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from: eriyaさん
2013年07月29日 08時08分12秒
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ファミレス御三家
東洋経済オンライン 2013/7/28 06:00 松浦 大
長きにわたって低迷が続いていたファミリーレストランに復活の兆しが見え始めた。
7月12日、デニーズがマスコミを集めて新メニューのお披露目会を行った。2年半の開発期間をかけ、オリーブオイルを配合した飼料で育てた豚肉を使ったメニューなど、デニーズとしては高価格となる1000円前後の9種類の商品を投入。昨年後半から進めている高価格路線をさらに鮮明にした。
実はデニーズがこうした新メニューの発表会を開くのは初めて。デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズの大久保恒夫社長は「昨年11月から客単価の上昇が顕著になっている。ファミレスは復活する」と高らかに宣言した。
デニーズに加え、ガストなどを展開する最大手すかいらーく、ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスの"御三家"の業績は着実に上向いている(図)。
3社の損益が好転した要因の一つは、不採算店の閉鎖が一巡したため。約3000店を展開するすかいらーくは、2000年代前半に年間200~300店の出店を続けた。しかし、「当時に出店した店舗のほとんどが赤字垂れ流しのままだった」(すかいらーく・谷真社長)。同社は08年から10年までに計500店超の大量閉店を断行した(小僧寿しを除く)。
デニーズやロイホも08~11年にかけてそれぞれ200店、100店程度の不採算店の閉鎖を行っている。08年以降、一部業態転換も含め3社で800店以上のファミレスが姿を消したことになる。
【詳細画像または表】
■ 既存店の底上げに注力
加えて、従来の出店数増加による成長モデルを捨て去った3社が、既存店のテコ入れに注力。その成果が出始めたことも見逃せない。
すかいらーくはファンドの支援を受けつつ、日米のマクドナルドや米スターバックス、ファーストリテイリングの幹部を次々とヘッドハントしている。そのノウハウを活用し、11年から、メニュー数の絞り込みやハンバーグ調理工程の見直しなど店舗運営やマーケティングの改革を地道に続けてきた。
ロイホも11年まで三つに分かれていた地域子会社を1社に統合。商品開発や人材育成の統一を図った。
一方で09年には黒毛和牛と黒豚を使った高価格の「黒×黒ハンバーグ」を投入。その後も12年は低温乾燥熟成パスタやアンガス牛のステーキなど高額メニューの投入を続け、大手のファミレスでは超えられないといわれた客単価1000円の壁を突破し、1100円超の水準となっている。
デニーズも11年から店舗で料理の提供時間の短縮やあいさつ・お辞儀といった接客の基本動作をあらためて徹底させてきた。メニューの見直しにも取り組み、昨年冬にレシピを抜本的に変えたビーフシチューを皮切りに、サーモンハンバーグや生パスタなど次々と高額メニューを投入してきた。
各社が思い切った改革に動いた背景には、株主構成や経営陣の変化がある。
すかいらーくは06年に経営立て直しのため、ファンドと組みMBO(経営陣による自社買収)による株式非公開化を実行。08年には創業者で当時社長だった横川竟氏が業績不振を理由に解任され、後任にはビュッフェレストラン子会社に20年在籍した傍流とも思われた谷氏が就任した。11年には米系ファンドのベインキャピタルが経営権を取得している。
セブン&アイFSの大久保社長はユニクロや成城石井の改革で辣腕を振るった小売業専門の経営者。ロイホを率いる矢崎精二社長はプロパーだが、ロイヤルホールディングスの菊地唯夫社長は日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の出身だ。
業界関係者は「社内にしがらみがなく、従来の業界の常識にとらわれない経営者でなければ、不採算店の大量閉鎖や軸足を既存店のテコ入れに移す改革は行えなかっただろう」と指摘する。
■ 既存店は好調
新メニュー投入などの効果で、各社とも既存店は好調だ。ロイホは12年12月期に16年ぶりに既存店売上高が前期比プラスに転じ、今期に入っても6月まで月次でプラスが続いている。デニーズも13年2月期は前期比0.8%増。3~5月期は前年同期比2.1%増と増収ペースが加速してきた。
非上場のすかいらーくも12年12月期は既存店がプラス。月次数字は公開していないが、好調は続いていると見られる。
ただ、3社の業績は持ち直したとはいえ、営業利益水準は、00年代のピーク時に比べ、すかいらーくが6割程度、セブン&アイFSやロイヤルHDは半分以下の利益水準にすぎない。今後14年、15年には消費増税という関門も待ち構えている。
ファミレス御三家が本格的に再成長軌道に乗れるかどうか。そのためには既存店のさらなる底上げが必須だ。従来以上に、新メニュー投入や店舗での接客改善など、基本の徹底がカギを握る。
(週刊東洋経済2013年7月27日号)-
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