若者の間に「自分らしく生きたい」と思う者が多くなっている。この「自分らしく」という表現は、そう高尚なことを考えているのではなく、「自分の思うような生き方」とか、せいぜい「自分のレベルにマッチした」という程度の意味であればましだが、それ以前の「自分が目立ちたい」とか「皆の注目を浴びたい、輝きたい」と言う程度の思いであろう。つまり低レベルの自己顕示欲なのだ。
　こんなこと思うのは若い女に多い。若い男には少ない。これは、近年良く言われる、若い男に動物性人間が減り、植物性人間が増えたから、ということではなく、若い女は、自分の若さやセックスアッピ－ルをもっと人目に晒したい、見てもらいたいという気持ちの強さに過ぎないのではないかと思う。
　若い女の子ほど、短いスカ－トをはき、太ももを晒すような服装をしたり、お尻の輪郭がまるまる分かるようにぴったりしたパンツを好んではくのも、そのなによりもの証拠であるように思うのである。
　これは、「自我」とか「自意識」という以前の生理的、性的心理によるものであろう。