【旅の空へ】




風薫る朝

透き通る空気を

胸一杯に吸い込み

この大地を駆ける


春の陽気に

心は弾み

魂が躍り出す


「俺もこの大地の一部なのだ」


草も花も木々も

大地からのエナジーで

みな息づいている



「いつか土に返る

その日まで

この大地に

二本の脚で

しかと立ち

世界の果てまで

駆け抜けてみよ」



天の言葉は

風に乗り

雲が運んできてくれる



光り輝く山々を背に

峠を越え川を渡り

地平線を追いかける



柔らかな光が風に舞う

雲は途切れ途切れに

風とともに流されて



心地よい気だるさ

草原に寝転がって

光と雲と風が

織り成すドラマを

飽きることなく

見続けていた



故郷から届いた

風の便りは

ほんのり土の薫りがした



今再び

旅の空へ



(Illustration "No Running No Life" by kay)

* KAY'S BLOG「ダックス礼賛」

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