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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/31 08:53:29
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変貌する兵器が戦争を不能にする (15)
勿論宇宙からの地上の敵施設を攻撃すことも可能であろう。これが新しい戦域なのである。
これは、サイバ-攻撃というハッキング・テクニックを使用して相手国の社会システムや戦闘システムを機能不全にする戦いの領域であるが、これは空間でもなく、場でもないから、単に戦域としてしか言えないものである。
・新兵器によって戦争が変わる
新兵器の最たるものは、ハッキング・テクニックと無人兵器であろう。
しかし、ハッキング・テクニックが使われて、ITシステムネットワ-クを妨害、撹乱、誤作動させさせられ、それによって、戦闘の指揮、命令系統、情報コミニケ-ションシステム、高性能の武器操作を不能にさせられたり、あるいは、国家のファンダメンタルズを機能不全にされたら、戦争は不能になる。
13年10月に、アメリカ政府当局が、長年に亘って、同盟国ドイツのメルケル首相のケイタイ電話を盗聴していたということが露見して大問題になったが、こんなことはハッキングでは序の口のテクニックなのだ。
このようなハッキングに対する防御は、事の性質上、必ず後手になるし、その攻撃方法は無限に進化するから、攻撃と防御のモグラ叩きが永続することになるのであろう。
無人兵器の嚆矢は無人飛行機であろう。-
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/30 05:51:24
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変貌する兵器が戦争を不能にする (14)
その一方で、これらのITシステムに潜入して、システムを破壊したり、誤作動をさせるようなハッカ-テクニックも同時進行的に開発され、高度化してきているのだ。
それも初めは、ITオタクによるIT知識や技能、応用力を試してみようという遊び半分から始まったものだが、今やITシステム社会全体を脅かす脅威技術にまで進化してきているのだ。
それによるITシステムの妨害行為は既に社会の大問題化するまでに至っているのである。
この問題の厄介さは、ITシステムの特性である、発信元の匿名性と通信回路の複雑性による発信元追及の極度の困難性にあるのである。
また、宇宙関連について言えば、宇宙衛星の打ち上げ技術の進歩と普及によって、今や何千個もの人工衛星が宇宙に打ち上げられ、観測、偵察、スパイ、電波中継、監視、気象観測、科学実験等、種々な役割を果たしているのだ。
また、これらの人工衛星を他の衛星でやミサイルで狙い撃ちして破壊する技術も開発されており、実用化されているのである。これにより、他国の偵察衛星を破壊し、その機能を失わせることも可能になっているのである。
07年1月、中国は、528マイル上空を回周している22000ポンドの自国衛星を地上から発射したミサイルで破壊することに成功したし、アメリカも08年1月に、06年に打ち上げたが作動しなくなった衛星をイ-ジス艦から無弾頭ミサイルを発射して破壊しているのである。-
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/29 09:12:24
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変貌する兵器が戦争を不能にする (13)
また、こんな核兵器を使うまでもなく、全世界に計画中、建設中を含めて、600基以上ある原発を、ミサイル攻撃で破壊すれば、地球上の生物は全滅するのである。
従って、莫大な維持費を掛けて、使えもしない原爆を大量に保有し続けることは愚の骨頂と言わざるを得ないのである。
このような使えない兵器の問題はわきにおいて、新しい兵器が続々と登場し、その一部は既にに実戦に使用されている。
これらを踏まえて、今後、大戦争がおきたとしたら、どんな影響があるのかを想像してみよう。
そのポイントは五つある。
1戦域の拡大
従来の戦域は、陸、海、空であった。だから、それに呼応して陸軍、海軍、空軍があった。しかし、ITの発展で、サイバ-空間が加わり、更に、宇宙工学の発展で人工衛星関連で宇宙が新たな戦域となったのだ。
ITは今や人間生活のすべての分野に織り込まれている。
電気、ガス、上下水道、通信、情報、医療、保安、運輸、警察、軍事、教育など等あらゆる人間生活の分野はITシステムで運営されているのである。
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/28 06:05:46
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変貌する兵器が戦争を不能にする (12)
・戦争は不能になる
戦争が悲惨なものであることは決まっているが、その凄惨性は戦争そのものの考え方や兵器の威力によって違ってくる。
ヘ-ゲルは、国のために自分の命や財産を捧げることも崇高な行為であると述べた17世紀の戦争は、元込め銃や大砲くらいの牧歌的な歩兵戦の時代だから、そんなことが言えたのだと思う。
しかし、その後、武器が急速に強力化し、戦争の考え方も総力戦と称して民間人まで巻き込むことになれば、その戦禍も極端に激化することになるのだ。
1945年に、世界に先立ってアメリカが原爆開発に成功し、その直後に、広島、長崎に原爆を投下、一瞬にして、大都市を壊滅させ、何十万人を殺傷させた。その後遺症は、70年以上経過した今日でも、人々を苦しめ続けているのだ。
その後も、第二次大戦後の冷戦期には、米ソだけでも合計2万発以上の核爆弾が製造されたのである。
こんな残酷極まる兵器は、その後一度も使用されてはいないが、戦争抑止力があるとして、現在も国連安保理事会の常任理事国五カ国の他、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮の9ヶ国が核兵器を保有しているのだ。
一度使用されれば、その災禍は想像を絶するものになるだけでなく、地球を回るジェット気流に乗って放射能が運ばれ、核兵器発射した当の自分自身にも災禍が降り掛かってくることを考えれば、それを使うわけにはゆかなくなっているのだ。-
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/28 05:48:16
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変貌する兵器が戦争を不能にする (12)
・戦争は不能になる
戦争が悲惨なものであることは決まっているが、その凄惨性は戦争そのものの考え方や兵器の威力によって違ってくる。
ヘ-ゲルは、国のために自分の命や財産を捧げることも崇高な行為であると述べた17世紀の戦争は、元込め銃や大砲くらいの牧歌的な歩兵戦の時代だから、そんなことが言えたのだと思う。
しかし、その後、武器が急速に強力化し、戦争の考え方も総力戦と称して民間人まで巻き込むことになれば、その戦禍も極端に激化することになるのだ。
1945年に、世界に先立ってアメリカが原爆開発に成功し、その直後に、広島、長崎に原爆を投下し、一瞬にして、大都市を壊滅させ、何十万人を殺傷させた。その後遺症は、70年以上経過し-
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/27 09:31:00
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変貌する兵器が戦争を不能にする (11)
大変な悪文だが、原案に対する各国からの追加の言葉の注文が多く、それを無理やり組み込んだせいであろう。よくあることである。
それはともかく、「禁止する」とか「してはならない」という表現を避けて、「慎まねばならない」と表現したのは「なるべくやりなさんな」と言わんばかりのいい加減な表現である。
しかも、第51条では、自衛のための戦争と集団的自衛権による同盟国支援のための戦争を、42条では国連が認めた場合の武力制裁の戦争は例外としているのだ。
実際に、国連が認めた戦争というのは、ソマリア領海内及び沿岸沖の公海で頻発する海賊行為に対して08年に決議された安保決議1816号だけである。
この国連憲章制定以降も沢山の戦争が起こっているが、みんな国連憲章の戦争不可の規定は無視してやられてきているのである。 つまり殆ど使われていないのだ。もっと正確に言えば、一致する結論が出せないから、決議できないまま、国連憲章無視の状態が続いているのである。
これも国連機能不全の一端であるが、国連でも戦争を阻止することはできないということなのである。
しかし、別の状況から、通常兵器による小競り合いは別として、大国同士の大規模な戦争は出来なくなってきているのである。それは、皮肉なことに、相手に大打撃を与え、味方の損害は最小にし得るような新兵器開発競争の結果なのである。
これについて話を展開しよう。
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/26 08:55:58
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変貌する兵器が戦争を不能にする (10)
このフレ-ズは、クラウゼブイッツの名言として、よく引用されているが、筆者はそうは思わない。
軍が文民統制によって、きちんとコントロ-ルされておれば、こういうことも言えるが、戦前の日本のように、軍が武力で威嚇しながら、政治の主導権を握っているような状況下では、そうはゆかない。
1937年の日中戦争勃発時に、当時の近衛内閣の戦争不拡大方針に反して、関東軍が暴走して、戦線を拡大し、政治はこれに従わざるをえないようにしたた例もあるのである。
それはともかく、クラウゼヴッツも戦争は国家に内在する必然性を持つものだと考えていたことは間違いない。
第三段階は、戦争の違法化である。
世界で、この動きが顕著になったのは第二次大戦終結後である。第二次大戦では、総力戦と称して、民間をも巻き込み、無差別爆撃で、民間人に大量の死傷者を出すことになったばかりか、原爆などの大量破壊兵器が登場し、戦争そのものが極めて人類抹殺的な性格を帯び始めたことに危機感を抱いたからであろう。
戦後設立された国連で制定された国連憲章第二条第四項では「すべての加盟国は、その国際関係において、力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、また国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まねばならない」と規定している。
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/25 08:31:46
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変貌する兵器が戦争を不能にする (9)
ヘ-ゲルはカントと異なり、主権国家の独立には、戦争に至る内在的必然性があると考えている。国土を護るためには戦わざるを得ない局面があるというのである。
戦争には、物的、人的な損害も伴うが、それらは本来有限なものであり、滅ぶべきものであるから、個人が自分の生命と所有を犠牲にして国家の独立と主権を護ることは尊いことだし、キリスト教の訓えにも適うものであると説いている。
侵略してくる敵から国を護る防衛の場合の個人の立場は、まさにそういうことが言えると思う。
しかし、この理屈は、国益に叶うとは言え、他国に対する侵略戦争に駆り立てられて生命を失う場合や侵略戦争で反撃を受けて財産を失う場合には当てはまらない。
戦争に関する名著といわれる、プロイセンの将軍、クラウゼヴィッツの「戦争論」は、彼の死後、未亡人のマリ-によって1834年に出版された。
クラウゼヴイッツは、この著のなかで、戦争意志、戦略、戦争計画、戦闘の要素等について詳細に記述しているが、それはおいておいて、むかれの戦争観は、次のように要約されるであろう。
「戦争は敵を強制して、我々の意志を遂行するために用いられる暴力行為であり、言い換えれば、他の手段をもってする政治の継続である」と。-
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/24 08:44:33
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変貌する兵器が戦争を不能にする (8)
カントは国家連合が戦争を防ぐ仲裁や調停をやってくれると考えているが、特殊な主観的意志による偶然性に纏われたものであって、当てには出来ないと言うのだ。
このことは、現在の国連安保任理事会で、常任理事国五カ国の拒否権行使や思惑違いで、理事会としての決議が否決されたり、否決を見通して提案されなかったりすることが少なくないことからも裏づけられるのである。
また、カントが提案する「常備軍の段階的廃止」については、国家における常備軍は、社会生活に必要な多種の業種と同様に必然性のあるものだから、これを廃止することは出来ないとヘ-ゲルは主張する。が、これは説得性のある反論にはなっていない。
また、カントの、代議制による共和制が戦争防止に有効であるという論にも批判的であり、民衆の方が戦争開始に熱狂的になる場合もあると指摘している。
03年の米英のイラク戦争開始でもそうであった。
開戦時のアメリカでは国民の70%以上が開戦に賛成し、これに反対する者は国賊扱いであった。が、これは、イラクが大量破壊兵器を保有しているという、ブッシュ政権のウソの情報に国民が踊らされたからであった。この例からかみても、ヘ-ゲルの批判は100%正しいとは言えないと思う。
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from: 倭寇の末裔さん
2013/10/23 08:19:23
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変貌する兵器が戦争を不能にする (7)
⑤内政干渉の禁止
自国内問題については、自国で検討し、決定するのか当然であり、他国が容喙するのは争いのタネを蒔くことになる。家庭内の問題に他人が口を挟むと、喧嘩になることと同じである。
⑥卑劣な敵対行為の禁止
暗殺や謀殺、平和条約、中立条約の一方的な破棄などは、国家間の信頼を反故にしてしまう卑劣な行為であり、紛争の原因を作ることになるからである。
カントはこの六つの提案とともに、戦争防止のための政治体制、国際連携のあり方を説いている。
それは、第一に共和制であり、第二に自由な国家による国際法の制定、第三に普遍的に歓迎される世界市民法の制定の三つをあげている。
共和制にして、すべての人が自由であること、社会のすべての成員が共同の法に従い、平等であること、この三点を保障するのが共和制であり、そういう政治体制でなければならないとしている。
代議制の下での共和制であれば、君主がいても、国民に多大な犠牲と経済的負担を強いる戦争などはやれくなるはずだとカントは考えているのである。
これに対して、ヘ-ゲルは厳しい批判を加えている。-
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