チェックするのは、せいぜい自分が退職する直前か、年金受給する直前くらい、あるいは受給してから、その少なさから「おかしいのではないか」と気づくことになるのだ。
　その時点では、支払った証拠になる給与明細書や銀行通帳などをずうっと保管しているような人は殆どいないであろうから、支払いの証明は困難、ということになるのだ。
　また、年金集金人が横領していても、時効になってしまっているのである。
　これを防ぐためには、年金保険料支払い状況を通帳記帳にするか、あるいは、年一回くらいの支払い実績通知などの方式で、被保険者が確認できるような制度にしておく必要があったのである。
　事実、中小企業共済制度では、年１回の支払い実績通知の制度が取られているのである。
　年金制度でも、こういう形なっておれば、５０００万件の殆どは「消えたり」｢消されたり」されることはなかったであろうし、その調査と対処のための莫大な時間、経費のムダは生じさせずに済んだであろう。