この不満が、隣国チュニジアの「ジャスミン革命」に触発されて、２０１１年１月、大規模な反政府デモが発生、軍が中立を保ったため警察力だけではデモを鎮圧しきれず、ムバラク大統領は２月に、国家権力を軍事最高評議会に移譲するという形で退陣した。
３リビア
　その特異な言動で「アラブの狂犬」という異名を付けられたカダフィ大佐が、ク－デタ－を起して政権の座についたのが１９６９年９月であった。
　それ以来４０年以上に亘るカダフィ政権時代のリビアには、憲法も国会も政党もなく、直接民主制と称されてはいたが、完全なカダフィ－の独裁で、反対勢力という疑いがあるというだけでも、悉くカダフィ－よって殺されたのである。
　このような恐怖政治の下で鬱積されていた民衆の不満は「ジャスミン革命」で一挙に暴発したのだ。
　しかし、カダフィ－は、独り占めしていた莫大な石油利権の資金を使って、隣国から傭兵をして、「ねずみども」と罵った反政府勢力を叩き潰そうとしたのである。