【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク株式相場は、米雇用情勢の改善に伴う景気回復期待から終日にわたって堅調に推移し、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比71．60ドル高の1万2350．61ドルで終わった。ハイテク株中心のナスダック総合指数は同19．90ポイント高の2776．79で終了。
　ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1億1343万株増の9億1804万株。
　米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング（ADP）が朝方発表した3月の全米雇用報告は、非農業部門の民間就業者数が前月比で20万1000人の増加となった。事前の市場予想を若干下回ったものの、米雇用情勢の改善が確認されたことから、今週末に発表される3月の雇用統計も良好な内容になるのではないかとの期待が高まった。これを受け、複合企業ゼネラル・エレクトリック（GE）など景気敏感株に総じて買いが入る展開となった。
　市場関係者の間からは「米国内で強まった日本の原発事故に対する懸念がひと頃に比べて弱まったことも、投資家の買い安心感につながっている可能性がある」（大手証券）との声が聞かれた。
　個別銘柄を見ると、GEは約1．3％高で終了。また、通信大手AT＆Tは独通信大手ドイツテレコムの携帯子会社TモバイルUSAを買収した後の業績改善期待などから上昇、約2．2％高で終わった。このほかでは、クレジットカード大手のビザやマスターカードが上伸し、約2．8％高、約0．8％高でそれぞれ引けた。デビッドカード関連規制の導入が先送りされる見通しになったことなどが支援材料。（了）