要するに、人間が分っている自然法則などは未だほんの一部に過ぎないということなのである。
　自然には敵わない人間にできることは、人間らしいやりかたで、自然への適応をすることである。自然への挑戦だの、自然の克服だのということは考えてはならないのだ。
　・自然の法則を、ミクロ、マクロ、短期、長期の視点から、可能な限りしっかり認識すること
　・その自然法則の人間と生物への影響を考えぬくこと
　・人間の営為が、自然のなかで、どのような因果関係に展開するかを、しっかり判断すること
　・自然からの被害をできるだけ少なくするように工夫し、その確からしさを絶えず確認し続けること
　このような形で、自然との適応を図りながら、より良く生き、繁栄してゆくことが、自然の一部としての「人間の進化」であり、これからの「自然哲学」であると思う。