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カジュアル哲学 (続)

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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年06月19日 08時41分32秒

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    故郷慕情 (8)

     一橋大学でノスタルジア心理実験をやったという、その詳細は省くが、その結論だけを紹介しよう。
     人は、ソ-シャルサポ-トが低下していると知覚すると、孤独感が強まり、ノスタルジア欲求が喚起されるが、ソ-シャルサポ-トが強まると、生きる意味を確認できる心境になることが分かったというのである。
     ソ-シャルサポ-トというのは人とのつながり、とか相談相手があるとか、他からのサポ-トがあるということであろう。
     自分が孤立無援で社会から切り離されているのではないか、という認識がネガティブ感覚を生み、最悪の場合は自殺にまで繋がるという心理の推移は分からないではない。
     そういうネガティブにあるとき、そうでなかった過去へのノスタルジアを喚起さーせ、それが一種の救いの機能を果たすことになるのだ。これがノスタルジアの心理であるとすれば、それは郷愁の心理と共通していると思う。
     地方から都会に出てきている人はも盆、暮や法事の際に、父母に孫の顔を見せる意味も込めて帰郷することが一般的である。それは郷愁を感じて帰郷するのでなく、年中行事としての帰郷である。
     このなうな性質の帰郷でなく、郷愁からの帰郷がある。ここにこそ、郷愁慕情の心理があると思うのである。

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