7時02分配信 フィスコ

米国政府機関の運営が再開したため、米国労働省はワシントンで22日火曜日に米9月雇用統計を発表することを明らかにした。通常は月の第1週目の金曜日に発表される。10月分は当初の予定から1週間遅れとなる11月8日金曜日に発表予定。米国の労働市場動向を示す米雇用統計は米連邦準備制度理事会（FRB）が実施している資産購入策の行方で鍵を握るとされている。市場の平均予想は失業率7.3％と、8月と同水準。非農業部門雇用者数は前月比18万人増と、4月来の大幅な伸びを示すと期待されている。また、民間部門の雇用者変化数も前月比18.3万人増と5月以来の大幅な伸びが予想されている。

すでに発表済みの米国の大手給与計算アウトソーシング会社であるADP（オートマティック・データ・プロセッシング社）が集計した民間雇用統計の9月分は前月比16.6万人増と、市場予想の18万人増を下回った。8月分も17.6万人増から15.9万人増へ下方修正された。この指標は先行指標の中でも米労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強いとされているため、米9月雇用統計が思ったような雇用の改善を示さないのではないかとの警戒感も浮上している。製造業の雇用にも鈍化が見られる。米国経済の3分の2を消費が占めるが、米供給管理協会（ISM）が発表した9月のサービス業雇用は活動の拡大を示す50を依然上回ったものの5月以来で最低となるなど、先行指標は弱い雇用統計を示唆している。

米FRBが公表した最新の地区連銀経済報告書（ベージュブック）では、成長ペースの鈍化が示されたほか、米国の財政政策や医療保険制度改革の実施に関する不透明感で企業が新規の雇用に慎重となっていることが明らかになった。ただ、楽観的な見方もある。ゴールドマンサックスの米国チーフエコノミストはFRBが12月連邦公開市場委員会（FOMC）で資産購入に踏み切るとの見通しを維持している。また、9月雇用統計では失業率が7.2％まで低下し、雇用も20万人増と比較的楽観的な見方。低調な見方は織り込まれつつあるため、良好な結果は逆に市場にポジティブサプライズとなり、ドルの買い戻しにつながる。

●9月雇用統計先行指標

■米・9月ADP雇用統計：前月比+16.6万人（予想：+18万人、8月：+15.9万人←+17.6万人）

■米ISM製造業景況指数：
雇用：55.4（8月53.3）

■米ISM非製造業景況指数：
雇用：52.7（8月57.0）

■シカゴ購買部協会指数（PMI）
雇用：53.2（8月54.9）

■フィラデルフィア連銀景況指数

◎現況
雇用者数：+10.3（8月+3.5）
週平均就業時間：+12.2（-2.6）

◎6ヶ月見通し
雇用者数：+31.0（+22.3）
週平均就業時間：+16.2（+15.0）

■リッチモンド連銀製造業景況指数

◎現況
雇用者数：-6（8月+6）
週平均就業時間：-4（+8）

◎6ヶ月見通し
雇用者数：+17（+9）
週平均就業時間：+8（+10）

■NY連銀製造業指数

◎現況
雇用者数：7.53（8月10.84）
週平均就業時間：1.08（4.82）

◎6ヶ月先の見通し
雇用者数：+4.30（+8.43）
週平均就業時間：-2.15（-6.02）

■消費者信頼感指数

◎現状
雇用
十分：11.5％（8月11.3％）
不十分：55.8％（55.4％）
困難：32.7％（33.3％）

◎6ヶ月見通し
・雇用
増加：16.9％（17.5％）
減少：19.7％（17.2％）
不変：63.4％（65.3％）
・所得
増加：15.4％（17.5％）
減少：14.6％（13.5％）
不変：70.0％（69.0％）

●市場エコノミスト米9月雇用統計予想

失業率：7.3％（8月：7.3％）
非農業部門雇用者数：前月比+18万人（+16.9万人）
民間部門雇用者数変化：前月比+18.3万人（+15.2万人）

《KO》