ＮＹ株：今はニュース次第で相場の足元より不安定になりやすい

2013/08/28

ＮＹ株は反発。相場が前日に約２ヶ月ぶりの安値となった反動で買いが集まり、相場は３日ぶりに上がった。シリア情勢の緊迫化懸念を背景に原油価格が上昇したことで石油株など素材株が上がり、相場上昇を牽引した。ただ、地政学リスクを巡ってほかのセクターでは積極的な買いを手控え気味。このため、相場の上値は抑えられた。　

相場は取引開始時のもみ合いから間もなくして小じっかりとなり、そのままじりじりと上がった。引けまでプラス圏で推移。ただし、午後の取引中ごろから上昇ペースも鈍化。改めて上向く場面もみながら、買いが限られ、結局、伸び悩んで引けた。　３日ぶりの相場上昇でも、商いも伴わず、このまま買いの流れを維持するのを見込むのは無理だろう。

米国がシリアに軍事介入するのは時間の問題との見方が強く、警戒姿勢を緩めにくい。シリア絡みで原油高、素材株に買いが集まったが、原油価格の上昇が一段と進めばガソリンも上向き、消費支出への影響が懸念される。もちろん、米国などの攻撃により早々にシリア問題解決となるなら、買いに弾みつくだろうが、まずは先行きを見守るしかない。

　また、地政学リスクに気を揉む一方で、景気や金融政策から目を離しにくいのも取引を動かしにくくさせる。明日から来週にかけて注目したい経済指標が目白押し。データに一喜一憂し、金融政策の行方をめぐって売り買い交錯となる可能性が強い。やはり、目先は神経質な取引が中心となろう。本日のように買いが入る場面をみても、長続きしないと覚悟したい。逆に今はニュースによって相場の足元がより不安定になりやすいとみる。　

今日の材料　・　５年債入札、応札倍率は２．３８と前回下回る、利回りは上昇　・　７月住宅販売ペンディング指数は前月から１．２６％の低下、予想下回る　・　ＭＢＡ住宅ローン申請指数は前週から２．４９％低下　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（よそうかい．ｃｏｍ）