この感覚と、独裁者が多いという事実とは無関係ではないと思う。
　しかし、それも限度がある。独裁が長期化し、図に乗って利権独り占めが拡大して、貧富の格差や差別に対する庶民の不満が鬱積すれば、何かのきっかけで、それが爆発することにもなるであろう。
　その爆発規模を大きくざせたツ－ルとなったのが、ソ－シャルメデイアであった。
　ツイッタ－やフェイスプックで、仲間や一般大衆に呼びかけ、それに呼応した人たちの多発的連鎖反応で、燎原の火のように、短時間のうちに一挙に反政府デモ勢力や反政府運動を膨張させたのであろう。まさにソ－シャルメディアの威力である。
　それが、２０１０年、実際にどのように、北アフリカ、中東を駆け抜けたのか、その伝播、波及経緯を探ってみよう。
・「アラブの春」の経緯
　発端はチュニジァであった。