・社会保障制度の設定
　中国は、１９８６年の全人代で、社会保障制度の必要性が論議され、同年、国営企業や外資系企業の従業員に対して、退職後の年金支給のために、企業と個人が保険料を負担して、年金と失業者の生活保障をする法規を制定した。
　更に、０６年には、「社会保険法」「社会救済法」を制定、東北３省で実験された。
　しかし、この制度は比較的恵まれたサラリ－マン中心で、本当にそれを必要とする都市の貧困層や農村は軽視されているのが実態である。
　また、中国社会での医療格差は大きい。
　都市から一寸離れた農村には、まともな診療所もなく、あっても、医師はおらず、看護師だけで、体温計しか置いていないといういうのが殆どであるという。
　医療保険がないため、もともな医師に診てもらうためには、親戚や知人からカネを駆り集めて、夜明け前から病院の前の長蛇の行列に並ばないと、診療が受けられないという。