イスラルは1９６７年の第三次中東戦争で占領した、ヨルダン川西岸のパレスチナ領に深く入りこみ、続々とユダヤ人を移住させている。これは国際法違反として、国連総会では何十回も撤退勧告されているが、イスラエルはこれに応じようとはしない。
　これに対してパレスチナ暫定政府は、この占領地から、イスラエルが撤退しない限り、和平交渉には応じないと、強硬に主張し続けている。
　国連安保理でも、イスラエル非難決議が何回も提起されるがその度に、アメリカの拒否権発動で決議はできないまま推移しているのである。
　その理由は、パレスチナの過激派組織を、アメリカは、テロと決め付けていることにあるから、という説もあるが、少数民族ながらアメリカの政治、経済で強い力を持っているユダヤ系アメリカ人に遠慮しているためというのが正解であろう。
　このような、不条理、不公正が続く限り、中東和平は進展しないであろうし、イスラム過激派テロが、自らを正当化する口実ともなり続けるであろう。