5時55分配信 時事通信

　【ニューヨーク時事】22日のニューヨーク株式相場は、中国や欧州の堅調な経済指標を好感して買われ、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比66．19ドル高の1万4963．74ドルと7営業日ぶりに反発した。
　ハイテク株中心のナスダック総合指数は同38．92ポイント高の3638．71。ナスダック市場に上場する全銘柄が約3時間にわたって取引停止となったため、指数の算出が一時中断したが、再開後は上げ幅を拡大した。
　ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比8380万株減の5億7277万株（暫定値）。
　中国のHSBC製造業購買担当者景況指数（PMI）やユーロ圏の総合PMIが上昇したことを受けて世界的な景気減速に対する懸念がやや後退。欧州株が反発した流れを引き継ぎ、買いが優勢となった。正午すぎにナスダック市場の取引停止が発表されると、警戒感から積極的な売買が手控えられる場面もあったが、相場の地合は終日、底堅かった。米メディアの報道によると、ナスダック市場の取引停止はシステムの不具合が原因とみられる。
　米連邦準備制度理事会（FRB）による量的緩和の早期縮小をめぐる懸念については、かなり織り込まれてきたもよう。市場では、「9月に縮小が始まったとしても、規模はごくわずかにとどまる」（大手証券）との認識が定着しつつあるという。
　ただ、緩和縮小への警戒感が和らいでも、相場のけん引役となる材料は不足気味だ。足元で小売り大手による慎重な業績見通しが相次いでいるため、「『年後半には、連邦政府の強制歳出削減などの影響が薄れ、景気が上向く』という市場の期待が裏切られる可能性がある」（同）との指摘も聞かれた。
　個別銘柄では、ナスダック市場を運営するナスダックOMXグループが3．4％安。さえない決算を発表したカジュアル衣料品大手アバクロンビー・アンド・フィッチは17．7％の急落となった。（了）