具体的には、専用の綿棒で口腔内粘膜を採取して、これからDNAを検出して、秘めている潜在能力を見つけ出すのである。これは学習、感情、音楽、絵画、リズム、運動の６分野、４１能力のジャンルから調べられるという。
　実際、この検査に基づいて、能力があると示された分野に集中して、勉強させた結果、満足すべき成果を挙げている事例もあるのである。ちなみに、この検査は、日本でも一件６万円くらいでやられており、需要が増えているという。
４生命選択
　このようなヒトゲノム検査は、当然人として生まれてくる以前の受精卵にも適用可能である。
　実際に受精卵の段階で、遺伝子検査をし、病気のリスクだけでなく潜在能力のチェックをして、希望に応えられる受精卵を選んで妊娠し、出産することも可能になっているのだ。　
　この実践例があるか否かは不明だが、今後出てくる可能性は高いと思う。
　こうなると、まさしく生命そのものが選択されるということになるのである。
　このように、ヒトゲノム解析により、病気の罹患確率が分かったり、新しい治療法や薬品が開発されたりするのは良いが、子どもの進路をコントロ－ルしたり、ましてや生命の選択までするようことになると、世の中は一体どういうことになってしまうのであろうか。それは後で論ずることにしよう。