外国人のジハ－ド希望者はトルコ経由でイスラム国に入るものが殆どだと云われているから、トルコへの入国時のチェックやトルコへの入国ビザ申請時のチェックを厳重にやることによって防止効果が上がるであろう。
　しかし、戦士を希望してイスラム国に入ろうとする連中はイスラム教徒でもなく、ましてやジハ－ド精神などは皆無であろうから、長い激しい戦闘に耐えられるものではないと思う。必ず脱落するものが殆どのはずであるる。
　だから、イスラム国に兵士として入隊した経験者の過酷極まる経験談を聞かせるのが一番の予防になると思う。が、一度戦士候補として入国すれば、それでおしまい。死んでも帰れないから、それも国難である。が、そこを何とか工夫しなければならない。
　事実２００人もの外国人戦士が処刑されたという事実が報道されているのである。彼らはおそらくは、何にための戦いなの分からない戦いに嫌気がさして、帰国を希望したために殺害されたものと思われる。こいう結末になるのだよということを知らせることとが一番の予防策になるのだと思う。
　３イスラム国殲滅後のシリアをどうするか
　北アフリカの諸国では、「アラブの春」の嵐を吹かせて、独裁者を追い払ってからも、国内は安定せず国民の期待を裏切ったようなことになっている国が多いが、シリアの場合も充分ありうることである。
　北アフリカ諸国の場合は、反政府勢力がわあわあと独裁政権を倒すことに精一杯で、その後の体制をどうするかを良く考え計画せずに突っ走ったからであると思う。
　その点では、その中味は分からないが、イスラム国は、省庁らしきものを設定したり、インフラの整備を始めたり、気を配っているようである。
　いずれにせよ、アサド後の政治を狙う勢力は、アサド政権時代の官僚や軍人を使うことも含めて、今から政治行政のあり方を設計しておく必要があろう。

　このような中ロの後ろ盾もあって、シリアの内戦は一進一退の状態が続き、国土は破壊され、２００万人もの難民を輩出している。
　この混乱に乗じて、漁夫の利を得ようとして、武力介入を行っているのがＩＳＩＳである。
　ＩＳＩＳは前述のように、豊富に資金と外国人ジハ－ド戦士希望者の参加により、優勢に進攻し、支配地に対しては過酷極まる原理主義的なイスラムの戒律を押し付け、恐怖支配をし、勝手にイスラム国を宣言したのだ。
　この残虐非道なイスラム国の所為に対しては、当初は支持をしていたアルカイダも呆れ果てて関係断絶を宣言した程である。
　しかし、イスラム国を殲滅するには、次の三つの難題がある。
　１現在アメリカを中心に、ＥＵ、カナダ、オ－ストラリアが実施している空爆だけで、イスラム国を殲滅させるのは不可能で、地上軍による攻撃が必須だが、それをどこでやるかである。国連が決議すればよいが、中ロが安保理で拒否権を発動するであろうから、これはイラク戦争と同様に有志連合でやるしかあるまい。戦争続きで国民も嫌気が差しているなかで、その決意ができるか否かだ。
　２外国人のジハ－ド戦士希望者をどう食い止められるかである。　

　シリアのアサド大統領は、大統領であった父親の死後、その後をついで息子が大統領になったが、彼は政治家を志していなかったのだが、周囲から押されて大統領になったのである。
　就任当初は、国民から評価されたが、しだいに独裁的になったため、国民の反感を買い、２０１１年に北アフリカを席巻した「アラブの春」にのって、反政府派が大統領の辞任もを求めて武装蜂起したものである。欧米はこれを支持したが中ロが反対したのだ。
　シリアは他のアラブ諸国と違って、ロシア、中国との繋がりが強い。
　特にロシアは、シリアを中東の友好国とし、ＣＩＳ以外の国外の唯一の軍事基地をシリアのタルマットに持ち、また、戦車や戦闘機、ミサイルなどの武器供与を行っている関係にある。
　ロシアは権威主義、独裁の政治形態がシリアと共通しており、その関係でアサト大統領を支持していると考えられている。
　更に、中東への欧米の軍事介入を嫌っていることなどからサダトとの結びつきが強いのである。
　また、中国もシリアとは同盟関係にあり、民主政権の誕生は経済面でもマイナスになるものと判断しており、シリアへの軍事介入は内政干渉だととし反対している。
　因みに、２０１１年１０月の国連安保理の「シリア非難決議」は中ロの拒否権発動で否決されている。

　例えば、コ－ランでは女性を私物化するような規定がある。
　女性には、男性に対しては、父親と夫以外に、素顔や肌を見せることを禁じ、胸、襟足、髪を覆うスカ－フ状のヘシャブ、チャドルを、あるいは目だけ残して全身をすっぽり覆うニブカ、プルカというマント状のものを着用することを義務付けている。
　さらに、家族の男性と一緒でないと外出できないとか、女性に対しては教育は一切しないとかが規定されている。
　これは女性を世間から切り離し、私物化することにほかならないのだ。
　いずれも現代社会では認められない人権無視の規定である。
　パキスタンのイスラム原理主義者たちも未だにこのコーランを強要して、女子に教育を施すことを拒否している。
　そのなかで、これに抵抗する活動を果敢に遂行しているパキスタンの１６歳の少女マララは、イスラム原理主義者から頭を銃撃されたが、奇跡的に回復して、女子教育の運動を続けた。
　その勇敢な行為に対して、２０１４年のノ－ベル平和賞が授与されたのである。
　イスラム国はこのようなコ－ランを強制するばかりか、奴隷制さえも認め、欧米のみならず先進国型の教育、文化を拒否し、イスラム国に攻撃を加えている先進国人の殺害をも宣言しているグル－プである。
　このようなグル－プは、米国のオバマ大統領が言うまでもなく、地球上から殲滅しなければならない。

　こう見てくると、イスラム国のジハ－ド戦士を希望して，かの地へ渡る若者の心理は、そこに多少のイスラム国からの説得の影響があったにしても、愚かな、軽薄かつ場当たり的、向こう見ずな浅慮による行動だと断定せざるを得ない。
　イスラム国に渡った彼らが、まともな神経なら、１００％来たことを後悔することになるに違いない。そうでなくて、彼らが意気軒昂で戦いに参加しているとすれば、それは危険ドラッグ浸けか麻薬漬けにされているからであろうと思う。まともな精神状態では、とてもそんなことは出来っこないからである。
　彼ら無事に連れ戻すためには、彼らが厳しい監視をかいくぐって逃げ出せる道を造ってやるしかないであろうが、それは簡単なことではない。
・イスラム国の本質
　コーランに忠実なイスラム国家を造り、世界をイスラム化するなどと豪語しているが、その本質は、シリアの内戦に乗じて、そのどさくさにまぎにれに、イスラム原理主義を看板にして、自分達の縄張り造りに精出しているにすぎない。
　イスラム教に忠実にと云っても、紀元４世紀から５世紀にかけて生きたムハンマドが神の伝言だしとして述べたことを基に造られたコ－ランを、そのまま２１世紀の世に施行できるはずがないのである。
　コーランが、キリスト教のバイブルや仏教の経典のように、道徳的な訓えや人間としてあるべき道を説くなら、２０００年前でも現代でも変わりはないと思う。
　が、コ－ランは、そればかりでなく、日常生活のこまごましたル－ルや、規律、さらには、犯罪となる行為やその刑罰の仕方まで記されているのだから、時代の変遷で、当てはまらなくなっているのは当然である。
　これを前代の社会に押し付けようとするのは無茶も甚だしい。コ－ランの強制は超アナクロニズムだと云わざるを得ない。

　こう見てくると、イスラム国のジハ－ド戦士を希望して，かの地へ渡る若者の心理は、そこに多少のイスラム国からの説得の影響があったにしても、愚かな、軽薄かつ場当たり的、向こう見ずな浅慮による行動だと断定せざるを得ない。
　イスラム国に渡った彼らが、まともな神経なら、１００％来たことを後悔することになるに違いない。そうでなくて、彼らが意気軒昂で戦いに参加しているとすれば、それは危険ドラッグ浸けか麻薬漬けにされているからであろうと思う。まともな精神状態では、とてもそんなことは出来っこないからである。
　彼ら無事に連れ戻すためには、彼らが厳しい監視をかいくぐって逃げ出せる道を造ってやるしかないであろうが、それは簡単なことではない。
・イスラム国の本質
　コーランに忠実なイスラム国家を造り、世界をイスラム化するなどと豪語しているが、その本質は、シリアの内戦に乗じて、そのどさくさにまぎにれに、イスラム原理主義を看板にして、自分達の縄張り造りに精出しているにすぎない。
　イスラム教に忠実にと云っても、紀元４世紀から５世紀にかけて生きたムハンマドが神の伝言だしとして述べたことを基に造られたコ－ランを、そのまま２１世紀の世に施行できるはずがないのである。
　コーランが、キリスト教のバイブルや仏教の経典のように、道徳的な訓えや人間としてあるべき道を説くなら、２０００年前でも現代でも変わりはないと思う。
　が、コ－ランは、そればかりでなく、日常生活のこまごましたル－ルや、規律、さらには、犯罪となる行為やその刑罰の仕方まで記されているのだから、時代の変遷で、当てはまらなくなっているのは当然である。
　これを前代の社会に押し付けようとするのは無茶も甚だしい。コ－ランの強制は超アナクロニズムだと云わざるを得ない。

　・過酷な状況に敢えて身をおいて自分を試したい
　分からぬことはないが、問題はその方法である。それはいくらでもある。
　例えば、無一文で家を出て、ホ－ムレス生活を体験してみるとか、何も持たずに、無人島で一週間くらい自給自足の生活を体験してみるなど等、人を殺傷するためのイスラム国の義勇兵にならなくても、やり方はいろいろある。
　人を殺さず、人に迷惑をかけない方法を選択すべきである。
　大体、イスラム国プロパ－のジハ－ド戦士の連中は、外国人の、イスラム教について、何も知らない、どこの馬の骨かも分からない連中に対しては、ジハ－ド戦士などとは毛頭思ってもいないと思う。
　彼らは、外国人の戦士希望者を、鉄砲をもった自分達の盾か、あるいはリモ－トコントロ－ルで動かせる、使い捨ての人間銃器くらいにしか思っていないのであろう。異教徒だからである。
　そんなところへ飛びこむのは自殺よりも悪い。自殺は自分の命を犠牲にかるだけだが、そんなジハ－ドまがいの行為は、他人をも殺傷することになるからである。
　イスラム国から敵視されている欧米諸国は、自国からイスラム国に義勇兵として行った連中が帰国して、国内でテロを起こすことを、一番怖れているのだが、イスラミアンとしての実体も信念も持ち合わせていないそんな連中には、自国で、命を賭けてジハ－ドを敢行するような気にはさらさらならないと思う。

　ならず者の縄張り圏のようなイスラム国の義勇兵になろうとする若者の心理はなかなか分からない。
　一旦イスラム国に入ってしまったら、出られないように厳重に監視されているし、出ようとすれば殺されるから、出るに出られない。
　一旦入ったはよいが、失敗した、早まったと悔やんでいる奴も多いと思うが、その思いを聞く手立てがないのである。
　マスコミの記者やジャ－ナリストが入れば、捕らえられて処刑されるから、恐ろしくて入れないのだ。
　だから、義勇兵希望の者の思いを聞くしかないが、そのいくつかを拾ってみよう。
　・ロ－マ・カトリック教会のウソが固められたくびきに嫌気が差した
　これはフランスの若者の弁だが、フランスでは、若者の３０％がイスラム国を支持していると云われる。
　この数字は一寸理解に苦しむが、若者、特に旧植民地出身のイスラム系の若者の失業率が高く、差別化されている彼らの間ではそうなのかも知れない。
　・生と死の極限状況に身を置けば、自分が生きる意味が違った視点から見られると思った
　そんな気持を持つのは分からないでもないが、人を人とも思わない思想を持つならず者団体の縄張り拡張の戦いに参加するよりも、デボラ出血熱に苦しむ西アフリカ諸国の危険な介護という生死の極限に身を呈するほうが、生きる意味を知るという意味でも遥かに優れた選択なのではないか。　
　・ヨーロッパ的な退屈な生活から抜け出したい
　リタイアした老人でもないのに、退屈とはなんだと云いたくなるような台詞である。そんな怠け者に戦場で命を賭けた過酷な戦いが出来るはずがない。顔を洗って出直せと云いたい。

　チュニジアは２０１１年北アフリカ諸国を席巻した民主化要求革命「アラブの春」の起爆剤となった「ジャスミン革命」発祥の地であるが、その革命は、道端で、ものを販売していた青年が官憲に咎められて焼身自殺したことに民衆が怒ったことが革命の発端だったなど、偶発的に起こってしまった革命風の暴動で、結果的には革命的にはなったが、その後の計画も、それを受け継ぐ体制もなかったことから、その後の推移は混迷続きであったことは確かである。
　しかし、このことが双子の青年がイスラム国のジハ－ド戦士になる原因になったとは考え難い。その真相は分からないままである。
　イスラム国のジハ－ド戦士として活動している日本人も５名ほどいると言われるが、その真否もその詳細も分からない。
　分かっているのは２０１４年夏に、ジハ－ド戦士になろうと、イスラム国へ渡航を企て、「私戦予備及び陰謀罪」容疑で逮捕された北大生である。
　彼は北大は休学中で「来年くらいに自殺しようと思っていたから、どうせ死ぬならドンパチやって潔く死にたいと思って」などと捨て鉢のような発言をしているが、死刑にしてもらたいから人を殺すのだ、と言う奴と変わりなく、精神鑑定を必要とするような人物である。
　　ジハ－ド戦士希望でイスラム国に入ろうとする手合には、どうも、この種の若者が多いようである。
　彼らは、コーランを読むどころか、イスラム教のいろはも知らないで、報酬付きで、自動小銃をもって人を殺させてもらえる仕事程度の認識しかない奴が大半なのであろう。
　

　チュニジアは２０１１年着たアフリカ諸国を席巻した民主化要求革命「アラブの春」の起爆剤となった「ジャスミン革命」発祥の地であるが、その革命は、道端で、ものを販売していた青年が官憲に咎められて焼身自殺したことに民衆が怒ったことが革命の発端だったなど、偶発的に起こってしまった革命風の暴動で、結果的には革命的にはなったが、その後の計画も、それを受け継ぐ体制もなかったことから、その後の推移は混迷続きであったことは確かである。
　しかし、このことが双子の青年がイスラム国のジハ－ド戦士になる原因になったとは考え難い。その真相は分からないままである。
　イスラム国のジハ－ド戦士として活動している日本人も５名ほどいると言われるが、その真否もその詳細も分からない。
　分かっているのは２０１４年夏に、ジハ－ド戦士になろうと、イスラム国へ渡航を企て、「私戦予備及び陰謀罪」容疑で逮捕された北大生である。
　彼は北大は休学中で「来年くらいに自殺しようと思っていたから、どうせ死ぬならドンパチって潔く死にたいと思って」などと捨て鉢のような発言をしているが、死刑にしてもらたいから人を殺すのだ、と言う奴と変わりなく、精神鑑定を必要とするような人物である。
　　ジハ－ド戦士希望でイスラム国に入ろうとする手合には、どうも、この種の若者が多いようである。
　彼らは、コーランを読むどころか、イスラム教のいろはも知らないで、報酬付きで、自動小銃をもって人を殺させてもらえる仕事程度の認識しかない奴が大半なのであろう。
　
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