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from: 倭寇の末裔さん
2014/07/26 08:38:07
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無思慮への警告 (2)
この種の裁判の被告人弁明と同じく、アイヒマンは、「自分は上司の命令に従っただけだから無罪である」と幾度も主張したに違いない。それをアーレントは、機械的に上司の下命に対応するだけの凡庸な無思慮の男と断定し、その行為を「陳腐な悪」と決め付けたのである。
・「悪の陳腐さ」という警告
この警告は、誰でも普通の人がアイヒマンの立場に置かれたら、彼と同じような罪を犯すであろう。そのような立場に置かれると、思考停止のに陥ってしまい、倫理に反することであると感じてはいても、その内なる良心の声には耳を塞いで、その下命に盲従してしまう過ちを犯すであろうことを指摘しているのである。
官民を問わず、組織体に所属する人は法令や規則、上司の指揮、命令には、従わざるを得ないことは当然である。
特に軍隊の場合は、それは絶対的な義務である。軍国主義時代の日本軍隊のバイブルとも言うべき「戦陣訓」にも「上官の命は朕が命と心得べし」と書かれていたのである。つまり上官の命令は天皇陛下の命令と同じく、絶対的なものとして受け取れというのである。
これは分かる。一秒を争う戦闘の場で、上官の命令に反論したり、疑義を唱えて議論する余裕はなく、即対応しなければならないから、平素から上官の命令は絶対的なものとして徹底させておかねばならないからである。
アーレントの言う思考停止とは、この規律に盲従することを言うのであろう。が、その上官からの命令が、一般倫理に悖るものであれば、その命令に盲従してそれを執行したとすれば、それは誰もが犯しうる陳腐に罪なのだと警告しているのである。-
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