自分を適正に認めてもらいたいという気持ちは誰でも持っている。自分が誤解されているとまではゆかなくても、相手が自分に対して、間違った認識をしておれば、自分に対する対応や処遇、役割付けなどの面で不都合が生じる惧れがあるからである。
　実際、これは難しい問題である。
　長年連れ添ってきた夫婦は、お互いに相手を知り尽くしているような思いでいるが、必ずしもそうではない。
　一緒になってから、何年も経ってから、そんな目で見られていたのかと改めて思い知らされることも、お互いにあるのである。
　それは、お互いにすべてのことを伝えあっているわけでもなく、お互いに勝手に、こうであろうと思い込んでいることも少なくないからであろう。
　そんなとき、改めて、自分を適正に認めてもらうことの難しさを痛感させられるのである。
　しかし、この、自分を適正に認めてもらいたいという思いと、自己顕示意識とは違う。