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from: りんごさん
2010年11月15日 22時39分30秒
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夏の終わりに その2
ホテルを出て高速に乗ると 三浦半島まで
BMWを飛ばした。
10時集合の約束より すこし遅れて ヨットの持ち主が来た
知り合いが『こちら 昔○○にいた、旧姓○○さんです」
と紹介してくれた おかげで 話しがスムーズに進んだ
感じだった
『二十年前 ○○のところでお世話になってそのあと
○○さんのところに お世話になりまして....』
と私が言う前に
『あ〜 ○○さんね 覚えているよ。』
と私の旧姓をいった。
ちょっと変わった名前だったので 覚えていてくれたのかもしれない。
自己紹介はそれで なんなく クリアーした。
『ここの二階で着替えて 集合は ここで。 じゃあ
今日はよろしくね』といわれ
それから まもなく 他メンバーも 各各から 集まってきた
この集まりをとりしきる 某先輩に 挨拶をすると
すべての 自己紹介は すべて クリアーした
あとは ヨットをだし 船に乗り込むだけだ。
ヨットは中古で600万
新船だと1000万から2000万かかるという
船をここに 置かしてもらうだけで
年間90万円
ほか 維持費を考えたら かなりお金のかかる趣味だ
好きじゃないと 出来ない趣味だよ
とほかの持ち主がいった。
確かにそうだ....
セレブとはいわないまでも ちょいと 余裕が
ある家でないと 出来ない 大人の遊びだ と思った
港では自分たちのヨットに乗り込もうとしている人たちが
たくさんいた。
隣からは
『今日は エイティーンが メインだから...』
などと 声がした
18歳で 趣味がヨットか.... なんだか やっぱり 普通とは
ちょっと違うな....などとおもった。
世間知らずは 私の方なのか.......?
クレーンで船を船着き場におろすと
ヨットに荷物を入れた
食べ物とアルコールと大きな浮き輪....
ここから20キロさきまで この船で クルージングをし
船の上で 飲み食いをし
岸から少し離れたところで 海水浴をするというのが いつもの
遊びらしい....
すべて乗り込み用意がおわると
船は 岸を離れた
三浦半島というところは 穴場のスポットがいくつも
あるらしく ビキニで釣りをする女性なども 見えて
ここはなんだか 日本じゃないような気がした
太平洋に向かって、ビキニで釣りをする女性なんて
たくましくてなんだか 素敵だ。と思った。
船着き場を無事に通り過ぎると
集まった 人間は 口々に 昔の職場の話しを始めた
あいつはどーだった こーだった
などという話しから 会社のなかの派閥
懲戒免職された人のはなし
役員関係者の降格の話しや
世間を騒がした 一連の出来事の話し.....
もちろん 皆メンバーは仲が良かったから
テニス合宿や 他 イベントの 集まりの時の話し
話せば 盛り上がり....
話しは しばらくすると
自分たちの次の職場の話しや
会社を起こし独立したものは、必要な ビジネスパートナー
が何処かにいないか....
こういう人間が 必要なんだけど.....と
人脈を探し.....
とくに なにか きまったり 決めたりすることも
ないうちに
ヨットは 岸から すでに20キロ離れた 海上にいた
海上保安庁の船が 横を 通り過ぎた....
ヨットが風にのり 勢いよく走りだした。ヨットに寝転ぶと
波に大きく揺れる感じが男の腕の中にいるような安心感に
包まれた感じを思い起こさせ エンジンの小刻みな音はベッドの上で愛され刺激され感じた、あの感覚に似ていた。
私はヨットに海に抱かれているようで
しばらく、その心地良い 刺激に まどろんだ
そして ほんの少しの間、深い眠りについた。
今朝方愛された心地よさを思い出した もう一度抱かれたい.....
ヨットは風にふかれ かなり揺れるようになった....
私が ヨットに 酔ったというと
『しばらく 指示するから ヨットを動かしてみたら』
といい
『 あそこの 船めざして 舵取りしてみて』
といわれ しばらく 船を動かさせてもらった。
『きみ なかなか 筋がいいよ』
と言われるころには
船酔いも ほぼ治まり 船は 風を背にして
海を勢いよく 走りだした 風が気持ち良かった。
船は 二週すると
海水浴をする 場所に移動した
水深4メートルの 浅瀬に 船をおろすと
皆 それぞれに 海に飛びこみ
それぞれが 海に 浮かび しばらく 癒された
なんて 気持ちがいいのだろう。
海のみずは 冷たくなく
時々足を バタバタ させると すこしだけ 冷たい水が
感じられる程度だった。
足のつかない場所での 海水浴ははじめてだった
海は透明で日の光に照らされて キラキラ 輝いていた
子供の頃に 上る太陽が....沈む太陽が あんなにも奇麗だと
感動したように、水面に反射する光にまだ 感動できる
自分がいることに、安堵した。
海はまるで ゆりかごのようだった。。。。
しばらくすると 買い出し班が岸まで泳いでいき
アルコールを買いに行った
30分して買い出し班が戻ってきて
ちょいと宴会になった
大人の大人の為の夏。
みんな 口々に このイベントがないと 夏が終わった気が
しないといった。
子育ても大事だが こういう 癒しも 熟された大人たちには
必要なのだと おもった。
十二指腸の潰瘍は消えたように 思えた。
クルーズの予定が3時だったが 予定の時間はとっくにすぎ
日差しも西に傾いてきた
もういちど海に入ると 皆が海を惜しむかのように海にはいり
しばらくすると
そろそろ 戻ろうと 船長がいった(笑)
三崎マリーナまで 帰る船
エンジンの音が 身体に ここちよく 響いた
クルージングが終わり メンバーと 挨拶をすると
船の持ち主が 近くの駅まで 送ってくれと いった。
彼は船上でかなり 飲んでいたので
陸に上がると、コンクリートに 横になり しばらくの間
起きられなかった。
何度か 名前を呼び 身体を ゆすると私だけが 視界に
入ってきたのか、わたしの 膝をさわり 甘えてきた
元上司も 顔を 覗き込んだので 彼は我にかえったようだった
すこし バツの悪い空気だった
私は なんだか おかしくて笑った
船の上でも 足を時折 重ねてきたり
ちょっと絡ませてきたり
朝方の絡みのように 私の腕を噛んだりして じゃれついてきた
のを 思い出した
もう一度彼に抱かれたい...言葉にできない.......
駐車場で再びメンバーで
最後の お疲れさまの挨拶をすると
それぞれの車に乗った
私たちの車はもと上司を含めた3人で帰ることになった。
上司は 時折見せてしまった 二人のいちゃついているのを
察知していたようで
車に乗り込むときに
『僕は 早く降りるから 後部座席でいいよ 』
といったが
前に乗ってもらった
後部座席は二人の居心地がよいように かなりスペースを
とっていたので
いざ乗ろうとすると かなり 狭かった
近くの駅で上司をおろすと
彼が前にきてよ
といった。
私たちの車は 新横浜の駅へと 向かって 走った.....
帰り際いろんな話をした
彼が職場をかわるとき それを 上司に伝えたのは
出張帰りのファーストの席での事で
二人は酒を浴びるくらい 飲んで...
最後は 上司が了解してくれた事。
送別会での別れの言葉に 男泣きしてくれた上司のこと
新しい職場で、おもわぬ大病がみつかり 手術したこと。
最初の検査ではなんでもないと医者にいわれたが、直属の上司が
もう一度別の病院に言ってこい といってそこで脳血栓がみつかったこと。
彼がその上司を命の恩人だと思っていること
当時彼には つきあってい彼女がいて 嫁は手術当日は立ち会ったものの その後の看病は 彼の彼女が毎日見舞いにきた事
実は彼には ほかにも彼女がいて 後の二人は 一週間に二回の
訪問と病院に入院中3回のお見舞いの二人がいたこと
など
ありとあらゆる話をきいた
わたしは彼にどんだけ彼女がいようと 彼の事が好きで
それをそのまま 抱え込むことができる
そういう人だから...
知っているから....
許すとか 許さないとか そんなのなくて...
また....言える立場でもなくて.....
それを総括しても 愛しいかわいい男だと思うから...
だから それで よくって....
だから...No problem......
ほんとにいい夏のおわり......
新横浜までの 道のりは 快調で 混む事もなく
あっというまに ついてしまった
帰り道....
『こんな楽しいイベントって他にないだろ?
皆、かなりセレブだったり 金持ちだったりするけど
それ抜きにしても ほんとに いい人たちだよな
俺ああいう人って好きなんだ』
といった。
ほんとに 人に不快感を与えないで いられる人たちだった
特別気をつかっているようには 感じられないが
周りのものは かなり リラックスできる
育ちのよさは 十分に 感じられた。
世の中色々な人がいるが すなおに 一生おつきあいできるので
あれば 仲間に入れて頂きたい ひとだと 思った
あと15分もすれば 新横浜だよ
と言われたので
私は
後部座席の荷物を引き寄せると 降りる準備をした
そして...
車を降りる瞬間...唇が重なった
ほんの 数秒の出来事だが 求めた。朝方求めたときと 同じように......
一瞬....一時でも 愛していることには 変わりない......
今だけ......そう .......この 瞬間だけだ......
そして 車から降りると 手を振りかえした
車のクラクションがなった...
これで 大人の夏が終わった。。。。
★END★
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