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弥生の河に言の葉が流れる

弥生の河に言の葉が流れる>掲示板

公開 メンバー数:7人

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  • from: yumiさん

    2010年08月31日 11時44分02秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・10・

    「うあああぁぁぁぁ………。」

     分かっていた、分かっていたけど、胸がはち切れんばかりに痛む。

    「あああああぁぁぁ……。」

     声を上げ泣く友梨(ゆうり)の姿は実年齢よりも幼い、まるで、迷子の幼子のように見えた。

    「……ほんと…に…ばか…だ。」

     勇真(ゆうま)に「ありがとう」と言った時は少し無理をしたが、それでも、ここまで胸を痛めなかった。

    「ばか…だよ…ぅ……。」

     雨が友梨を包み込む。
     雨粒は本来なら冷たかったが、今の友梨には何も感じなかった。

    「……ここには…いられ…ないよぅ……。」

     友梨はゆっくりとおぼつかない足取りで歩き出した。
     ただ、何も考えず、足だけを動かす。

    「……私……勇真さんの…前で…絶対に…笑えない……。」

     見覚えのある景色から遠のきたくて、友梨は雨の中ただ一人進んだ。
     日が隠れているからか、薄暗く、雨が視界を奪うが、今は幸いにも道路の真ん中を歩いても車がないので、轢かれる心配は無かった。

    「………。」

     友梨は俯き、ただゆっくりとした歩みで前に進み続ける。
     何も考えていない友梨が今分かっているのは二つあり、一つは勇真の家とは反対の方向に進んでいるという事、もう一つは当分の間は誰も自分を捜しに来ないという事を――。
     何故なら、今勇真は自分の言葉を信じている、それに、勇真が探しに来てもどの言葉を言えばいいのか分からないから、きっと自分が探しに来ても意味がないという事。
     智里(ちさと)は頭を冷やせば、戻ってくると思い、探しに来ない。
     美波(みなみ)はきっと智里に止められる、美波が言っても意味がないのよ。とか、そんな近い言葉を言うだろう。
     涼太(りょうた)は傷がまだ癒えていない、それなのに、外に出る訳もないし、間違いなく美波が泣かない限り友梨を探しに来る訳がない。
     昌獅(まさし)、彼は前に嫌いだと言われた、だから、そんな嫌いな友梨を探しに来る訳がない、と彼女は思い込んでいる。
     だから、彼女は知らない、勇真が帰って、そして、それを智里と昌獅に話して、どうなったかなんかを――。
     友梨はただ歩く。
     雨は友梨を凍えさせる、身も、心も……。
     彼女を暖める事ができるのは…誰だろうか……。

    〜つづく〜
    あとがき:はあ、やっとここまで来た〜。次は主にまさくん(昌獅)中心です。ああ、楽しみだ。

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  • from: yumiさん

    2010年08月30日 11時23分45秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・9・

     走り出したあの後、おれの携帯に連絡が入った…。
     そして、彼女が病院に運ばれた事を知った。
     だが…、全ては遅かった……。
     彼女が病院に運ばれた時にはもう虫の息…、おれが着いた時に彼女は力尽きた……。



    「………ひっく…。」
    「……。」

     話し終わった勇真(ゆうま)は涙を零す友梨(ゆうり)を見詰め、悲しげに微笑んだ。

    「おれは、今もおれを許さないし、許す気もないんだ。」
    「……。」
    「だから、もう好きになる人はいなくてもいい、おれにはナツがいたから…。」
    「……悲しすぎるよ…。」
    「友梨ちゃん?」

     友梨は涙を拭い、顔を上げた。

    「奈津美(なつみ)さんはそんな事を望んでいないよ…。」
    「……そうかもしれないな。」
    「私が奈津美さんの立場ならきっと、ああ、しくったな…。と思うもん…。」

     確かに奈津美が言いそうだと勇真がそう思うが、それでも、彼は自身を恨み続ける。

    「それに、残していった人が気になると思うの…、だって、大好きだから…、好きだから…、その人たちには幸せになって欲しい、必要なら忘れられても良いの。ただ、幸せになってくれるんなら…。」
    「友梨ちゃん…。」
    「お願い、奈津美さんの事を思うんだったら、自分を責めるのを止めて。」
    「……出来ないよ。」

     硬い声音に友梨はまるで鋼の如き硬さを持つ氷を思い浮かべた。
     何かの方法を使えば氷は溶かされるが、友梨自身では無理だと悟った。

    「………勇真さん…。」
    「……。」
    「私は貴方に幸せになって欲しい。」
    「……。」
    「だって、私は貴方が好きだもの……あっ…。」

     ずっと胸に秘めた思いを友梨は弾みで言ってしまった。

    「……。」

     勇真は瞠目している。

    「……勇真さん。」

     友梨は意を決して、己の心を告げる。

    「私は貴方が好きです……。だから、貴方が苦しんでいるのを見てると辛いんです。」

     淡く微笑むが、友梨はどこか泣き出しそうな表情だった。

    「自分の気持ちを押し付けているだけだとは、分かっています。でも、そんな事をしても誰も喜ばないし、自分を傷つけるだけで、ただ痛いだけです。」
    「……友梨ちゃん。」
    「…勇真さん。」
    「ごめん、君の気持ちには応えられない。」

     友梨はこの答えを知っていた、だから、涙を必死で堪える。

    「おれは、君を好きだよ。だけど、それは恋慕じゃない、仲間としての友愛だ。」

     はっきりとそう告げる勇真はどこか凛としていて、友梨はそれだけで十分に思えた。

    「ありがとうございます。」

     友梨は自分でも驚くほど優しい笑みを浮かべる。

    「答えは始めから分かっていましたが、こうして、答えてくださって本当にありがとうございます。」

     友梨は頭を下げ、そして、穏やかな表情をする。

    「勇真さん、よければ、先に戻ってくれますか?」
    「友梨ちゃん。」
    「ほんの少しですが、心の整理をしてから戻りたいんです。多分智里(ちさと)には気付かれてしまうと思うから、だから、ほんの少しだけ。」
    「分かった、……雨が降りそうだから、早く帰ってきてね。」
    「はい。」

     友梨は笑みを浮かべ、そのまま勇真の背中を見送った。
     勇真の背中が見えなくなった頃になり、友梨の頬に一粒の涙が零れ落ちた。

    〜つづく〜
    あとがき:あ〜、予定通りゆうちゃん(友梨)失恋しました…。話の内容としてはとても重要なのに、なんか、さっさと昌獅出て来いっ!などと思っている……私…。温度差を感じるよ〜…。
    これよりは、先日書いていたナツさんの死に方案です。
    ナツさんの死に方その2:待ち合わせの喫茶店にトラックか何かが突っ込んでくる。第三の案(今回載せた話)を思い浮かばなければ、これが一番有力でした。これじゃあっけないから、正直どうしようかと思っていました。

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  • from: yumiさん

    2010年08月29日 14時22分48秒

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    「お嬢様の危険な日常・執事の憂鬱」
    ・4・

    「頼むっ!」
    「……。」
    「……あのな、リョウタ…。」

     両の手を合わせ、本気で頼み込むリョウタにマサシとユーマは呆れの表情を作った。

    「駄目に決まっているだろうが……。」
    「…オレだって、分かっているけど…。」

     リョウタだって分かっているのだ、いくらミナミの頼みとはいえ、ただの執事が仕えているお嬢様を無断で外に出す訳にはいけないのだ。

    「……だからこそ、マサシとユーマに頼んでんだよ……。」
    「……。」
    「……。」

     マサシは呆れきった口調でこう言った。

    「諦めろ。」
    「出来るわけねえだろ。」
    「……本当にお前要領悪いな。」

     マサシは髪を掻き上げ、溜息を一つ吐く。

    「お前なミナミお嬢様が外に出たらどうなるのか分からないのか?」
    「……。」
    「絶対迷子になる、はたまた誘拐、まあ、まだ軽くてナンパだな。」
    「……。」
    「お前はそれで良いのか?」
    「……よくねえに決まってる。」

     声を押し殺してそう言うリョウタにマサシは肩を竦める。

    「俺は知らない、やるんだったら勝手にやれ。」

     身を翻すマサシにリョウタは悲痛の声を上げるが、マサシはその声を無視する。

    「……本当に面倒しか持ちこまねえな。」
    「何が?」
    「お前んとこの妹とその専属執事。」
    「あはは…、そりゃミナミだもん。」
    「まあ、そうだけ――。」

     早足で先へさきへと行くマサシはようやく自分が誰かと会話している事に気付き、勢いよく振り返るとニッコリと微笑むユウリの姿があった。

    「お、お前。」
    「あら、お茶の時間に入ったのに私の執事さんが来ないから、迎えに来たの。」
    「……お前の妹その1は?」
    「快く許可を貰ったわ、あの子の執事さんも来なかったからね。」
    「……悪い。」

     珍しく素直に謝るマサシにユウリは満面の笑みを浮かべる。

    「別にいいわよ。だけど、ユーマさんはどうしよう。」
    「大丈夫だろ、あいつなら気付くさ。」
    「……本当に?」
    「本当。」

     そう答えるのと同時に先程マサシがいた部屋からやや表情を強張らせたユーマとかなり焦った表情をしているリョウタが飛び出した。

    「な?」
    「本当だ……。」
    「お前何処まで聞いてたんだ?」
    「何の事?」
    「惚けるんじゃない。」

     マサシが一睨みすれば、ユウリは降参というように両手を挙げた。

    「ミナミがリョウタくんに無茶を言った事。」
    「呆れたな。」
    「そう言わないでよ、私だって中に入るタイミングを計っていたら立ち聞きしてしまったんだもの。」
    「本当かよ。」

     呆れ果てた声音を出すマサシにユウリは微かに顔を顰めた。

    「あら、本当じゃなかったらなんな訳?言っておくけど、私なんかの気配が読めないなんて気が緩みすぎじゃない。」
    「――っ!」

     図星を指されたマサシは息を詰まらせた。

    「………よかったわね、それに気付いたのが私だけで、もし、チサトだったら間違いなく解雇宣言されているよ。」
    「……冗談じゃすまないもんな。」
    「あら、冗談じゃなく、あの子の場合は本気よ?」
    「……。」

     さらりと答えるユウリにマサシは微かに顔を強張らせた。

    「でも、私がさせないわよ。」
    「……ユウリ。」
    「だって、約束したじゃない、ずっと側に居る、って。」
    「ああ。」

     ユウリは目を細め、嬉しそうに微笑んだ。

    「マサシ、本当にずっと側に居てね。」
    「お前が嫌だと言っても、俺は放す気はないけどな。」
    「うん。知ってる。」
    「なあ、ユウリ。」
    「……あっ、どうだ……。」

     ユウリは唐突に掌を合わせ、何かを思い出したのか、満面の笑みを浮かべるが、マサシはその笑みを見た途端嫌な予感がした。

    「リョウタくんにミナミを連れ出す許可を出してあげる。」
    「………………なっ!」

     理解するのにかなり時間のかかったマサシに、ユウリは本当に天使のような笑みでこう言った。

    「ミナミのドレスを購入したいから、そのついで、それにそろそろお外に出さないとあの子黙って出て行きそうだものね。うん、チサトに言ってこないとっ!」

     パタパタと走り出すユウリの後姿を見て、マサシは手を伸ばすが、残念ながら彼女を捕まえる事は出来なかった。

    「……おい…。」

     怒気を含んだ声音と、瞳はもう姿ないユウリに向けられ、そして、内心ではこんな事を持ち込んだリョウタにどんな仕打ちをしてやるか考え始めていた。

    「絶対に…俺の大切な時間を奪った報いを受けろよな……。」

     この時、リョウタは冷たいほどの殺気を感じ思わず、体を強張らせ、ミナミに不審に思われたが、その事はマサシは知らない。

    「………さっさとミナミやチサトが嫁に行けば、こんな悩みを抱えなくてもすむのか…いや、それはないな……。俺とユウリがくっ付いても同じだな……。」

     ぶっ飛んだ事を考えるマサシだったが、それは仕方がないだろう、毎回、毎回、ユウリが妹関連で自分から言い雰囲気を壊して、さっさと去っていくのだから、いい加減マサシの限度を超えかけているが、それでも、彼女を思っているからか、何とか居間まで持っている。
     まあ、その分の腹いせにリョウタが苛められているのは…、当然といえば、当然なのかもしれない…。

    あとがき:前回の内容を引っ張りました〜。ああ、こうやって事態がややこしくなっていくんだろうな〜。
    うん、次はユーマさんだけど、少し形式が変わります。(といっても、拍手がないと載せないけど…)

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    マナ

  • from: yumiさん

    2010年08月29日 14時17分05秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・8・

    「きゃあああ……。」

     悲鳴が奈津美(なつみ)の耳に入るが、その声は酷く遠く感じた。

    「この女みたいになりたくなかったら、金を出せっ!」
    「……。」

     体が大きく傾ぎ、地面にうつ伏す。
     視界に真っ赤な血が自分の体の下から流れるのを見た。
     ああ、わたしは死んでしまうのだ、と奈津美は他人事のように思った。
     自分の視界は既に歪み、もう何も見えない。
     声が、音が遠くなる。
     感覚が鈍くなり、何も感じない。
     不思議と怖くは無かった、ただ暑くも寒くも無い空間を漂いながらも、二人の男の子の姿を思い起こす。

     昌獅(まさし)
     勇真(ゆうま)
     ごめんね……。
     ごめんね……。



    ――勇真…。

    「……?」

     勇真は奈津美に呼ばれた気がして振り返るが、当たり前だが、彼女の姿などなかった。

    「……三村(みむら)、どうかした?」
    「いえ…気のせいです。」
    「そう?」

     先輩はまだ何か言いたげだったが、話を逸らす。

    「そういえば、彼女とデートだっけ?悪い事したかな?」
    「そう思うんだったら、おれを呼び出すの止めてくださいよ。」
    「なんで?」
    「……。」

     勇真は思わず荷物をわざと落としてやろうかと物騒な事を考える。

    「おれが彼女に振られたら先輩の所為ですよ。」
    「ははは…、それは責任取ってあげよう。」
    「……やっぱりいりません。」
    「そんな即答するほどの事?」
    「はい。」

     勇真は珍しく眉間に皺を寄せ、携帯を取り出す。

    「彼女に電話?」
    「悪いですか。」
    「……別に。」

     鋭く睨む勇真に先輩はややたじろいだ。

    「………。」

     勇真は耳に携帯を押し当て、彼女を呼び出すが、いくら経って彼女に繋がらない。
     胸に薄暗い影が差し、勇真は嫌な予感と共に先輩に荷物を預けた。

    「なっ、三村?」
    「すみませんが、おれは行きますっ!!」

     勇真は言うのと同時に駆け出し、先輩は彼に向かって叫ぶが、彼の耳には入ってこない。彼が今思うのは奈津美だけ。
     彼女を思うと凍りつくような寒さを覚える。

    「どうか…何も起こっていないでくれ……。」

     そう勇真は願うが…、それは決して叶わなかった……。
     そして、いつも…いつも…この事を思い起こす度に後悔する…。

     どうして、あの時先輩についていったのか。
     どうして、あの時待っとくように言わなかったのか。
     どうして、あの時誘ってしまったのか。
     どうして、どうしてなんだ……。

    〜つづく〜
    あとがき:予告通り、昨日は載せられませんでした〜…、あはは…。
    これよりは、先日書いていたナツさんの死に方案です。
    ナツさんの死に方その1:勇真さんと一緒にツーリングをして、そして事故に遭ってしまい。勇真も重傷を負うが、生き残り、奈津美だけが死ぬという設定でしたが、どうも、すっきりとしなかったですし、自分としてはいまいちだったので止めました。

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  • from: yumiさん

    2010年08月27日 13時58分40秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・7・

    「う〜ん、いい本がないな。」

     目当ての本は既に売り切られてしまったのか、いくら探しても無く奈津美(なつみ)は小さく肩を落とした。

    「ああ、ついてないな〜。」

     彼氏には待たされ、欲しい本は無くなったが、これから起こる事件に比べれば、そんな事はかなりマシな事だった。

    「……!」
    「……!!」
    「……っ!」

     店内――奈津美がいるのは二階で、下の階が急に騒がしくなり、奈津美は怪訝に思い、下の階へと降りた。

    「金を出せっ!」
    「その女性を放せっ!」
    「早くしろっ!この女がどうなっても良いのかっ!?」
    「きゃああ……。」

     奈津美はその光景を見て、うんざりとした。
     柄の悪そうな男がまだ若い――といっても奈津美よりもどう見ても年上そうな女性の喉下にナイフを押し付けている。

    「………あんた何をやってるのよ。」

     奈津美は呆れたように言った。

    「何だてめえは。」
    「わたしなんかより、その人を放したらどう?」
    「お前なんかに指図されるいわれはねえ。」
    「確かにないわね、でも、人質ならわたしがなるわよ。」
    「はあっ!」

     唐突に変な事を言う少女に男は呆気に取られた表情をし、周りも息を呑む。

    「泣いている女性を人質にとっても逃げる時に足手まといになるわよ。」
    「……。」
    「その点肝が据わっているわたしなら大丈夫だと思うけど?」
    「…分かった、だが、変なまねをすると殺すぞ。」
    「わたしだって、命は惜しいわよ。」

     くすくすと笑う奈津美はどこか場違いだった。

    「………大丈夫よ。」

     奈津美は先程人質になっていた女性の肩に手を置き、ニッコリと微笑んだ。

    「あ、あの…。」
    「何?」
    「ありがとう、ございます…。」
    「うん。」

     奈津美は女性に微笑みかけながらも、その目はどこか凛とした光を宿し、戦士のような目をしていた。

    「……。」

     奈津美は両腕を男に取られ、男の力量を測りとる。

    (こいつ…弟よりも、弱いわね…。)

     奈津美はほくそ笑むが、すぐに気を引き締める。

    (さて、どうにかして、他の人たちも守りながらこいつを捕らえないと……。)

     奈津美は一瞬の勝機を逃さないためにも、気を張り詰めた。
     幼い頃から武術を弟と共にやっていた奈津美は有段者だった。
     それを知るのはこの場には誰もいない。
     だが、そのうぬぼれが彼女の命を失うとは誰も予想はしていなかった。
     そして、奈津美は勝機だと思った一瞬の隙をつき、男の腕から逃れた。だが、彼女に誤算があった。
     彼女はすぐさま男に攻撃しようとするが、そこに小さな少年が奈津美の攻撃範囲に入り込み、慌てて彼女は攻撃を止めた。
     それが、彼女の敗因になる。
     男は奈津美の攻撃に気付き、そして、真紅の花弁が空を舞った。

    〜つづく〜
    あとがき:ナツさん(奈津美)男らしいです…(泣)。絶対ゆうさん(勇真)やまさくん(昌獅)よりも強いです…。
    明日は私用で載せる事が出来ないかもしれませんね…、申し訳ありませんが、お嬢様パロは日曜日になるかもしれません。

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  • from: yumiさん

    2010年08月26日 14時34分45秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・6・

     あの日まではおれも、ナツも幸せだった…。
     ただ、彼女は弟の闇を抱えていたが、それでも、おれはそれを全て受け止められると思った、だけど……。
     そんな幸せの中に、一粒の石が投下され、波紋が…うまれた。



     聞きなれた着信音に奈津美(なつみ)は携帯を取り出した。

    「もしもし?」
    『ああ、ナツか?』
    「もう、わたしの番号で掛けたのに、それ以外の人が出てどうするのよ?」
    『それも、そうだが…。こんな事を言ってる場合じゃなかった、お前今何処にいる?』
    「待ち合わせの喫茶店。」
    『……。』

     黙り込む勇真(ゆうま)に奈津美は溜息を一つ零した。

    「今日は何?先輩?それとも、困った人でも見つけたの?」
    『前者。』
    「そう、ご愁傷様。で、どのくらいかかる?」

     いつもの事なので奈津美は動じない、まあ、それも仕方がないだろう、何度もデートの度と言ってもいいほど、邪魔が入り、奈津美は待ちぼうけに遭っている。

    『一時間くらい。』
    「そう、それなら近くの書店で立ち読みしとくから。」
    『本当に悪いな。』
    「いいのよ、いつもの事だし。」
    『ああ、すぐに先輩の荷物持ちが終わったら行くからな。』
    「うん、部活も買い物でしょ、頑張ってね。」

     奈津美は電話を切り、そのまま席を立った。
     奈津美と勇真が高校になった頃からか、勇真が奈津美の事を「ナツ」と呼ぶようになり、奈津美は彼の声で、彼しか呼ぶ事のない呼び名を気に入っていた。
     幸せは続いていくと信じていた。

    「今日も暑いな〜。」

     店を出た奈津美は手を掲げ、容赦なく照りつける太陽を見詰めた。

     今は夏…。
     付き合い始めてやっと二年。
     二年という月日は長いようで、短い。
     もっと、もっと、側に居たい。そんな欲が出だすが、それでも、奈津美は今の距離が丁度よかった。

    「さて、確か新しい本が出てたわね。」

     奈津美は軽い足取りで書店に入ってく、しかし、それが、彼女の運命を壊した……。

    〜つづく〜
    あとがき:ナツさん(奈津美)のなくなるパターンは実は三つくらいあったんですが、その内の一つにします。二つのパターンは後々あとがきに乗せたいと思います。

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  • from: yumiさん

    2010年08月25日 16時21分20秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・5・

    「好きだ。」
    「……。」

     奈津美(なつみ)は怪訝な表情で勇真(ゆうま)を見詰めた。

    「勇真、何か変なものでも食べた?」
    「……。」
    「それとも、何かの罰ゲーム?」
    「……。」

     あまりの言われように勇真は開いた口が塞がらない。

    「……本気で言っているのか?」
    「うん。」
    「……。」

     ようやく口に出来た言葉でさえ、ばっさりと切り捨てられた勇真はこれ以上何も口にする事は出来なかった。

    「落ち込まないの、だって、私が告白して、もう三ヶ月経って七月だよ。」
    「……。」
    「ず〜と、放って置かれてすっかり忘れられていたと思ったわ。」
    「お前が返事はいつでもいいと言ったじゃないか。」
    「あら、言ったけど、ものには限度というものがあるわよ。」
    「……。」
    「まあ、後一月だけ待つ、と思ってたから辛うじて及第点かな?」

     奈津美はニッコリと微笑んでいるが、その目はあまり笑っていなかった。

    「……勇真は知らないと思うけど、私って結構持てるんだよ。」
    「……。」

     勇真も彼女が言った事は知っている、何度か彼女が告白された現場を目撃したりもしたし、彼の周りでもかなり奈津美狙いの男子がいたりもするのだ。

    「まあ、勇真ほどでもないけどね。」

     茶目っ気たっぷりに言う奈津美はどこか小悪魔的で勇真は目まいを覚えた。

    「お前、性格悪いな。」
    「あら、性格良いの間違いじゃないの?」
    「……。」
    「冗談なのに、そんな顔しないでよ。」

     クスクスと笑う奈津美に勇真は顔を顰める。

    「まあ、返事は三ヵ月後ね。」
    「なっ!」
    「ふふふ、だって、私をそこまで放っておいた貴方が悪いんでしょ?自業自得。」
    「……。」
    「……………ぷっ…。」

     急に噴出した奈津美にようやく彼女が先程言った事が冗談だという事に気付いた。

    「奈津美っ!」
    「あははは……。」
    「お前な〜〜っ!」

     奈津美の頭を掴み、すごんで見せる勇真だが、すごまれている本人である奈津美はまだ笑っている。

    「あ〜笑った、笑った。」
    「な〜つ〜み〜…。」
    「しょうがないでしょ、私ばかり貴方の事が好きだ何て癪じゃない。」
    「……お前な〜。」

     勇真は脱力しながらズルズルとその場に座り込んだ。

    「言って言い冗談と、悪い冗談があるぞ。」
    「あら、三ヶ月間放って置かれた私はなんなのかしら?」
    「……それは。」
    「それは?」

     答えを始めから知っているのか奈津美の目は爛々に輝いている。

    「……。」
    「…もう、はっきり言ってよ。弓道の大会で優勝したら告るって。」
    「…やっぱ知っているんじゃないか。」
    「だって、それ以外に切っ掛けなんてないじゃない。」

     平然と言いきる奈津美に勇真は苦虫を噛み潰した表情を浮かべる。

    「それじゃ、帰ろっか。」
    「おい、返事は…。」

     さっさと行こうとする奈津美を引きとめ、勇真は返事を催促する。
     奈津美は一瞬呆れた表情を作るが、すぐに諦めたのか背伸びをして、勇真の耳元にそっと返事を囁いた。

    〜つづく〜
    あとがき:ああ、やっと告白編終了、次はとうとうあの事件へ…。
    皆様の期待の沿えるか微妙です…。

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  • from: yumiさん

    2010年08月24日 16時30分20秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・4・

    「でさ、昌獅(まさし)がね〜。」

     頬杖をついて、話す奈津美(なつみ)に勇真(ゆうま)は苦笑を漏らす。

    「本当に弟思いだな、お前は。」
    「そんな訳無いでしょ、あんなクソガキ。」
    「……。」
    「でも、あんなクソガキにしてしまったのは、半分はわたしの所為なんだけどね……。」
    「……。」

     勇真はその事に対して深くは聞いた事はなかったが、それでも、何かの事件の所為で、彼女の弟の感情が失われてしまった事は知っていた。

    「あ〜、しけた話はやめっ!」

     己の頬を叩き、奈津美は気合を入れる。

    「それにしても、勇真部活はいいの?」
    「え?」
    「弓道部。」
    「ああ、今日は先生の都合でなくなったから。」
    「そうなの。」
    「ああ、それにしても、お前のところ部活は何時来ても人が居ないな。」

     勇真は被服室を見渡し、呆れたように言った。

    「しょうがないでしょ、わたし以外皆幽霊部員なんだから。」
    「……。」

     はっきりと言う奈津美に勇真は軽くめまいを覚えた。

    「普通部活にでるようにしないか?部長さん。」
    「あら、来たくない人を無理矢理誘う方が面倒だし、わたしの時間がとられるだけ無駄だから嫌よ。」
    「……。」

     奈津美の言う事にも一理あるのだが、それでも、勇真は釈然としなかった。

    「まあ、わたしの部は存続のために名前を借りてるだけだし、仕方ないのよ。」
    「……。」
    「そんな顔しないでよ、わたしはこれでいいと思ってるんだから、だって、家に居ても弟と二人っきりって、息が詰まるし、あの子もきっと嫌がるからね。」
    「本当にそれが理由なのか?」
    「何が?」
    「いつも、ここで縫い物をしたりする理由がだ。」

     奈津美は苦笑を漏らした。

    「それ以外に何があるというの?って言ったら、意地悪かしら。」
    「……。」
    「どうせ鈍い誰かさんは気付いていないんでしょうね。」

     奈津美は縫い物を机の上に置き、そっと窓辺に立った。

    「ここからだと、あるものが見えるのも一つの理由よ。」
    「……何を見てるんだ?」

     奈津美は穏やかで、どこか大人びた笑みを浮かべた。

    「さ〜て、何を見てたでしょう?」
    「……。」

     勇真はゆっくりと立ち上がり、奈津美の隣に立つがいくら目を凝らしても少女が言いたい理由が分からなかった。

    「分からない。」
    「ふふふ……。」

     渋い表情でそう言った勇真に奈津美は笑みを浮かべる。

    「そういえば、勇真はもてるよね?」
    「……何だ、行き成り。」

     怪訝な表情を浮かべる勇真を見て、奈津美はニッコリと微笑む。

    「だって、この前からずっと呼び出し喰らってたし、それに、その現場を見ちゃったんだもの。」
    「……。」
    「言っとくけど、偶然よ。先生に呼ばれて教科書を運んでたら聞こえたの、今度告白を受けるんだったら人気の無い所でお願いね。」

     奈津美は背伸びをして、満足げな顔をする。

    「………あら、何か言いたげね。」
    「……。」
    「ふふふ、まあ、ここは誰も居ないから言おうかな?」

     奈津美は真直ぐに勇真の瞳を見た。

    「わたしは勇真が好きよ。勿論異性として。」
    「――っ!」
    「返事はいつでもいいから、じゃあ、施錠よろしく。」

     奈津美はそう言うと鞄と縫いかけのものを手にして外へと出て行き、一人残された勇真は情けない表情をしていた。

    〜つづく〜
    あとがき:今日はかなり遅くなりました〜…。やりたいことを優先させて、こんな時間に、だけど、乗せることが出来てよかった〜。
    昨日打つの忘れていましたが、当分勇真の回想になります。ナツさん(奈津美)さんの性格打ってて思ったんですが、かなり好きです。楽しみだな〜。

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  • from: yumiさん

    2010年08月23日 12時19分28秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・3・

    「いない?」

     どういう意味か分からない友梨(ゆうり)は首を傾げる。

    「……。」

     友梨を見た勇真(ゆうま)は穏やかに、だけど、寂しげに微笑んだ。

    「始めから、話そうと思う、彼女と出会った、あの頃から……。」



     あいつとおれが出会ったのは、おれが中学校三年の頃……。

    「きゃああああっ!!」

     唐突に響く悲鳴に、渡り廊下を歩いていた勇真は目を丸くさせた。

    「な…っ。」
    「いてて……。」

     勇真が声の方をする方を見ると、腰を擦る少女の姿があった。

    「大丈夫?」
    「え…あ…。」

     まさか、人が居るとは思っても見なかった少女は瞬時に顔を真っ赤に染めた。

    「だ、大丈夫っ!!」

     少女は慌てて立ち上がり、制服についた砂を払った。

    「ごめんね、変な所見せて。」
    「……何をしてたのかな?」

     当然の疑問を口にする勇真に少女は気まずげに顔を歪めた。

    「ああ……。弟の体操着を飛ばしたの…。」
    「え?」

     少女が言うように確かに少女の手にはかなり小さめの体育着を手にしている。

    「わたしの家、両親が共働きで、それでわたしが弟のゼッケンとかを縫っていたんだけど、あははは…、つい転寝してたら…飛ばされてたの。」
    「……それは大変だね。」
    「大変ってものじゃないわよっ!!」

     急に握り拳を作り、叫びだす少女に勇真は呆気に取られた。

    「何であんな小憎たらしいガキ〜〜っ!!」
    「そうなんだ…。」
    「そうなのよっ!!」

     少女はそう言うが、その表情はどこか悲しげだった。

    「あの馬鹿、何でもかんでも自分の中で自己完結しているからっ!!心配する姉のみにもなってみろってもんよっ!!」
    「ぷっくくく……。」
    「なあっ!」

     行き成り笑い出した勇真に少女は顔を真っ赤にさせる。

    「何で笑うのよっ!」
    「だって…くくく…。」
    「……殴ってもいい?」
    「駄目だよ。分かった、絶対に笑わないからね?」
    「本当に?」

     少女の言葉に勇真はしっかりと頷いた。

    「そう、それならいいけど。」
    「うん、それにしても、君は見ず知らずの異性にそんなにはっきり愚痴を零すの?」
    「なわけ無いでしょっ!」
    「そうなのか?」
    「そうよ、今回はたまたまよ、たまたま。」
    「そうなんだ。」
    「そうよ。」

     少女は羞恥の所為か頬を赤く染めた。

    「そういえば、名乗ってなかったね。わたしは三年A組、日部奈津美(にちべなつみ)。」
    「おれは三年B組、三村(みむら)勇真。」
    「オッケー、勇真ね。これから、よろしく。」

     こうして、おれと彼女は出会った。そして、運命の歯車が動き始めた……。

    〜つづく〜
    あとがき:シリアスになると思っていたけど、思ったより明るかった、これもナツさん(奈津美)の御陰です。うん、それにしてもまさくん(昌獅)とナツさん、性格の全く違う姉妹ですね〜〜。

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  • from: yumiさん

    2010年08月22日 14時00分26秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第七章〜・2・

     友梨(ゆうり)はその日、勇真(ゆうま)と共に、町内を散策していた。
     因みに、美波(みなみ)と涼太(りょうた)は涼太の怪我がまだ癒えていないので、勇真の家に居ていて、智里(ちさと)と昌獅(まさし)は友梨たち同様散策をしている。

    「勇真さん。」
    「何かな?友梨ちゃん。」

     友梨は勇真の笑みを見て、微かに頬を赤く染めた。

    「……あの…勇真さんは彼女とかいるんですか?」
    「え?」

     友梨は本来訊こうとしていた質問「勇真さんはいつから、一人暮らしをしているんですか?」をすっとばし、何故か一番訊きたかった事を口にしてしまった。

    「…え…あ、その……。」

     友梨は自分が口にした言葉を思い返し、顔を熟れたトマトのように真っ赤になった。

    「ま、間違えましたっ!!」
    「ふっ……くくく……。」
    「あの……。」

     突然笑い出した勇真に友梨は戸惑いを見せる。

    「ごめん、ごめんね。」

     笑いを堪え、勇真は柔らかく微笑んだ。

    「さっきの質問の答えは昔はいたよ。」
    「……。」

     勇真の表情が翳った事に、友梨は敏感に感じ取り、何とか話を逸らせないかと、ない頭を悩ませるが、勇真はさっさと話してしまう。

    「昔…そう……四年前まで…。」
    「あの…すみません、私から言いだしたことだけど…深い内容なら…別に…。」
    「…よければ聞いてもらえるかな?」

     悲しげに微笑む勇真が痛々しくて、そして、友梨も彼の事が知りたかった、だから、思わず頷いてしまう。

    「それじゃ、向こうの公園でもいいかな?」
    「はい。」

     友梨は話を聞き終わってから、この選択を悔やむようになるとは、この時は思ってもみなかっただろう。



    「……友梨ちゃんは、今まで付き合っていた人はいるかな?」
    「いませんよ。」

     友梨は微かに苦笑を浮かべ、そう言うと、勇真は意外そうな表情をした。

    「本当に?」
    「はい、私って昔から人付き合いが苦手で、それで、仲の良い人なんて数えるくらいしかいないんですよ。」
    「……そうか…。」
    「勇真さんが付き合っていた女性はどんな方だったんですか?」
    「…おれにはもったいないほど、良い女性だったよ。」
    「……。」

     友梨は笑みを浮かべるが、内心はかなり複雑だった。

    「彼女、ナツ…日部奈津美(にちべなつみ)は…、本当に優しく、強く、明るく、綺麗な女性だった。」
    「……え?日部?」

     聞き覚えのある苗字に目を丸くさせる友梨に勇真は穏やかに微笑んだ。

    「ああ、昌獅のお姉さんだ。」
    「……。」
    「……彼女とおれは同い年で、おれが中学校三年の時から付き合い始めた。だけど…。」

     勇真の表情を見て、友梨は顔を悲しげに歪ませた。

    「今はいないんだ…。」

    〜つづく〜
    あとがき:ふう…、シリアスモードに入ってますね…。ああ、どんな風になるんだろう…。

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