このような、安保理での不公正な姿勢は中国も同じである。特に北朝鮮問題については突出している。最近の例を挙げよう。
１韓国哨戒艦撃沈事件
　韓国は、北朝鮮による魚雷攻撃であるという証拠を示して、安保理に非難決議を求めたが、中国の反対で、名指しもしない「議長談話」という極めて軽い措置で済ませてしまった。
２延坪島砲撃事件
　１で国連に提起しても効果がなかったことに懲りて、韓国は、国連への提起は止めて、再度挑発してきたら、その何倍もの報復をする体制を整え、その旨を北朝鮮に通告するやり方に変えた。これは安保理に対する不信の意思表示である。
　中国の姿勢は、北朝鮮を刺激しないようにする、６者協議の場での話し合いで解決を図るという姿勢で一貫させているのだ。
　一方、日米韓は、これまでの６者協議での約束を、北朝鮮は悉く反故にしてきた経緯から、これに応じるようなバカなことはしたくないのである。
　要するに、中国は、北朝鮮を庇うためには、そう言うしかないのである。