・子どものプライド
　学校での子どものいじめの問題が深刻である。しかし、自分の子どもが教室でいじめを受けていることを親が知らない場合が多い。子どもは、親に言いつけると、先生に伝わり、騒ぎになって、却って仕返しを受けることが怖いから、ということもあって、自分が学校でいじめられているということをなか、なか親には言わないからである。
　この問題を取り上げたテレビ番組で、識者が「それは、子どもにもプライドがあるから言わないのです」と解説していたが、これは違うと思う。子どもが親に言わないのは先に書いた理由からである。
　子どものプライドは別にある。それは自分の父親はえらいという思いである。
　家庭を全く顧みなかったり、母親や子どもの暴力を振るったりで、母親が常日頃父親を悪し様に言っているような家庭を除いては、子どもは父親をえらいと思い込んでいるものである。
　だから、父親を他から悪く言われたりすると、プライドと言う言葉を知らないままに、怒るのである。