【Morning Tranquility】





朝のゆったりと流れる時間

心の安らぎを保つために

カフェでくつろぐひと時



店を出る時に

街角でふと見かけた

ジョギングの少女

まるでステージで舞い続ける

ダンサーのステップのように

通りを駆け抜けていく



カモシカのような細い脚で

地面を蹴って

小気味良いリズムで

白い吐息を吐きながら

セントラルパークの入り口へと

向かっていった



小さな頭の後ろで

揺れている

ブロンドのポニーテール



あどけない表情

でもその走りは

シリアスランナーそのもの



ふと胸がときめかされた

時間にして２０秒ほど

わずか一瞬の

叶わぬ恋だった



(Illustration "Morning Tranquility" by kay)