このような官僚腐敗は、中央省庁より地方政府がひどく、官僚腐敗による被害を地方政府に訴えても、相手にされない。そのため地方の住民が中央に訴えようとすると、中央省庁の前で地方の官僚が待ち伏せして、訴えに来た者を拘束し、引き戻されてしまうという。

　以上述べてきたことは、内政に関しての中国の大国らしからぬ主要な問題であるが、外政についての問題も少なくない。これについて考えてみよう。
・他国領土に手を伸ばす
　１０年、尖閣諸島沖の日本の排他的経済水域に、中国漁船が侵入し、漁をしていたのを日本の海上保安庁の巡視艇が、警告したところ、漁船は巡視艇に体当たりして、逃走を図った。これを追跡、停船させ、船長を拘束するという事件が起こった。
　尖閣諸島は、１８９５年に日本が領土宣言をしている諸島であり、一時は、鰹節の加工工場が設置され１００人以上の日本人が居住していた島である。
　中国は、１９６０年代になってから、尖閣列島は中国領だと主張し始めたのである。