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from: 倭寇の末裔さん
2015年07月31日 11時52分37秒
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違憲裁判 (7)
・統治行為論
三権分立と言うまでもなく、国家の基本となる立法、行政、司法の三権が一カ所に集中されないように、それそれ相互に牽制させる仕組みであり、それが民主主義の根幹をなすものである。
基本原則はこうなのだが、法律上の訴訟として裁判所による法律判断であるにも拘わらず、国家統治の基本に関する高度の政治性を有する行為については、司法審査の対象から除外するという考え方が、統治行為論である。つまり三権分立の例外領域みたいなものを設けようというものである。
この考え方は、
1裁判所による判断と政治的な決定との齟齬による混乱を避けるため
2こういう齟齬が発生した場合、その判決の実現可能性が薄れることを配慮するもの
によるものだと言われている。
最近特に、有権者の一票の価値が、選挙区によって大きく違い、それが法の下の平等を欠くものだとして、裁判になり、違憲状態だとする一審、二審の判決が多数下されている。違憲だとする判決もあるが、ほとんどは「違憲状態」たという判決にとどまっている。
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from: 倭寇の末裔さん
2015年07月23日 09時22分37秒
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違憲裁判 (6)
7国籍法と子の国籍訴訟
父母は結婚していない婚外子であっても、子が生まれる前に父親から
の認知があれば子どもは国籍を取得することができた。
更に最高裁は、両親が結婚していないことを理由に、国籍法で、日本の国籍を認めないのは、法の下の平等に反するとして、請求者全員に対して日本国籍を認めた。
8婚外子の相続分訴訟
原告は、従来の民法では、婚外子の相続分は、嫡出子の二分の一と定められていたが、国連からも相続分の平等を再三求められているし、格差規定は無効と判断すべきと主張した。
これに対して嫡出子側は、現在の規定は、法廷婚を尊重しつつ、婚外子にも一定の配慮したものであると反論していた。
しかし、最高裁は、法の下の平等に反する憲法違反であるとして格差規定は違憲という判決を下した。
ここにあげたものは、最高裁が違憲として下した判例の主なものである。
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from: 倭寇の末裔さん
2015年07月22日 17時12分21秒
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違憲裁判 (5)
3衆院議員定数訴訟
1976年4月14日、選挙区によっては、4.98倍の格差があるのは、法の下の平等を欠いており、違憲ではないかという訴訟で、違憲であると判決した。
4衆院議員定数訴訟
1985年7月17日、3と同様に、4.4倍の格差があるのは違憲であるとの判決が下された。
5玉串料訴訟
重要な宗教上の祭祀に際して、靖国神社に対して、玉串料として公費を支出することは相当限度を超え違憲であるとされた。
6在外邦人の選挙権訴訟
在外邦人らが、選挙権が行使できることなどの確認と、行使出来なかったことによる慰謝料の支払いを求めた訴訟。
東京地裁は訴えを棄却したが、最高裁は、海外在住者も
選挙権を行使出来る途確認した上で、96年の選挙で選挙権行使出来なかったことについて、一人あたり5000円を支払うわように命じた。これは国に立法不作為による賠償を命じた初めての判決であった。-
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from: 倭寇の末裔さん
2015年07月13日 09時42分23秒
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違憲裁判 (4)
・違憲裁判の事例
ここで、実際に違憲裁判が行われた事案について考えてみよう。
1砂川事件
1952年7月、当時の立川基地東京調達局が、強制測量をした際に、基地拡張に反対するデモ隊の一部が米軍基地に数メ-タ-立ち入ったとして逮捕、起訴された事件。
一審判決は、米軍駐留を許したのは憲法第9条2項に違反するものであるとして全員無罪とした。これに対して、検察は最高裁に飛躍上告した。
その結果、最高裁の判決は、「憲法第九条は日本が主権国家としての自衛権を否定するものではない。戦力とは国が管理して戦う場合をいうのであって、外国軍隊の駐留は違憲ではない。日米安保のように高度の政治的な判断に基づく条約については、一見して明白に違法違反と認められるものでない限り、その内容について判断するのは控えたい」というものであった。これは統治行為論に基づくものであった。
2苫米地訴訟
1952年、衆院解散で職を失った原告苫米地義三が、任期満了までの職の確認と歳費の支給を訴えた事案である。一審は請求を認定したが、二審は破棄。これに対し最高裁は、憲法審査は裁判所の権限外にあるとして統治行為論に基づき裁判所判断を回避した。
これは、解散は高度政治的判断によるもので、それに伴う失職はやむを得ないものという判断であった。-
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from: 倭寇の末裔さん
2015年07月12日 09時57分38秒
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違憲裁判 (3)
ちなみに、このばあいのプログラムの意味は政治の方針という意味である。
この部分社会論やプログラム理論にる理由付けはよく分かるが分かりにくいのは「統治行為論」である。
これは高度に政治性を帯びている問題については、政治判断に任せて、司法部は介入しないという考え方であるが、司法部による審査が可能であるにも拘わらず、その判断を避けるのはその理由が分からない。
第一に、高度の政治性を有するというが、高度か低度がその限界もランキングがはっきりしないしから、その取り扱いがハラバラになる可能性がある。
第二に、三権分立の考え方は、三権の相互牽制と均衡を狙いとするものでその機能を制約するようなことは避けるべきであると思う。
第三は、三権分立の司法の役割は、多数決で突っ走る民主主義の弊害にブレ-キを掛ける働きをも担うもので、その機能は重視すべきであること。
第四は裁判官の身分は保障されているから、独立性、中立性の面で右顧左眄して判決を下すことはないこと。
第五は裁判官の能力の限界は考えられるが、これは三審制がとらられいるから是正されるものと思う。
一番心配されるのは、判決によっては、法秩序を維持すべき裁判所が秩序を混乱させはしまいかという点である。-
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from: 倭寇の末裔さん
2015年07月05日 10時11分26秒
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違憲裁判 (2)
しかし、国内で提訴されても裁判所で扱わない問題もある。
憲法第81条では、司法庁は一切の法律、命令、規則又は処分の合憲性を決定する権限を有するとされているが、この例外と決めている事柄もある。
たとえば、「議員資格の争訟問題」「裁判官弾劾」「大赦、特赦、刑の執行免除、復権の決定」などの裁判権は国会に所属する。
また、団体が独自の処分権限を有することを事前に承諾して、その団体に加入している場合は、内部自治に関する事項として裁判所は関与しない。これを「部分社会論」という。
更に、「プログラム規定」というものもある。
これはドイツのワイマ-ル憲法で決められた考え方で、憲法には、多くの社会権や請求権が規定されているが、それらすべてに対応することは出来ないから、これを避けるために、政治の努力目標、方針を示すに止め、具体的な権利は規定せず、違反しても処罰はしないという考え方である。
たとえば、「景観権」などが憲法に規定されれば、それはプロラグム規定となるであろう。-
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