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カジュアル哲学 (続)

カジュアル哲学 (続)>掲示板

公開 メンバー数:11人

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月30日 11時32分50秒

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    i日本がやるべき積極的平和主義 (7)

    ・阿倍内閣の安保法制批判
     2015年の安保法制案についての問題点をあげて見よう。
    1集団的自衛権は限定的であっても違憲だ
     憲法九条は、交戦権も国際紛争を解決する手段としての武力の行使も禁止しているが、主権を持つ国家として他からもつ武力攻撃されたときに、これに反撃して、国を護る個別的自衛権を持つのは自然権として当然である。
     しかし、日本が攻撃されていないのに、他国支援のために武力を行使することは、それが限定的であっても、許されない、憲法違反である。
     このことは、これまで歴代の内閣が認め、法の番人である内閣法制局が認めてきた通りである。
     しかし、阿倍は、
    ①密接な関係にある国が武力攻撃を受け、そのために、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある
    ②他に適当な手段がない
    ③必要最小限度とする
    の三条件を満たせば武力の行使を認める。これは限定的な集団的自衛権で違憲ではないと主張するのである。
     




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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月27日 08時57分27秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (6)

    3国際平和支援法案
     国際社会の平和と安全を脅かす事態が起こり、その脅威を除去するために国際社会が国連の目的に沿い、かつ、日本が国際社会の一員としてこれに、主体的かつ積極的に寄与する必要がある場合に、その活動を行う諸外国の軍隊などに対する協力支援活動を行う。
     戦闘活動を実施している場所、もしくし、その近傍において、戦闘行為が行われる、あるいはそれが予測される場合または、部隊として安全を確保するために必要と認められる場合には、協力支援活動を一時休止し、または避難するなどして危険を回避する。
     自己または自己とと共に現場に所在する自衛隊員もしくは、その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の防護のためにやむを得ない必要がある場合には、合理的と判断される限度で武器を使用できる。
    従来はこのような戦争をしている他国軍を支援するには、その都度期限を区切った特別立法をしていたが、その手間と時間を省くために、一週間以内の決定を条件とする国会の承認の下に、自衛隊がいつでも、どこでも行けるように恒久法をしようというものである。

     この改正案では、出動した自衛隊は、同一の目的で活動する他国軍が武力攻撃を受けた場合はこれに武力で支援することゆわゆる「駆けつけ支援」、更に、保護を求めて入ってきた難民を救護することも認めることになっているが、これらは、集団的自衛権がなくても、緊急避難の法理で現行法の下で可能であると思う。

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月26日 10時32分08秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (6)

    3武力攻撃・存立危機事態法
     この法案は日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由と幸福追求の権利根底から脅かされる明白な危険がある事態をいう。
     このような事態であること、あるいはそれが予測しうる事態であることの認定とその前提となった事実、これを解決する為に他の方法がないこと、だから事態に対処する為には武力を行使が必要であるを確認し、武力行使を行うというものである。

     日本と密接な関係にある他国だから、アメリカとか日本側にある国であろうが、この国が武力攻撃されて、そのために日本国民の生命、自由が根底から脅かされるというのはどういう事態なのか想像し難いし、その急を要する認定を、誰がどのように明白にやるのかも不明である。
     たとえ、日本周辺にいるアメリカ海軍のイ-ジス艦が武力攻撃を受けたり、9.11の同時多発テロのような事件がアメリカ本土で起こったとしても、それが日本国民の生命や自由を根底から脅かす明白な事態とは言えないのである。
     逆に、日本と密接な関係にある他国が、武力攻撃を加えられれば、すべて、日本の危機であると強弁して、自衛隊を派遣して、日本が武力行使をすることも可能になるのである。これは完全な集団的自衛権を認めることである。 
      

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月25日 06時45分52秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (5)

    2重要影響事態法
     そのまま放置すれば、日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等日本の平和と安全に重要な影響を与える事態を重要影響事態と称し、この際に合衆国軍隊などに対し後方支援活動を行うことにより、日米安保条約の効果的な運用に寄与することを目的とする。ただし現に戦闘行為が行われている現場では行わないし、戦闘が始まれば撤退する。

     この後方支援とは、90%以上戦闘の帰趨わ決する兵站活動であり、これは戦闘と一体の活動になるから、敵の攻撃の重点になり、その場合応戦せざるを得なくなり、戦争に巻込まれることになる。 
     また、兵站活動中に戦闘が始まったからといって、兵站活動を中止して自衛隊だけが兵站任務を放棄して撤退することなどは出来るわけがない。戦闘体制を乱すことになり、これは敵前逃亡に等しい行為になるからである。
     つまり、重要影響事態活動は、政府の意図に反して戦闘
    行為に巻込まれざるを得ない活動になるのである。政府がこんなことに気がつかないはずはなく、戦闘は避けられるというのは全くの誤魔化しである。

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月24日 09時32分45秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (4)

     このように、阿倍の執念と東アジアの保安環境悪化という不安恐怖症から、砂川判決からでっちあげた、最高裁も集団的自衛権容認という虚構の上に建てられたのが、集団的自衛権の安保法制案であると言わねばならない。
     この法制案の中核をなすものは、「存立危機事態法」「」重要影響事態法」「国際平和支援法」の三法であろう。
     その要旨とコメントを述べておこう。
    1存立危機事態法
     存立危機事態とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民に生命、自由と幸福追求の権利が根底から覆される明白な危機がある事態を言う。
     これが認定され、この事態を防ぐためには、他の手段がない場合には武力の行使ができるとされている。

     しかし、振り返ってみると、こんな事態を感知したのは、第二次大戦末期、米軍からの長期にわたるしつこい空爆で、首都東京はじめほとんどの地方都市が壊滅し、食うものも底をついた時期くらいであったのだ。
     それを考えると、同盟国が攻撃されたくらいで、日本がそんな存立危機に立たされる事態になることは考えにくいのである。その武力攻撃によって同盟国が壊滅に瀕する場合は別だが、それも現実的には考えにくいのである。
     


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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月23日 08時38分32秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (3)

    ・安倍流積極的平和主義
     阿倍の本丸は、母方の祖父岸信介が果たせなかった平和憲法の改定である。しかし、これを提起するには、参院での与党の議席数が不足であり、国民の憲法改定意識も希薄であり、現時点ではその実行は不可能である。
     しかし、阿倍としては、せめて、これまで歴代の内閣で不可とされ続けてきた、集団的自衛権行使くらいはやれるようにしたい。
     そこで、頭を絞って思案した挙げ句、憲法の解釈を変えて、ゴリ押し承知で、これを可能にすることを決意したのであろう。
     幸い?なことに、中国はその経済発展に伴って軍事力を急速に拡充させ、日米に脅威を与えているし、北朝鮮では核兵器開発が進み、長距離ミサイルに核弾頭を搭載できるレベルまでに至っているという東アジアの安全保障上のリスクも高まっている。
     また、法的には、かっての最高裁の砂川判決には、日米安保条約に伴っての米軍の日本駐留に関して、独立国として自衛権を持つのは当然である、という一節があり、これを拡張解釈して、この自衛圏には、個別的自衛権だけでなく、集団的自衛圏も含まれていることにすれば、立派な法的根拠になり得るということにしょうと決められたのであろう。
     これは、まさに、詐欺師的思考、三百代言言辞であるとし言わざるを得ない。

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月22日 09時33分17秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (2)

     ただ平和憲法に頼って個別的自衛権のみしか認めず、同盟国アメリカにも助けてもらうだけの偏務的な同盟関係になっている消極的平和主義では、今後、日本は生き残れないというのが、阿倍の積極的平和主義の根底にある考え方である。
     これを実現するためには、偏務的な軍事支援を双務的にし、集団的自衛圏の容認など法制度をはじめとする体制造りが「戦後レジ-ムの改革」である。
     これが、阿倍晋三の積極的平和主義のあらましであるが、学問的にどういう見方が出来るのか考えてみよう。
    ・平和学的考察
     平和学という学問があるが、平和学での平和の定義は次のようになっている。
     消極的平和
     単に戦争がない状態
     積極的平和
     貧困、抑圧、差別などの構造的暴力がない状態
     しかし、この積極的平和の定義は首肯し難い。
     貧富の差や何らかの差別は競争社会の中には常にあるし、それを積極的平和の条件
    とすると、平和と非平和の境界が分らなくなるからである。
     尤も、平和の意味を一切の争いが無い状態ということにすれば、貧困や差別などが原因で国内で発生する暴動なども争いに含まれるから、これを防止することも平和活動の範疇に入り、積極的平和の活動に包含してもよいであろう。が、これは軍事活動の問題というより、治安維持の警察行為の問題であるから、これは切り離して考えた方がよいと思う。
     平和は単に、戦争の無い状態という定義で良いと思う。
    積極的、消極的という形容句は、平和を維持するために国家の姿勢であると考える。
     このように、平和学の言う積極的平和主義は阿倍の考え方とは全く別物であるが、阿倍晋三の言う積極的平和主義の問題に戻ろう。





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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月21日 09時34分18秒

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    日本がやるべき積極的平和主義 (1)

     阿倍晋三は2008年の第一次安倍内閣当初から、「戦後レジ-ム」の変更と「積極的平和主義」への改革を日を標榜してきた。
     彼と同期で衆院議員に当選した田中真紀子によれば、その初当選時代から、彼が心酔はしていた母方の祖父岸信介が果たし得なかった、平和憲法の廃止と自主憲法の制定による戦前レジ-ムへの接近を達成することを政治家としての畢生の目標としてという。
     彼のこの信念は、その後の世界の変化と日本に対する世界の視線の変化のなかで益々確信化されたのであろう。
     視線の変化とは、湾岸戦争の際に、世界から「」日本はカネは出すが、血は流さない」とか批判されたり、知日派のア-ミテ-ジから、「on the ground」と
    自衛隊の戦闘参加を切望されたりなどのことがあったり、中国の大国化に伴う軍拡や海軍強化、北朝鮮の核武装の進展などの北東アジアにおける安保環境の悪化という問題が起こったからである。
     彼の思い描く、積極的平和主義の考え方は単純なものである。
     つまり、このような保安環境が悪化している東アジアで日本が生き残るためには、戦争抑止力を強化し、相手に日本を攻めることを躊躇させ続けられるようにすることが必要である。そのためには、同盟国米国との共同戦線をより強化し、日米同盟の戦争抑止力を強化しなければならない。集団的自衛権の確立はその一歩である。

      


     

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月02日 08時38分59秒

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    違憲裁判 (10)

     そうであれば、憲法改正を提起して、憲法第九条をを改正して、他から武力攻撃受けなくても、他国を先制攻撃し得る軍事力を備えることができるようにすれば良いのである。
     しかし、日本人はそれをしたくない心情があるのだと思う。
     戦後70年間日本の自衛隊が、敵を一兵たりとも死傷させることもなく、又、自衛隊員にも一人の戦闘死傷者も出さずにやってこれたのは、ひとえに平和憲法のお陰であったと思う。
     アメリカの核の傘の下で護られていたからであるという意見もあるが、それは違うと思う。その間には、世界のどこでも核兵器は全く使われなかったのだからである。
     使えもしない核兵器を、日本の同盟国、アメリカが持っていたから、日本が攻撃されなかったというような理屈は全く成立しないのである。
     日本人には、このように現実と乖離しすぎた第九条であっても、それを平和に対する人類の理想として掲げ続けてておくことに、信仰的な愛着を感じているから、これを変えようとすることは全く思わないのだと思う。
     だから、自衛隊はあくまで自衛のための自衛力であれば良いので、それを軍隊にしてはならないのである。
     そこほ曖昧にしておくのが、日本における統治行為論の知恵ではないかと思う。


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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年08月01日 14時15分40秒

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    違憲裁判 (9)

     この日本国憲法が施行されたのが昭和22年5月3日であるが、アメリカはご都合主義の国で、そのわずか3年後の昭和25年に朝鮮戦争が勃発するや、旧日本兵を北朝鮮と戦わせるために、アメリカは日本に再軍備を要求したのであった。これに断固反対したのが、当時の首相吉田茂であった。国民は長期間の戦いにうんざりしているだけでなく、カネもないという理由であった。
     その代わりに、吉田はマッカ-サ-の命令で「警察予備隊」を創設させられた。これが今日の自衛隊の前身となった。
     が、これも素直に考えれば、憲法違反である。
     つまり、自然権である個別自衛権まで否定するような九条の書き方をするから、現実とはあまりに乖離しすぎているて、統治行為論みたいな論理が出てくることになるのだと思う。

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