【デジャヴ】





過ぎ行く風景のデジャヴ

いつか見たはずの

あの景色



同じ場面が

何度も

リプレイされるかのように

自分のまぶたの裏で

延々と繰り返されていく



いつどこでかは

思い出せないけれど

確かに

記憶の片隅にとどまっていて

私の心を

激しく揺さぶり始める



あるいはそれは

私の前世の記憶

私が私である以前に

私のＤＮＡに刻まれたデータ



誰かが私を

じっと見つめる視線が

私の背中に突き刺さる



私はじっと

宙を見つめながら

その視線が

自分自身のものであるということも

ずっと気づかぬままに

茫然と

ただ立ち尽くす



過ぎ行く風景のデジャヴ

私だけを

時間の狭間に

置き去りにして…



(Illustration "Dejavu" by kay)



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