カネ、名誉、地位、長寿などをつまらくない人生の条件にあげる人もある。そう思っている人はそれで良いが、次元の低い考え方である。
　カネは、自分と連れ合いの老後の生活を支え得るだけのものがあれば、それ以上は要らない。
　子どもには、しっかり教育を施しててやれば、それで十分で、それ以上の遺産を残してやる必要はない。
　長寿も、周りに支えられなければ日常生活もままならないような状態で、ただ生きてるだけでは無意味だからである。
　名誉も地位も、上記の四つの条件を満たしているようなものでなければ、一場の「邯鄲の夢」に過ぎないものである。
　要するに、上記の四つの条件を備えていると自分が思える人生こそ、死に際に「これで良かった」と思える人生であると思う。
　自分の人生を、つまらない人生だと思いたくなければ、すくなくとも不惑を過ぎたら、意識してこの四つの条件造りに努める必要があろう。