しかし、人類となると違う。
　人類の宿命というときは、個々人を離れて人類という種全体の避けられない定めということになる。
　つまり、人類の宿命とは、猿人を期限として進化して来た人類が、言葉を話し、文字を造り、使うようになって以来の文化、文明の発展とそれに伴う社会環境、自然環境への影響と変化によって、必然的に招くこさになるプロセスと結果ということになるのである。
　人類の進化、発展は、次の五段階で説明されている。
１最古の人類とされ、１７５万年以前に南アフリカ、東アフリカで生活していたとされている猿人、「アウトラロピテクス」。
２旧人と名付けられている「シナントロプス」「ピテカントロプス」
３原人と名付けられ、１０万年以前に生存していたとされる「ネアンダ－ル人」
４新人と名付けられ、３０万年以降生存していた「ホモサピエンス」
５現代人
の五段階である。
　しかし、この長い人類の進化の歴史のなかで、その文化、文明を発展させたのは、ほんの四千年前くらいからであったと思う。