな問題が起こっている。ああいう広告は、自分の気に食わないメディアを名指しで糾弾して、電車の中で絞首刑にしているわけで、週刊新潮は手始めかな?不愉快に思いますね。

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2011年07月07日 23時11分54秒

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「Re:識者の目」
公明政権で自由が崩壊!?(仮題)

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―「<ここだけの話>アヘンと『脳力』」より―

(専門編集委員・牧太郎『毎日新聞ニュース速報』H15.11.18抜粋)

 アヘンを見た。上質のアヘン?をタダ同然で手に入れる姿を見た。
 アヘン……この場合、アヘンは自民党にとって公明党(票)である。
 今回の衆院選で、自民党は公明党に助けられた。与党同士だから当然、と言う人もいるだろう。
 しかし、自由民主主義の自民党、宗教民主主義の公明党。自由競争の思想と「神仏の前での平等」の思想とでは大分違う。大体「自由と平等」は微妙に食い違う価値観なのだ。
 極端なことを言えば、公明党が「創価学会の教えを日本国の宗教にする」と考えたらどうだろう。
 僕の親しい友人にも創価学会の熱心な信者がいる。教えに忠実で幸せな毎日を送っている。結構である。
 彼は「創価学会の教えが絶対」と考える。宗教とはそういうものだ。「この教えで日本国を統治すべきだ」と考えても不思議ではない。
 しかし、そうなったら、自民党の「自由」は崩壊するかもしれない。
 それなのに……自民党は公明党票で下駄(げた)を履くことを覚えた。公明党票(=下駄)+自民党票+個人票で楽に当選する。これはアヘンだ。(専門編集委員・牧太郎)[2003-11-18-13:41]
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 ここで言う「自民党の『自由』」とは、自民党が公明党に束縛されないということではない。自民党が政治理念として掲げる「自由民主主義」であり「自由競争の思想」である。
 「『創価学会の教えを日本国の宗教にする』と考えたらどうだろう」「『この教えで日本国を統治すべきだ』と考えても不思議ではない」オブラートに包んだような表現にはなっているが、敢えて、一般紙が創価学会・公明党による"宗教支配"の可能性に言及した意義は大きいのではないか。しかも、その結果「『自由』は崩壊する」というのであるから、ことは深刻である。
 筆者がこのように考える背景には、以下の<1>〜<6>のようなことが考えられる。学会が本質的に持っている独善的体質と巨大な組織力、これと自公連立、学会による自民党議員支配という新たな要因が、学会・公明党による宗教支配の可能性を一気に現実味を帯びたものにしたといえよう。
<1>かつて学会は、自身の教えを国中に広めた暁には"国立戒壇"(世界中の信徒が礼拝する施設)を建立すると主張していた。礼拝施設を国立にするということは、その宗教を国教にするということである。宗門から破門された学会は、建設すべき戒壇も、戒壇の中に安置すべき本尊も所有していない。しかしながら、池田大作自身が"天下を取る"野望は捨てていないと言われている。
<2>学会は過去に「王仏冥合」といって、仏教理念を政治の世界に反映させようと公言し、創価学会の支配のもとに政治活動を堂々と展開してきた。現在では所謂言論問題の表面化によって社会から糾弾された結果、表面上は「政教分離」をしたことになっているが、実態は相変わらず政教一致である。
<3>学会の独善主義はマスコミ関係者にとって周知の事実。とくに批判者への組織的憎悪は尋常ではなく、言論問題以降も、今なお続いている。
<4>学会による支配の対象は、政界だけではなく法曹界、官僚、教育界など、社会の各層に及び、各界の学会員は組織化され日常的に活動している。
<5>自公連立政権の樹立。
<6>自民党が学会票に依存しており、学会に頭が上がらない自民党議員が多数存在している。

"学会が政治活動しても憲法違反ではない"あるいはそうかも知れない。しかし国民全体の公僕であるべき公明党議員が学会の手先となって学会批判者の攻撃に加担した例もある。また、学会自体、組織的に反社会的な批判者攻撃をしている。このような独善的反社会的体質をもった学会が政界を牛耳ったときに起る世界がどのようなものであるのか。これは火を見るよりも明らかである。「自由」が「崩壊」してから"憲法違反"だと分かっても遅いのである。(法蔵)

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from: 改革フォーラムさん

2011年07月06日 20時11分37秒

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「Re:識者の目」
公明党の功罪を厳しく見つめよ

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(桜井よしこ『週刊新潮』H15.11.20抜粋)

 「池田大作さんが日本の天皇になるということですね」
 今回の選挙結果をみてこう語るのは、サム・ジェームソン氏である。氏は長年米紙『ロサンゼルス・タイムズ』の東京支局長を務めた知日派のベテラン記者だ。現在は読売調査研究本部の研究員でもある。(中略)

<自民81人が公明票で当選>
前回の総選挙では公明党は161人の自民党小選挙区候補を支持し、42人が公明党の支持で当選したとされた。今回は支持候補198人で公明党支持による当選者は81人と見られるわけだ。自民党の公明党依存が早いスピードで高まっていると考えなければならないだろう。(中略)

<置き去りにされた憲法20条>
 ジェームソン氏が切り込んできた。
 「なぜ、日本人は憲法20条を置き去りにするのですか。20条は信教の自由を保障し、同時に宗教団体は政治上の権力を行使してはならないと書いているではありませんか。このことを指摘する勇気は、日本人は持ちあわせていないのですか」
 的を射た批判だ。創価学会を好きな人も嫌いな人も、学会が宗教団体として人々の心を支えてきたことは認めるだろう。その意味で学会は、人間の心の救済について他の宗教団体より力を尽くしていることは評価されてよい。しかし、学会が宗教団体の矩を踰(こ)えて政治団体と一体化したかのような現状には、疑問を抱かざるを得ない。自民党が自公連立で事実上公明党化してしまわないためにも、いま、公明党の功罪を、原点に戻って、厳しく見つめよ。

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