中国政府は、少数民族の集住地区に大量の漢族を移住させて、少数民族の言葉を無用化してしまうことを方針としているのである。
　そのことは、新疆ウイグル地区にウイグル人の数に匹敵する７５０万人の漢族を移住させ、また、チベットにはチベット人を上回る８００万人の漢族を移住させている事実に如実に現れている。
　少数か多数かは、相対的なものである。少数民族であれば、なお更のこと、先祖から受け継いできた、言語、文化、伝統を失うことは、この上なく悲しいことなのだ。
　１００万人を超える人口を擁し、固有の文化、言語、宗教を持ち、独立意識の高い少数民族には、真の自治か、その独立を認めるのが筋であると思う。
　これを無視して、多数民族への同化を強いるのは１９世紀的な植民地主義に他ならない。
　だから、抑圧された少数民族の反乱や暴動が頻発するのである。
　その独立を認め、良き隣国として互恵関係を築くことこそが、大国らしい寛容な最善策であると考える。