人間の問題については、これまでにいろいろなん角度から取り上げてきたが、ここでは、人間がいかに形成されるのかについて考えてみようと思う。
　ここで、人間形成というのは、人間の肉体的な変化や成人化するというの意味ではなく、人間が「十人十色」と言われるような、゜ひとりひとりの違いが、どのような要因で、いかに形成されるのかという問題である。
　それは、個々人の性格やものの考え方、行動パタ－ンなど、個々人の人間性の一切を含めた個性なるものがどのように形成されていくかの問題である。
　「自分らしく生きたい」という望みは誰もが持っている。それは自分の個性が発揮されような状態で生きたいというのであろう。が、その個性とは、他人と違うものといういう意味ではないと思う。他人と違うとか、違わないとかいうことではなくて、他人と違おうと違うまいと、自分がこう在りたいと思っているようにも、自分の好きなように生きたいという思いが、「自分らしく」という意味であると思う。