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  • from: eriyaさん

    2014年02月24日 00時07分21秒

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    鈴木一之氏の相場展望

    【市況】【鈴木一之の相場展望】

    「予想が立った時点で悪材料は織り込まれる」

    ●火種が残る新興国リスク

    ソチ冬季五輪の熱戦が繰り広げられている。世界のトップ選手との戦いにものびのびと競い合ってメダルを獲得した選手の晴れやかな笑顔。それもよいものだが、周囲の期待ほどには成績が伸びずメダルに届かなかった選手の無念、悔し涙。敗者の弁もまた感じ入るものがある。

    トップアスリートと言えども4年間の集大成にはメンタルの部分が大きく、敵は周囲にいるばかりではなく自分の中にも潜んでいることがよくわかる。

    現在の株式市場は、週間ベースで見て年明けからまだ1度もプラスを記録していない(2月20日現在)。6週連続でマイナスのままだ。今週は火曜日に日銀が金融政策決定会合において、金融機関に対して「貸出支援制度」の拡充を決定したことから株価が1日だけ大きく上昇し、木曜日の時点で前週末の終値をまだ130円ほど上回っている。金曜日の値動き次第では初めてプラスに転じる可能性もあるが、それにしても足腰の弱い値動きが続いている。

    1月後半からの株価急落を招いたアルゼンチンやトルコの通貨下落、新興国リスクはその後、表立っては表面化していないが、水面下ではまだ火種は残されている。

    今週もタイのバンコクやウクライナのキエフでは、大規模なデモ隊を鎮圧するための武力行使が平然と行われ、国際社会は息を呑む思いで事態の推移を見守っている。

    今はまだ限定的な地域の政治混迷にとどまっているが、これがいつ、どのようなきっかけでマーケットに影響を及ぼすことになるのか予断を許さない。

    ●悲観蔓延は市況好転への第一歩

    リスクは想像もつかないところからやってくる。予想し得るリスクは、予想できた時点でリスクではなくなる。

    危険が迫っている時、普通の人なら何らかの形で防衛手段を講じる。地震や火事に備えるように、マーケット参加者であればオプションの購入などでヘッジの手段を見出す。

    予想し得るリスクには対処のしようがあるが、予想もしないところからやってくるリスクには対処できない。

    アルゼンチン・ペソの急落に端を発した1月下旬からの世界的な金融市場の混乱は、予想外のところからやってきた。誰も事前の予想がつかなかった証拠に、投資家は一斉にリスク回避に動き、ポジションを縮小したため株価は急落し、VIX指数は跳ね上がった。金市況も今年に入って一貫して上昇を続けており、米国の足元のマクロ経済統計がぱっとしないにもかかわらず、原油や農産物などの資源エネルギー価格は久々に大きく動意づいている。

    人々が事前に予想して大騒ぎしているリスクは、実際には本当の意味でもはやリスクではなく、真のリスクは事前には誰にも予想できないところから忍び寄るようにして襲来する。

    それが真実であるならば「リスクが見当たらない」と言われている時が、実はマーケットにとって最も危険な局面ということになる。楽観論が広まった昨年暮れのマーケットの雰囲気がそれにかなり近い状況だった、ということが今になってわかる。

    月並みな結論で恐縮だが、楽観しか見当たらない時は、その事実がそのまま危機的状況であるということだ。それならば現在のように、悲観的な見方が蔓延しつつある状況では、すでにかなりのネガティブな部分が予想され織り込まれつつあることにもなる。それはすなわち市況好転への第一歩ということになるはずだ。

    決算集計がほぼ出揃った。第3四半期における進捗率の高いローム <6963> 、アシックス <7936> 、矢作建 <1870> 、エンジャパン <4849> [JQ]、そしてソフトバンク <9984> に注目している。

    2014年2月20日 記

    (「チャートブック週足集」No.1962り転載)
    (「株探」編集部)

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    しほ

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