こう見てくると、イスラム国のジハ－ド戦士を希望して，かの地へ渡る若者の心理は、そこに多少のイスラム国からの説得の影響があったにしても、愚かな、軽薄かつ場当たり的、向こう見ずな浅慮による行動だと断定せざるを得ない。
　イスラム国に渡った彼らが、まともな神経なら、１００％来たことを後悔することになるに違いない。そうでなくて、彼らが意気軒昂で戦いに参加しているとすれば、それは危険ドラッグ浸けか麻薬漬けにされているからであろうと思う。まともな精神状態では、とてもそんなことは出来っこないからである。
　彼ら無事に連れ戻すためには、彼らが厳しい監視をかいくぐって逃げ出せる道を造ってやるしかないであろうが、それは簡単なことではない。
・イスラム国の本質
　コーランに忠実なイスラム国家を造り、世界をイスラム化するなどと豪語しているが、その本質は、シリアの内戦に乗じて、そのどさくさにまぎにれに、イスラム原理主義を看板にして、自分達の縄張り造りに精出しているにすぎない。
　イスラム教に忠実にと云っても、紀元４世紀から５世紀にかけて生きたムハンマドが神の伝言だしとして述べたことを基に造られたコ－ランを、そのまま２１世紀の世に施行できるはずがないのである。
　コーランが、キリスト教のバイブルや仏教の経典のように、道徳的な訓えや人間としてあるべき道を説くなら、２０００年前でも現代でも変わりはないと思う。
　が、コ－ランは、そればかりでなく、日常生活のこまごましたル－ルや、規律、さらには、犯罪となる行為やその刑罰の仕方まで記されているのだから、時代の変遷で、当てはまらなくなっているのは当然である。
　これを前代の社会に押し付けようとするのは無茶も甚だしい。コ－ランの強制は超アナクロニズムだと云わざるを得ない。