ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、原油先物価格が急反発した。エジプトの反政府デモが激化し、近隣諸国に混乱が広がっていることから、主要産油国にその影響が及ぶことに懸念が深まった。

原油先物3月限の終値は前日比3ドル70セント(4.3％)高の89ドル34セントとなった。電子取引(グローベックス)を含む高値は89ドル73セント、安値は85ドル11セントだった。

エジプトのホスニ・ムバラク大統領は28日、カイロ市内に軍隊を出動させたほか、複数の都市で夜間外出禁止令を発令し、数万人に及ぶ大規模な反政府デモの鎮圧に努めている。市内には戦車が配備され、警察はデモ隊に対し、ゴム弾、催涙弾、放水砲を発砲した。

オバマ米大統領はこれについて「深い懸念」を示すと共に、エジプトでインターネットおよび携帯電話サービスが遮断されたことに対し、「コミュニケーションの道を閉ざさないよう」強く呼びかけた。オバマ大統領は、27日にムバラク大統領の支持を慎重ながらも表明していたが、この日はその姿勢を変えた。

エジプトは主要な原油供給国ではないものの、世界の原油生産量に大きな割合を占める近隣諸国へと政情不安が波及することに懸念が深まった。
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