サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
from: yumiさん
2012年05月17日 11時35分54秒
icon
二周年記念小説『生きる』
『始まり』全ての記憶の中から「私」という者がなくなればいいのに…私はどうしようもないほど自分と言うものを見失っている生きている理由(いみ)が分からない
『始まり』
全ての記憶の中から「私」という者がなくなればいいのに…
私はどうしようもないほど自分と言うものを見失っている
生きている理由(いみ)が分からない
何で生きているのだろう?
ただ呼吸をして
ただ栄養を取って
ただ睡眠を取る
毎日、毎日同じ事の繰り返し
それは本当に生きていると言えるのだろうか?
自問自答しても、その答えは分からない
そう、分からないが答え…
私は自分の存在意義が分からなくなっていた
自分と言うものを見失っている
そして、そんな私にある出来事(転機)が訪れた
-
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。 - 3
-
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。 - 0
icon拍手者リスト
from: yumiさん
2012年05月31日 14時47分17秒
icon
「二周年記念小説『生きる』」
『過去』
気づいたら私は変な場所にいた。
「ここ…。」
見覚えの無い荒地、そして、襤褸を纏った人たちが寝転がっている。
「……。」
私はそっと倒れる人に話しかけようとかがんでみた。
「――っ!」
倒れる人は虚空を見ていた。そう、息をしていないのだ。
私は驚いて後ずさると、私の耳に微かな泣き声が聞こえた。
ゆっくりと振り返ると自分や先ほど見た少年よりもずっと小さな幼女が女性を揺さぶっている。
「お母ちゃん…お母ちゃん。」
幼女は涙をたたえながら母親と思わしき女性を揺さぶるが、女性はもう亡くなっているのかピクリとも動かない。
「何なのよ。」
「ここはお前の時代よりもずっと昔だよ。」
少年の声がして振り返ると少年は悼むような顔をしていた。
「悲しいよな。生きたいのに。生きられない。」
「…なんでこうなっているの。」
「飢饉や疫病、色んなもんがここで起こった。そして、人はなすすべもなく死んでいった。」
「……。」
私は吐き気を覚えた。だけど、ここで無様にもどすのは嫌だった。
「お前は生きているのに、生きたいと思っていない。何でだ?」
「そんなの、私の勝手じゃない。」
私がそう返すと少年は思いっきり嫌悪の顔をした。
「勝手だと?生きたいのに、生きれない人間だっているんだ。ここにいるやつらを見ろよ。」
少年は怒気の含んだ声音でそう言った。
私は渋々周りを見渡すと、死人は全員やせ細っている。
「食うものがない。病とかにかかり食えない。色んな理由があった。だけど、人は栄養を取らなければ死んでしまう。そして、病で命を落とす。」
「……。」
「お前はこんな必死で生きようとしているたちをみても、まだ、自分はただ生きているだけだと思っているのか?」
「だって…。」
「お前は知らず知らずの間に多くの命を貰っているんだぞ。」
「ただの綺麗ごとじゃないっ!」
私は自分が責められているようで嫌だった。
「何よ、貴方は私を説教するためにこんな場所につれてきたのっ!そんなの迷惑よ。」
「………………仕方ねぇ。」
少年は虚空に手を伸ばし、そこから杖を取り出す。
「何…打つ気?」
少年は無言のままそれを私に振り下ろそうとして、私は思わず、目を硬く瞑った。
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
閉じる
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
閉じる
icon拍手者リスト