フラッシュ・ヴィンテンバ－グは、成熟した民主主義の条件として、権力行使の形での、トップダウン的なガバメントではなく、多様なアクタ－、例えば、政府から独立した民間社会集団と政府とのコミニケ－ションという形での水平的なガバナンスが望ましいと述べている。
　それは分かるが、問題は、国から独立したどのような集団かである。これが出来るということは、政治に関心を持つ一般大衆が増え、その識見、知識のレベルが高いということが前提になると思う。そのような条件がないと、政治に影響を与え得るような集団は出来ないからである。
　個人ではダメで、個人が集った塊にならなければ、力は発揮できないことは分かるが、偏った右翼的あるいは左翼的な集団では、間違った方向へ走りかねない。
　オバマ大統領の医療保険制度の改正に猛反対したアメリカのティーパ－ティはその傾向があると思う。
　政治に影響を与え得る健全な民間集団は、支持政党なぞないほうがよい。是々非々主義で長期的、短期的正論を打ち出せればよい。それが正しいポピュリズムとして政治に影響を与えればよい。
　しかし、それは一朝一夕には出来ないし、そんなことは永久に望むべきもないかも知れない。