10月12日（土）8時47分配信 モーニングスター

　住友精化 <4008> はマーク続行の対象になる。株価はすでに年初来高値圏にあるが、投資尺度面ではＰＥＲ１０倍割れ、ＰＢＲ１．０倍台といまだ割高感はない。東証１部全銘柄の平均値（１０日現在でそれぞれ１６．２５倍、１．３２倍）と比較するまでもなく、むしろ評価不足の感が強い。

　８月６日に発表された１４年３月期第１四半期（１３年４－６月）の連結決算では、本業の儲けを示す営業利益が１９億１９００万円（前年同期比８７．４％増）とＶ字型回復を遂げた。吸水性樹脂部門において、兵庫県・姫路工場での増強設備（１月に稼働開始）が寄与したうえ、円安効果もプラス作用し、収益を押し上げた。

　同時に１３年９月中間期（４－９月）および１４年３月期の業績予想を上方修正した経緯があるが、それでも第１四半期時点での同利益進ちょく率の高さは目を引く。ちなみに、中間期予想の３０億円（前年同期比５１．８％増）に対して６４．０％、通期予想の６３億円（前期比５０．６％増）に対しては３０．５％に達しており、再上方修正への期待が膨らむところだ。

　なお、同社は９月３０日、姫路工場において高吸水性樹脂製造設備を新設する計画を発表した。新設備の稼働は１５年４月予定し、年間の生産能力は約４万トン増の約２１万トンに引き上げられる。業容拡大に向けた新たな取り組みも注目されよう。

提供：モーニングスター社