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弥生の河に言の葉が流れる

弥生の河に言の葉が流れる>掲示板

公開 メンバー数:7人

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  • from: yumiさん

    2011年08月31日 08時56分23秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・70・

    「もう嫌っ!智里(ちさと)何て大っ嫌い!」
    「……。」

     昌獅(まさし)は呆れながら友梨(ゆうり)の暴言を聞いていた。

    「どうして、あの子が妹なのよっ!どうせ私は頭悪いし、可愛げないし、直ぐに拗ねるし、最悪な性格よ!」
    「……。」

     昌獅の表情に微かに怒りが交じる。

    「私なんか、生まれ――っ!」
    「友梨っ!」

     昌獅が急に彼女の肩を強く掴んだものだから、友梨は顔を顰め、ようやく怒りが落ち着いた。

    「ま、まさ。」
    「てめぇ、何を言おうとした。」
    「昌獅?」
    「お前…………。」

     あまりにも怒りの濃さに友梨は慄いた。

    「ご、ごめ――。」
    「謝って欲しい訳じゃないっ。」

     唸るような低い声に友梨は恐ろしくなり、体を震わせた。

    「お前、何で生まれなければ言いといおうとしたんだ。」
    「……。」

     友梨はようやく昌獅が怒っている理由を悟った。
     彼は命に対し、敏感になっているのだ。他人ならばそこまでは敏感じゃないだろうが、家族や自分の愛する存在に対しては別なのだろう。

    「………昌獅。」
    「頼むから……生まれなければ良かったなんて言わないでくて。」

     友梨の肩に己の額を押し付ける昌獅に友梨は何も言えなくなった。

    「お前が生きていなければ、俺はこの世界でやっていけない。」
    「……。」
    「お前がいたから、生きようと思ったし、この命を大切にしないといけないと思った。なのに、お前は…その命がいらないといいたいのか?」
    「…ごめんなさい……。」

     友梨の頬から一筋の涙が零れた。
     友梨は昌獅と出会う前から、自分を責めるところがあった。
     自分さえいなければ、妹たちは幸せじゃないのか、自分じゃない姉だったら彼女たちを満足させてあげられたのではないのか。
     自分が生まれなければ、母や父が苦労しなかったんじゃないのか、自分には全く良い所なんか全くない、そんな人間だから。
     そんな事を考え、己に腹を立てた時、自分の爪を立て、歯を立て己を傷つけた。

    「ごめんなさい。」

     今までの己の行為はきっと昌獅を悲しませ、そして、彼を苦しませる行動だと思い、友梨は謝る。

    「……頼むから、自分で自分を卑下しないでくれ。」
    「……。」
    「お前は俺にとって掛け替えのない大切な、大切な女だから。」

     昌獅の一言、一言に自分が必要だと言われているようで、友梨の目から更に涙が溢れ出す。

    「だから、頼むから、生まれなければよかったとか、死ねばいいのにとか、そんな悲しい事言わないでくれ。」

     今の自分で良い、そう言われているようで、友梨の心は救われた。
     ありのままの自分を受け止めてもらえる。
     それは家族や血を分けた人たちじゃ、だめだ、赤の他人、それも心から好きな人に言われ、友梨は初めて救われたのだ。

    「ありがとう、ありがとう……。」

     いつの間にか友梨は昌獅に抱きしめられ、そして、彼の胸に己の顔を埋めた。

    あとがき:本日二本目っ!次回はいつ載せられるかわかりませんっ!
    ……本当にすみません……。

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  • from: yumiさん

    2011年08月31日 08時53分55秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・69・

    『何かしら。』
    「うん。ちょっとした発見があったから電話させてもらったの。」
    『発見とは何かしら?くだらないことならば即刻切らせてもらいますけど。』
    「……一応重要かな?」
    『何か不安が残るような言い方ですけど、仕方ないわね。』

     溜息と共に智里(ちさと)が折れた。

    「さっき、珠を見つけたんだけど。」
    『……。』
    「ハズレだったの。」
    『どうして、そんな事が分かるの?』
    「分かるわよ、珠が真っ白なんだもの、ハズレしかないわよね?」
    『成程ね、ハズレならば白、分かりやすいわね。』

     友梨(ゆうり)の言葉に智里は納得し、そして、次の指示を飛ばす。

    『もう一つのはまだ行っていないのよね?』
    「うん、まだ行ってないよ。」
    『そう、それなら、そこを見た後にそこの近くの「蘇芳」と「紅」という所によってもらえるかしら?』
    「……少し離れすぎているんじゃない?」
    『そうかもしれないけど、どちらにしても行かないといけないのだから、よろしくねお姉ちゃん。』

     こういう時だけ「お姉ちゃん」と都合の言いように言う智里に友梨はムッとするが、言い争いをすれば時間の無駄だと理解しているので、何も言わなかった。

    『それじゃ、わたしたちはわたしたちで探しているから、何か変化があったら黙ってないで絶対に教えなさい。』
    「……命令ですか…。」
    『いいえ、これは可愛い妹からのお願い。』
    「……。」

     誰が可愛い妹じゃ、と怒鳴りたくなる友梨の携帯電話を持つ手は小刻みに震えており、それを見ていた昌獅(まさし)、涼太(りょうた)はハラハラとそれを見ていた。

    「じゃ、またね。」
    『ええ、馬車馬のようにしっかりと働いてちょうだいね。』
    「――っ!」

     この瞬間友梨の中で何かがぶち切れた。

    「このクソ魔女っ!」

     不幸か幸いか、その時には智里との電話は切れており、向こうには聞こえていないだろう。
     しかし、それを知らない昌獅と涼太は目を大きく見開き、冷や汗をダラダラと流していた。

    「ゆ、友梨。」
    「ムカつく、ムカつく、ムカつくっ!」
    「お、落ちつ――。」
    「けるはずが無いでしょっ!馬鹿昌獅!」
    「……。」

     まるで暴れ馬を扱っているような気がする昌獅は必死で友梨を宥めようとする。

    「本当に落ち着けよ。」
    「もうヤダっ!あんな妹っ!」
    「……。」

     これは駄目だと理解した昌獅はチラリと涼太を見た。
     涼太は昌獅の意図を汲んだのか小さく頷き、美波(みなみ)に手を差し出した。

    「リョウくん?」
    「先に行けってさ。」
    「えっ?いつ?」
    「いつでも良いだろ、友梨先輩が落ち着かない限り、昌獅は動けないし、どうせここにはないんだ。次の場所に行って探した方がいいだろう。」
    「本当にないの?」
    「ないだろう、オレがあんなにも探してもアレしか見つからなかったし、多分、友梨先輩が落ち着いたら、最後に大雑把に見てからこっちに来るだろう。」
    「そっか、だったら、大丈夫だね。」
    「ああ。」

     ニッコリと微笑む美波に涼太は彼女の手をしっかり握り次の場所へと移動を始めた。

    あとがき:友梨ちゃん、とうとう切れてしまいましたね…。当然ですよね…、かなり怒りを溜めていらっしゃるんですから…。
    はぁ、今日は休みっ!と思ったんですが、通っている病院に行かないといけないし、午後からは人と会わないと…。

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  • from: yumiさん

    2011年08月27日 09時47分53秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・68・

    「あのクソ野郎っ!」

     涼太(りょうた)はわなわなと肩を震わせ、自分の手に持つ真っ白い珠を見詰めていた。
     涼太は休憩時間中も近くの所をいじり、珠を捜していた。
     そして、運よく珠を見つけたと思ったのだが……。

    「どうしたの?涼太くん!」

     涼太の叫びに友梨(ゆうり)は慌てて店内に入って来た。

    「…友梨先輩。」
    「でけぇ、声、外まで聞こえたぞ。」
    「昌獅(まさし)。」
    「どうしたの?リョウくん?」
    「美波(みなみ)。」

     いつの間にか全員が揃っており、涼太はそんなに大きな声を出したのかと苦い顔をした。

    「………昌獅っ!」
    「……っ!」

     涼太は昌獅に自分が持っていた珠を投げた。その珠は見事昌獅の手に収まる。
     しかし、もし、昌獅がうまく掴んでいなければ、彼の顔に見事に当たっていたことだろう。

    「…てめぇ、俺に恨みでもあるのかよ。」
    「さあな。」

     ニタリと笑う涼太に昌獅は青筋を浮かべる。

    「まっ、冗談はここまでにして…そいつよく見ろよ。」
    「…………………何だよ、これ…。」

     昌獅がそう呟くのも無理はなかった。
     昌獅が手に持っている珠は真っ白でしかも、でかでかとハズレと書かれていたのだった。

    「何か、胸糞悪くなるものだな。」
    「だろ、オレが叫びたくなるのも、理解できるだろ?」
    「まあな。」
    「…………まあ、結果はどうあれ、ハズレはこうやって素直に書かれていると言う事は、多分私たちが手に入れた珠はどれも本物という事ね。」

     友梨の言葉に涼太と昌獅は頷いた。

    「……まだマシよね…きっと。」
    「友梨先輩?」

     表情を曇らせる友梨に涼太は心配そうに顔を覗かせた。

    「あっ、ごめんね、ちょっと変な事を考えただけだから。」

     自分の表情の所為で涼太を不安にさせたと思った友梨は慌てて繕った。

    「無理すんな、馬鹿。」
    「……昌獅。」

     軽く頭を叩かれ、友梨はかすかに顔を顰める。

    「言ってみろよ、聞いてやる。」
    「あんたって…本当に上から目線ね。」
    「そうか?」
    「そうよ……ありがとう、昌獅。」

     友梨は小さく昌獅に礼を言い、昌獅はしっかりとその言葉を聞き、目を眇めた。

    「もしも、ハズレの珠が本物と寸分違わなかったら、きっと混乱させられただろうなー、と思って、ゾッとしただけ。」
    「……確かにな。」

     昌獅は顔を顰め、涼太も眉間に皺を寄せていた。因みに美波はキョトンとした顔をしている。

    「それに比べて、今の状況はマシなんでしょうね。」
    「友梨。」
    「友梨先輩。」

     二人は友梨の言葉に悲しげに顔を歪ませた。

    「智里(ちさと)にもこの事を伝えたほうがよさそうね。」

     友梨は己の携帯電話を取り出した。

    あとがき:本日二本目っ!
    9月は載せられるのが水曜日だけや全然載せられない週が出るかもしれませんね。
    土日祝に見事にバイトが埋まってしまって、急遽休みとならない限りは、載せられません。本当にすみません……。

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  • from: yumiさん

    2011年08月27日 09時42分58秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・67・

    「くしゅっ……。」
    「友梨(ゆうり)お姉ちゃん、大丈夫?」
    「大丈夫よ、美波(みなみ)。」

     小さなくしゃみをした友梨は自分を心配してくれた美波に対しニッコリと微笑んだ。

    「多分、誰かが噂しただけだから。」
    「本当に?」
    「きっとそうよ、一は憎まれ口、二は言い噂、三は風邪引きとか言うじゃない。」
    「えっ?一は言い噂、二は憎まれ口、じゃなかった?」
    「…………まっ、対した違いはないわよ。」

     友梨は自分の言った事が間違いなのか分からなくなり、冷や汗を掻く。

    「そっか、そうだよね。」

     友梨はつくづく相手が美波でホッとした。
     もし、これが智里(ちさと)なら間違いなく嫌味の一つや二つを言っただろうし、勇真(ゆうま)や涼太(りょうた)は苦笑を浮かべるだけだろう、そして、昌獅(まさし)はきっと友梨を馬鹿にしながらも、優しい目で見てくる。
     どれも、友梨に大きなダメージを与えるだろう。

    「……………何か、言い訳した私が馬鹿だったみたい。」
    「ふぇ?」

     友梨の言っている意味を理解できない美波は首を傾げた。

    「何でもない……そろそろ、昌獅たちの所に戻ろうか、あの二人今頃首を長くして待っていると思うし。」
    「そうだね。」

     美波も同意したので、友梨たちはトイレから出た。

    「それにしても、さっきのくしゃみ言った誰が噂したんだろう…。」
    「……。」

     疑問に思っている美波に対し、友梨は何となく誰が噂したのか見当がついているのか、顔を引き攣らせた。

    「お姉ちゃん?」
    「ん……。」

     不思議そうな顔をする美波に友梨は苦笑した。

    「ごめん、何となく…智里かな〜って思ったの。」
    「あっ……。」

     ありえそうな答えに美波は声を出した。

    「あの娘なら間違いなく、文句の一つや二つは言っているでしょうし、そのついでに私の悪口なんか……言いそうよね。」
    「そんな事……ありそうだよね。」

     実の妹から見ても、姉の智里ならやりかねないと思い、苦笑する。

    「でしょうね、あの娘だもんね。」
    「だよね……。」
    「おい、友梨何処に行くつもりだよ。」
    「えっ?」

     友梨と美波はいつの間にか話し込んでいて、店の前を通り過ぎようとしていた。
     幸いにも店の表で待っていた昌獅が友梨の手を取って引き止めた。

    「へ?あっ…ごめん。」

     友梨は自分がしでかした失敗に肩を落とす。

    「……疲れているんじゃないか?」
    「えっ?違うよ。」

     心配そうに顔を覗かせる昌獅に友梨は首を振った。

    「本当にか?」

     友梨を疑うような目で見てくる昌獅に友梨はそんなに信用ないのかと肩を落とした。

    「本当によ、ただ美波と話しすぎただけ。」
    「……。」
    「それだけじゃ、駄目?」
    「…本当に疲れている訳じゃないんだな?」
    「うん。」

     友梨の言葉を信じたのか、昌獅は溜息を一つ吐いた。

    「それならいいんだが、疲れたんなら、言えよ。」
    「分かっているわよ。」

     微笑み合う二人だったが、とある人物の叫びによってその言い雰囲気を邪魔された。

    あとがき:本日は正直載せられるとは思ってもみませんでした。
    何せバイトので十時からと聞かされていたので、次は水曜日かと肩を落としていたんですが、幸いにも今日は一時からになり、明日は多分載せられませんが、今日は載せれましたっ!

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  • from: yumiさん

    2011年08月24日 09時05分44秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・66・

     勇真(ゆうま)はマップを睨むようにして見ている智里(ちさと)の横顔を眺めながら自動販売機から買ってきたジュースを彼女に差し出す。

    「智里ちゃん一息ついたら?」
    「あら、気がきくのね。」

     智里は顔を上げ、勇真からジュースを受け取った。

    「どう決まった?」
    「ええ、取り敢えずいくつかはピックアップしたわ。」
    「どのくらい?」
    「全部で十五箇所。その中で更に絞ってみたいけど、規則性がありそうでなさそうだから、どうしようもないんですけど。」
    「そうか……。」
    「まぁ、その内の二箇所をお姉ちゃんたちに回したから、残りは十三箇所、わたしたちはピックアップした中で、橋か高い場所を探した方が言いと思うの。」
    「なるほど…。」

     智里の考えに勇真は納得する。

    「だけど、橋も高そうなアトラクションも、友梨(ゆうり)ちゃんや昌獅(まさし)の方が近いね。」
    「そうなんですよ、ですから、仕方なく他の場所を巡るしかなさそうですね。」
    「……。」
    「まぁ、お姉ちゃんたちの方に珠は偏っている気がするんですよね。」
    「えっ?」

     勇真は智里を凝視した。

    「だって、あの姉ですよ。」

     智里が何を言っているのか分からず、勇真は首を傾げた。

    「あの姉は妙に悪運が強く、その上、今回のゲームで大活躍、つまり、今回も姉の変な運によって開かれる。」
    「……何か、現実主義の智里ちゃんとは思えないような言葉だね。」
    「そうかしら?」

     智里はクスリと微笑む。

    「わたしは可能性の事を言っただけですから、あの変態の罠にかなり嵌っているのは、あの姉だけなんですよ。」
    「……。」

     確かに昌獅や勇真もかなり大変な目に遭っているのだが、彼らより絶対的に友梨の方が危険な目に遭っていた。
     それは偶然なのか、それともあの変態の考え出された事なのか勇真にも智里にも分からなかった。

    「……友梨ちゃんはその事に気付いているのかな…。」
    「あの姉ですから気付いていないでしょう。」
    「……。」

     勇真は悲しそうに顔を歪めた。

    「まぁ、自分が危険な目に遭っているとは自覚しているかもしれませんが、あの姉は間違いなくわたしたち妹が遭うよりもマシだと思い込んでいるでしょうね。」
    「……友梨ちゃんらしいね。」
    「あの馬鹿姉は本当に馬鹿ですから。」
    「……。」

     勇真は智里が罵っているが、内心では心を痛めているのだと感じた。

    「さて、勇真さん行きましょうか。」
    「…そうだね。」

     智里が立ち上がり、勇真もそれに合わせ、向かう方向に体を向けた。

    「次はどこかな?」
    「トパーズの森…ここの名物の一つの巨大迷路です。」
    「分かった。」
    「さてさて、どんな罠があるのか楽しみですね。」

     黒く微笑む智里に勇真は頼もしく思った。

    あとがき:本日二本目。
    友梨ちゃん…何か彼女の活躍を見ていると、他のメンバーよりも【ルーラー】の罠に嵌っているような…嵌っていますよね…?
    頑張って、友梨ちゃん、ゴールは近い…はずだから!!

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  • from: yumiさん

    2011年08月24日 09時02分39秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・65・

    「…………。」

     黙って成り行きを見ていた涼太(りょうた)だったが、そろそろ出発しないと恐い人からの電話がありそうなので、仕方なく、友梨(ゆうり)と昌獅(まさし)の間に入った。

    「そろそろ出発しないと、あの人が煩いですよ、友梨先輩。」
    「あっ。こめん、涼太くん!」

     友梨は今涼太の存在を思い出したかのように、顔を上げた。

    「別に大丈夫ですよ。」
    「……ごめんね。」

     本当に申し訳なさそうな顔をしながら友梨は謝る。涼太は友梨がいつも通りに戻ってくれたので、ホッとした。

    「本当に大丈夫ですから、さっさと行きましょう。」
    「ありあとう、涼太くん。」

     友梨は穏やかな笑みを浮かべ、そして、少し鋭い目付きで昌獅を見た。

    「昌獅、行こう。」
    「ああ、本当に体調がやばかったら言ってくれよ。」
    「分かってる。」

     友梨は小さく微笑むが、直ぐにその笑みは消され、凛とした戦士のような顔をした友梨がそこにいた。

    「さぁ、さっさと三つ目の珠を取りに行きましょう!」

     友梨の言葉に三人はしっかりと頷いた。



     「浅葱」までの距離は思ったよりあったが、それでも、友梨たちは早く着いた。
     手分けして四人は探すが、青い珠は見つからなかった。

    「……ないわね。」
    「ないな。」
    「ないね〜。」
    「ないですね。」

     四人の顔には疲れが目立ち始めていた、なので、友梨は一旦休憩を取る事を決めた。

    「それじゃ、十五分くらい休憩ね。」
    「いいんですか?」
    「ええ、ずっと緊張してても勝てるものも勝てないもの。」
    「……。」
    「だから、休憩。私ちょっとお手洗い言ってくるね。」
    「あっ、はい。」
    「あっ、お姉ちゃん、あたしも。」

     ゆっくりと出口に向かう友梨に美波が声をかけてきた。

    「あっ、美波も?」
    「うん。」
    「そっか、じゃ、昌獅、涼太くんお留守番よろしくね。」

     友梨は美波をつれ、外にあるトイレまで向かう。

    「………なぁ、昌獅。」
    「何だよ。」
    「絶対に友梨先輩を怒らすなよ。」
    「……。」

     涼太の唐突な言葉に昌獅は小さく舌打ちをする。

    「好きで怒らせているんじゃねぇ。」
    「昌獅、全く説得力ねぇ。見事に友梨先輩の地雷を踏んでいるんだからな。」
    「……。」
    「友梨先輩もよくこんな奴を受け止めたな。」
    「何だよそれ。」

     不機嫌そうに昌獅は顔を顰め、涼太はそれを見て溜息を吐きながら首を横に振った。

    「だってさ、自分を怒らせて、嫉妬深いし、オレが女だったら絶対に嫌だぜ。」
    「はっ、友梨は心が広いからな。」
    「……そんな人を怒らせるなんてお前やりすぎだと気付けよ。」
    「無理だ。」
    「……。」

     即答する昌獅に涼太は信じられないものを見るように眼を見張った。

    「友梨は己のうちに感情を押さえ込もうとするからな、だから、時々突いて怒らせないとあいつは倒れてしまう。」
    「……。」

     一応昌獅でも考えているのかと思い、涼太は溜息を吐いた。

    「それでも、方法を考えろよ。」

     涼太のぼやきに昌獅が気づく事はなかった。

    あとがき:涼太くんは本当に弟にしたいナンバーワンです。こんな姉(?)思いの弟なんて滅多にいませんからね…。

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  • from: yumiさん

    2011年08月21日 17時42分25秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・64・

    「さて、すっきりしたし、次の場所移動しようか。」

     昌獅(まさし)を伸し終わった友梨(ゆうり)はすっきりしたような顔をしながら美波(みなみ)と涼太(りょうた)に顔を向けた。

    「友梨先輩いいんですか?あれ。」

     涼太は元昌獅だったものを指差し、顔を引き攣らせる。

    「いいのよ、あいつは自業自得。」

     先ほどの明るい声が嘘のように低くなった声音に涼太は凍りつく。

    「安心して、そんなに怒っていないから今は。」
    「……。」

     涼太の怯えに気付いた友梨がそんな事を言うが、全く安心できないと思い、こっそりと涼太は汗を拭った。

    「さてと。取り敢えず一番近い「浅葱」でいい?」
    「いいですよ。」
    「うん、いいよ。」

     疲れきったような顔で頷く涼太と、まだまだ元気のある美波は対照的で、友梨は胸の内で涼太に謝った。
     なにせ、彼が疲れる原因を作っているのはある意味自分と昌獅だとちゃんと理解しているのだ。

    「さて、アレどうしようかな?」

     友梨は地面に倒れている昌獅を見ながら、顎に指を当てる。

    「一、引きずっていく。」
    「……それは――。」

     いくらなんでも酷いんじゃないかと思うが、友梨の言葉に涼太は言葉を呑んだ。

    「二、そのまま放置。」
    「……。」

     連れて行くのと放置、一体どっちが昌獅にとっていいのだろうか、涼太は第三の選択肢があることを願うが、友梨はその願いを消し去った。

    「さて、どっちが言いかしらね。」
    「……。」

     涼太は絶句する。しかし、それに気付いているのか、いないのか友梨は無情な事を言う。

    「私的には引きずって、ずたぼろにしたいんだけどね。」
    「……。」

     いくらなんでも自分の彼氏にそんな事をする彼女がこの世にいるのかと、涼太は耳を疑った。

    「で、狸寝入りをしている昌獅さんはどっちがいい?」
    「へ?」

     完全に昌獅が気絶していると思った涼太は友梨の言葉に素直に驚いた。

    「……気付いていたのかよ。」
    「当たり前、私があんたを憎んでいたとしても、いくらなんでも気絶している人に対してあんな暴言を言ったりしないわよ。」
    「……はぁ、マジかと思って焦った。」
    「残念ながら、貴方を引きずってまで移動するなんて真っ平よ、そんな事をするくらいなら、放置するか、ビンタをかまして、起こすかするわよ。」
    「……恐ぇな。」
    「そんな女の子を好きになったのは誰でしょうね?」
    「……なんか、性格悪くないか?」
    「はぁ、しょうがないでしょ、今血の気が足りないうえに、頭痛もするし、腹も痛いし、最悪なコンディションなんだから。」

     涼太は友梨が何を言っているのか理解してしまい、顔を真っ赤にさせる。

    「……お前、どうどうとそんな事をいうなよ。」
    「だって、言わないと私の体調が悪い事に全く気付かないくせに。」
    「……。」

     確かに、今回、怪我などは心配していたが、彼女の状態を全く理解していなかった。

    「本当に、最悪。」
    「……悪かったな、気付かなくて。」

     昌獅の言葉に友梨は微かに目を見張った。
     友梨自身昌獅に八つ当たりをしている事くらい分かっていた、だから、昌獅が謝るのが意外だった。

    「……いいわよ、よくよく考えれば、昌獅が私の周期を知っていた方が恐いわね。」

     素直に謝れず、意地を張ってしまった友梨は微かに落ち込んだが、昌獅はそんな友梨を理解してか笑っていた。

    あとがき:友梨ちゃん、貴女には女性の自覚はないのかしら…って、私も良くやるけど…。

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  • from: yumiさん

    2011年08月21日 17時39分54秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・63・

     友梨(ゆうり)は嫌な予感を感じつつも、頷いた。

    「で?」
    『ええ、近くのレストランで「浅葱」と「蒼穹」という所があるから、手分けして探してくれる?』
    「……。」
    『お姉ちゃん、聞いてる?』
    「近くじゃないじゃないっ!」

     友梨はたまたま目の前に園内のマップがあり、智里(ちさと)が言った場所を探すと、意外に距離がある事に愕然とした。

    『あら、わたしがいる場所に比べたらかなり近いわよ?』
    「そうかもしれないけど……。」
    『どちらも「あお」に関連する言葉だしね。』
    「……。」

     智里の言葉に確かに両方とも「青」に関連する言葉だ。
     「浅葱」は色の名前で「あお」の分類に入るのだ。浅葱色自体はどちらかと言えば薄い藍色や、薄い青緑色を呼ぶ。昔の日本では「あお」の分類には今で言う緑色も含まれている。
     「蒼穹」は文字に「蒼」がついている、から分かりやすい、つまりは「青空」であり、「浅葱」も「蒼穹」も結局は「あお」に関連するのだ。

    「……分かったわよ。」

     友梨は溜息を一つ吐き、ここにはいない智里を睨むかのように代わりに地面を睨んだ。

    『それじゃ、よろしくね。』
    「……。」

     友梨は無言で電話を切った、たとえそれが礼儀知らずだと罵られても、友梨はそうする事でしか自分の怒りを留める事が出来なかった。

    「……ゆ、友梨?」
    「………………んで。」
    「へ?」

     無言だった友梨がポツリと漏らした言葉に、昌獅(まさし)は素っ頓狂な声を出し、涼太(りょうた)は危機を察知したのか、美波(みなみ)の耳を己の手で塞いだ。

    「何であの娘ぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

     耳が痛くなるほどの絶叫に昌獅は顔を顰め、涼太は思ったより甲高い声に、頭がくらくらとなるが、それでも、美波から手を離さなかった。

    「毎回、毎回、何で私が馬車馬のように働かなくてはならないのよっ!たまには自分で動きなさいよっ!」
    「………………そんなに鬱憤が溜まっているんだったら本人に言えば良いじゃねぇか。」

     思わず漏れた本音に耳聡い友梨はそちらの方に顔を向けた。

    「昌獅……。」
    「な、何だよ。」

     友梨は笑っていた、しかし、その目は笑っていない。

    「こんな事あの子にいえると思う?」
    「……。」
    「もし、言った所で私は返り討ちに遭うでしょうね。」
    「……。」
    「悲しいけど私は今まで智里に口喧嘩も勝てないのよ。よくてもお母さんが側にいて辛うじて押しつぶされないようにするのが精一杯なのよ?」
    「……。」
    「それなのに、言えると思う?」

     ずいずいと近寄る友梨に本来なら友梨が近寄ってくれるのは嬉しいのだが、般若の顔をしながら近寄ってくるのだけは止めてほしかった。

    「ゆ、友梨さん?」
    「………今、私の怒りの矛先が何処に向いたか理解しているんでしょ?」

     口角を上げ不敵に笑う友梨に昌獅は戦慄した。

    「覚悟っ!」
    「げっ……何お前本気出しているんだよ!」

     昌獅は友梨が振り下ろした武器を間一髪避け、額から滴る汗を拭う。

    「……あ〜…始まってしまったな。」
    「リョウくん……離してよ。」
    「悪い、悪い。」

     蚊帳の外の二人は暢気な会話を繰り返しながら、昌獅が伸されるまで大人しく待っていたのだった。

    あとがき:御愁傷様、昌獅…。
    本日は祖父の四十九日で、ちょっと出ていました。

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  • from: yumiさん

    2011年08月20日 09時31分03秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・62・

    「涼太(りょうた)くん、美波(みなみ)。」

     友梨(ゆうり)の呼びかけに、二人は同時に振り返った。

    「どう中身は?」
    「これです。」
    「……。」

     友梨は涼太の差し出した緑色の珠をじっと見た。

    「多分、間違いないわね。」
    「やっぱり。」

     友梨は壁の窪みの大きさを思い出し、間違いなくこの珠と同じ大きさだったとはっきりと頷いた。

    「絶対にこの大きさよ。」
    「おい、友梨。」

     いつの間にかやって来た昌獅(まさし)はちゃっかりと友梨の隣を陣取っていた。

    「何よ、昌獅、また変な事言うんだったら、今度は手加減しないわよ。」
    「………お前、本当にその手の話題嫌いなんだな。」
    「嫌いと言うか、苦手と言うか。」

     友梨は微かに唇を尖らせた。

    「分かった、今は言わない。」
    「……今は…ってあんた。」

     呆れ果てたような声音を出す友梨に昌獅はニヤリと笑った。

    「しゃーねーだろ、思った事を口に出したら、そうなっちまうんだからな。」
    「……。」

     呆れて声が出ない友梨に涼太は同情の念を送った。

    「友梨先輩、どんまい。」
    「涼太くんっ!」

     友梨は瞳を潤ませ、優しい言葉をかける涼太を見た。

    「どうして、昌獅はこんなんなのっ!」
    「……。」
    「友梨、それは言いすぎだろうが。」

     嘆いている友梨に涼太は沈黙し、昌獅は呆れる。因みに蚊帳の外にいる美波はキョトンとし首を傾げていた。

    「本当の事でしょうが!」

     友梨は昌獅に噛み付き、睨みを利かせた。

    「もう、昌獅は――。」

     友梨が文句を言おうとした瞬間、彼女の携帯が震えた。

    「――っ!」

     可哀想なくらい友梨の肩が跳ね上がった。

    「あ〜……。」
    「……すみません、友梨先輩。」
    「お姉ちゃん、出ないの?」

     電話の相手を理解している昌獅と涼太は同情し、全く理解していない美波は小首を傾げる。
     友梨は誰も自分を助けてはくれないと悟り、肩を落とした。

    「何で助けてくれないのよ……。」
    「苦手なんだよ。」
    「……私だってどちらかといえば、苦手なのに……。」

     嘆く友梨を誰も助けようとしなかった、何回目かの震えで意を決した友梨は電話を取った。

    「もしもし?」
    『かなり遅かったようだけど?』
    「そうかな?」

     冷や汗を流しながら誤魔化す友梨に電話の向こうの智里(ちさと)は深々と溜息を吐いた。

    「あっ、緑色の珠を見つけたわよ。」
    『…………逃げたわね。』

     無理矢理話題を逸らそうとした友梨に智里は呆れた声を出した。

    『…まぁ、いいわ。次は何処に行くつもり?』
    「取り敢えず、マップを見てから決めるつもりだけど。」
    『そうよかったわ。』
    「……?」

     何が良かったのか友梨には分からず、思わず首を傾げた。

    『お姉ちゃんたちに向かって欲しい所があるの。』

    あとがき:本日二本目っ!
    少しずつ終わりに近付いているはずなのに、全く終りが見えないとはどう言う事でしょうか…本当は10万人までには終わらせたいけど、多分無理でしょうね…。10万人記念に短編(?)小説を載せるつもしです。

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  • from: yumiさん

    2011年08月20日 09時27分24秒

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    「ダークネス・ゲーム」
    〜第十一章〜・61・

     友梨(ゆうり)と昌獅(まさし)は美波(みなみ)と涼太(りょうた)会話を聞いていた。

    「…友梨。」
    「何?」
    「お前も、恨んでいないのか?」
    「……私は…。」

     昌獅は友梨ならば恨んでいないと言うと思った、しかし、それは裏切られた。

    「恨んでいるよ。」
    「えっ?」

     あまりにも意外な言葉に昌獅は目を見張った。

    「恨んでいる。」

     はっきりと口にする友梨に昌獅は本当に目の前にいるのは自分が知っている、友梨なのかと疑った。

    「だって、昌獅を傷つけた。」

     友梨のその言葉に昌獅は目を見張った。

    「奈津美(なつみ)さんを使って、昌獅や勇真さんの古傷を開いて、傷つけた。私は…許さない…。」

     昌獅は知らず知らずのうちに強張っていた肩から力を抜いた。
     やはり、目の前にいるのは友梨だった。
     彼女は私怨で「恨んでいる」と言っていた訳ではなかった、自分や勇真が傷付いたから、彼女はそれに対し、怒りを抱き、そんな事を口にしたのだ。

    「……意外だった?」
    「……。」

     悪戯に成功したような幼い子どものように友梨はクスリと微笑んだ。

    「私だって人を恨むし、憎むよ。私は聖女でも何でもない、ただの人、恨んだり、憎んだりするよ。」
    「…友梨。」
    「私は貴方を傷付ける人は許さない、たとえそれが、神だろうが、なんだろうが絶対に許したりなんかしない。」
    「……。」
    「あっ、勿論貴方に非があるときは別だよ。」

     友梨は何か思い出したように、そんな事を口にした。

    「だって、昌獅がいつも正しい訳じゃない、だから、その時はちゃんと正してあげために、私は公平でいたい。」
    「……。」

     昌獅はやはりこの女性(ひと)を好きになれてよかったと思った。
     自分にもったいないほど優しく、強く、そして、誰よりも愛情が深い女性(ひと)だから、彼女の側にいられて、本当に幸せに感じた。

    「サンキュ、友梨。」
    「えっ?」
    「お前を好きになれて本当に良かった。」

     あまりにも真直ぐな言葉に友梨は熟れたトマトのように顔を真っ赤にさせた。

    「ま、昌獅…熱でもある?」
    「失敬な……。」

     不満げな顔をする昌獅に友梨はまだ熱の取れない顔で昌獅を睨んだ。

    「よくもまあ、そんな恥ずかしい台詞を言えるわね。」
    「愛情が溢れているもんでね。」
    「う〜……、昌獅絶対この短期間で変わったっ!」

     友梨は容赦なく昌獅の背中を叩いて、軽く息をすってから、美波と涼太の間に割り込んだのだった。

    「涼太くん、美波。」

    あとがき:友梨は絶対に愛が深い人だと思います。自分の身の内にはいった人を絶対に傷つけた人を許さないだろうし、報復に走るでしょう……さすが、魔王の姉…。

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